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カカシは何故、イルカに噛み付いたのか?


うみのイルカ

忍者登録番号 011850
誕生日 5月26日(23歳・ふたご座)
身長 178cm 体重 66.2kg 血液型 O型

はたけカカシ

忍者登録番号 009720
誕生日 9月15日(27歳・おとめ座)
身長 181cm 体重 67.5kg 血液型 O型

(個人データ引用:オフィシャルファングック「闘の書」)

カカシとイルカの年表

ファンブック「闘の書」を参考にカカシとイルカを比べてみたんですが、イルカの忍者学校卒業が11歳。中忍昇格が16歳。対してカカシが忍者学校卒業が5歳。中忍昇格が6歳で余りにも違います。イルカは忍者学校の卒業の前(在学中)に「九尾事件」を経験しているんですが、それはカカシも同じだし、神無毘橋でオビトを失うどん底もありましたからね。

実は、個人的に一時期、イルカが暗部(実はバリバリの「根」の所属で…)で、サイに関係してるのかな…と思ってた時もあるんです。かなり前の話ですけどねーッ!!

「"根"には…名前は無い。感情はない…」

サイに釘を刺した暗部(第32巻/99頁)…あれをイルカだと思ってました(汗)。サイとコンタクトを取った後、ヤマトと交戦に入り、お面を奪われ命からがら離脱した…と(←ヤマトが温泉でお面を持っていた理由)。幼年期の境遇(九尾事件絡み)や髪型がその根拠でしたが、やはりイルカの戦闘能力やそれを秘匿したような(思わせぶりな)描写も残されていません。

例えば、ミズキ事件でのイルカのスキルを観察しても、圧倒的に強いとか、潜在能力(ポテンシャル)がめちゃくちゃ高いようでもありませんでした。小事(ナルト救出)を前にして能力を隠してミズキと闘ったようでもなく、結局、最後はナルトに助けられましたから、イルカの戦技的なスキルはそれほど高くなく平凡な忍であると考えられます。

木ノ葉隠れの上忍クラスともなれば、ある程度のエリートと考えて良いでしょう。そして、それが火影を頂点とするピラミッドの上層部を形成していて、それを下支えする底辺を、その他大勢の中忍や下忍が形成していたとすれば、木ノ葉隠れの里の規模を維持するに足る組織形成のリアリティを感じます。

もっともイルカの場合は戦技以外で忍者学校の職務には貢献していたとも言え、人の向き不向き…適性を重視した適材適所とも思われ、それは実際の社会にも則した合理性を感じます。特に木ノ葉は子供を大切に育てる雰囲気が満ちあふれていて、それを目指して社会を形成している意図が見て取れます。イルカの場合は火影(三代目)の秘書的な任務もこなしていたフシもあり、事務系向きの性格だったのかも知れませんね。

木ノ葉隠れにおける忍者学校(アカデミー)は単なる学校として存在するのではなく、軍事拠点としての色合いが濃く、有事の際の集合場所として描写されたり、火影が常駐する執務室が組み込まれた建物の造りからも、それは想像に難くない部分であります。同時に忍の任務=木ノ葉の収入源を割り振る拠点でもあり、忍者学校の教官がその事務処理を受け持っていたようです。

瑣末(さまつ)な任務を片付けたカカシが報告書の提出するシーンでイルカとカカシが接見します。恐らく、これがイルカカの初絡みだったんじゃないかと思います(第4巻/134頁)。

「………ナルトの奴…
仲間とうまくやれてますか?」(イルカ)

「ま!ぼちぼちね!」(カカシ)

何故だか、頬を赤らめるカカシ。
目もやや泳ぎ気味(笑)。

「最近、忙しくて……
まだ帰って来て一度も会えてませんから…
ちょっと心配で……」(イルカ)

「イルカ先生もご存知の通り
あのうちはサスケも一緒なんで
ライバル視してはギクシャクしてますけど…
結果として実力はバリバリに伸びてますよ…
尊敬するアナタに追いつくぐらいに…!」(カカシ)

「……!」(イルカ)

波の国任務から帰って、日常の任務に埋没する第七班。カカシは落ち着いた所で、波の国任務の報告書を提出しに行ったんだと思うんです。イルカが「帰って来て一度も会えてませんから…」と言うのはそれを意味してると…。何せ鬼人・再不斬を倒したんですから、その武勇伝は何かしらの形で木ノ葉にも伝わってる筈です。そのイルカの興味津々はカカシにも伝わったんでしょう。

でも、イルカの質問にカカシが頬を赤らめるのは解らない。別の理由が欲しい。カカシとイルカの年齢差は4歳。年齢以上に戦技面のスキルはカカシが圧倒的でその何倍も水を開けている。状況的には、「写輪眼のカカシ」に対してイルカが羨望の眼差しで接し、そのリスペクとにコッ恥ずかしさをカカシが感じてるとするのが妥当かと思います。

木ノ葉の英雄、白い牙・サクモが一子。1000の術を持つコピー忍者の「写輪眼のカカシ」。その勇名を知っているからこそ、イルカはその…カカシにナルトが委ねられた事が嬉しかったんじゃないかと思います。イルカ本人もカカシは憧れの存在であり、自分が目指すべき忍だった…。その想いがイルカの熱視線となってカカシに降り注いでいた…?

でも、カカシはここでイルカに「尊敬するアナタに追いつくぐらいに…!」(カカシ)と、「イヤミ」ともとれるような言葉を投げかけています。これは既にナルト(サスケは含んでいない。サスケはアカデミー在学中に超えていた?)はイルカと同等程度に強くなった…と言う痛烈なイヤミだったと思うんですが、当のイルカは意に介せず嬉しそうに微笑んでました…。

「そうですか!」(イルカ)

にっこりと微笑むイルカ。屈託ない笑顔…。

純粋にイルカはナルトたちを心配してて、その成長を気遣っていたのでしょう。そして、カカシが伝えるナルトの成長。イルカに肉迫した…と遠回し(イヤミ)に伝えたのも気付かない程、喜んでしまった。それがあの微笑みだった…のだと思います。とすれば、それはカカシの気持ちを逆撫でする反応だったんじゃないでしょうか。もう少し踏み込んで言うと、カカシにはイルカの笑顔は眩しかったのです。

それは、カカシには出来ない反応だったから…。

そのすぐ後に、カカシの苛立ちが鮮明に浮き上がって来ます…。

在りし日の三代目。木ノ葉隠れの上忍連中を集め、中忍試験の告知を行います。余談になりますが、木ノ葉が砂隠れや小国の忍里と連携して中忍試験を催していました。雨隠れもその中の一つで、試験に登場した忍の外観(マスクなど)からは半蔵の配下(この頃はまだ半蔵はペインに殺られていなかった?)だったようですが、ま、この頃から関係が少なからずあったのですね(第4巻/145-146頁)。

「まず新人の下忍を
担当している者から前に出ろ

カカシに紅にアスマか…
どうだ…

お前たちの手の者に今回の中忍試験に
推したい下忍はいるかな?

言うまでもないことだが…
形式上では最低8任務以上をこなしている下忍ならば…
あとはお前達の意向で試験に推薦できる
まぁ…通例、その倍の任務をこなしているのが相応じゃがな」(三代目)

(聞くまでもない…アイツらにはまだ早過ぎる)(イルカ)

イルカはナルトたちの授業も受け持ったりしてましたし、里の任務をバリバリこなすには戦技レベルが足りなかったようですが、教育的な仕事にも適性があったんですね。或いは、火影のスケジュール管理や執務に付帯して発生する大量の事務処理を一手にキリキリと切り回していたんでしょうか?

イルカは絶えず三代目に近い位置で発言なり行動していて、どうも秘書臭いと僕は考えていまして、中忍の筈なんですが、ちょっと異色な配置かな…と思っています。かと言って、SP(護衛)っぽくもないので、それはどっちかと言うと黒刀のライドウ(ライドウも火影の近くに居る事が多い)の役割分担なのかな(笑)…と、考えています。

で、そのイルカ的にはナルトたちが中忍試験を受験するとは思ってもいないわけです。当然、辞退するだろうとイルカは高を括っていましたが(第4巻/146頁)、実際にはカカシもアスマも紅も全員がそれぞれの班員の中忍試験の受験を申し出ます。これは「……ふむ…全員とは珍しい…」(第4巻/147頁)と、三代目も驚きを隠せませんでした。


「ちょ…ちょっと待って下さい!!」(イルカ)

「なんじゃイルカ?」(三代目)

「火影様。一言、言わせて下さい!!」(イルカ)

ここで、イルカは黙っていられなくなってついついしゃしゃり出てしまいます(第4巻/147頁)。既に僕らはこの後に繰り広げられる中忍試験の危険度を知っていますから、今にしてではありますが、イルカの気持ちも解るってもんです。特に「死の森」では何人も死人が出てますからね(汗)。サスケも相当ヤバかったしね。

「さしでがましいようですが
今、名を挙げられた9名の内のほとんどは…
学校で私の受け持ちでした
確かに、皆、才能のある生徒でしたが
試験受験は早すぎます」(イルカ)

「あいつらにはもっと場数を踏ませてから…
上忍の方々の推薦理由が分かりかねます」(イルカ)


イルカのエクスキューズは先にも書いたように解らないでもないんですが、アスマや紅やカカシの判で押したような宣誓は自信に満ちあふれているようでもありました。中忍試験の告知(鳥が飛んで来て教えられた…アレ)に関しては唐突な印象を持っていたようですが、三者の申告シーンは、どちらかと言うと「待ってました!」と言った感じでした。

波の国任務から帰った第七班がやけに地味な任務をこなしていたのは、中忍試験の受験資格である「8任務以上」をクリアする為の配慮であり、瑣末で低ランクの任務でも一つは一つとガツガツとこなしていたんじゃないでしょうか。つまり、カカシは一刻も早く受験資格をクリアして、中忍試験をナルトたち受けさせようとしていたと考えられると言う事です。そして、それはアスマも紅も同じ考えだった…。

以下、カカイルの修羅場です(笑)(第4巻/147-149頁)。

「私が中忍になったのはナルト(12歳)より6つも年下の頃(6歳)です」(カカシ)

「ナルトはアナタとは違う!」(イルカ)

ここで、カカシとイルカの気持ちが微妙にシンクロします。二人とも「ナルト」で繋がってるんです。9人の生徒ではなく、二人の争点が「ナルト」の存在にある事が図らずも浮き上がるのです。要するに、二人はナルトを取り合ってるようなものなのです。ナルトの片方の腕を掴み、互いに自分の方に引っ張るように…。

「アナタはあの子達をつぶす気ですか?
中忍試験とは別名……」(イルカ)

「大切な任務にあいつらはグチばかり…
一度、痛い目を味わわせてみるのも一興…
つぶしてみるのも面白い…」(カカシ)

「な…何だと!?」(イルカ)

「…と、まぁ、これは冗談として…
イルカ先生…
アナタの言いたいことも分かります
腹も立つでしょう。しかし…」(カカシ)

「ぐっ…」(イルカ)

ここまで来ると完全なアオリですよね(笑)。カカシは普段、こんな事を言うような人じゃないのに、ヤケにイケイケでした。この姿に、僕はカカシのイルカに対するヤッカミ成分みたいなものを感じています。先に、報告書を提出した時のカカシのイヤミ。それを完璧にスルーできちゃう無垢な想い…。そんな風にナルトを想っていられるイルカへの嫉妬…。

「カカシ…もう、やめときなって…」(紅)

「口出しは無用!
アイツらはもうアナタの生徒じゃない
……今は……私の部下です」(カカシ)


イルカの心配の仕方って、極自然とも考えられます。むしろ、カカシの考え方の方が異常です。しかし、アスマや紅がカカシと同じ判断を下している。それはこれまで一緒に任務をこなして来た上での見極めがあったんじゃないかと思うんです。ナルトやサスケは波の国任務では九尾のチャクラ還元(0.5本目?)や写輪眼覚醒があったわけですから。

そして、多少の差異はあれど、アスマや紅も自分の部下にはそれなりの手応えなり、成長を感じてた筈です。それが中忍試験受諾の宣誓となって表れた。むしろ、それに向けて準備してたとも考えると、かなり前向きに中忍試験を目標にしてたんでしょう。それが、この会場でのカカシ、アスマ、紅の迷いなさなんじゃないかと思います。

「…………」(イルカ)

同時に、ナルトを「部下」と言い放つカカシ。その言葉に押さえ込まれるイルカ。かくも子供の成長とは速いものなんだと…オトナの想像を遥かに凌ぐスピードで子供らは階段を上っているのだと、カカシはイルカの喉元に突きつけたわけです。ま、ここまで言わなくても…って言葉でもあるんです。特にこんなに大勢のいる前で、たとえそれが正論であっても、オトナとしては配慮が足りないとも言える…。

(…ったくめんどくせー奴らだな)(アスマ)

「………」(三代目)

面白いのは紅とアスマの反応で、カカシの噛み付き方がやや子供っぽく映ったんでしょうか。別にイルカにこの場で応える必要は全くないわけだし、イルカの老婆心を指摘する叱責としても、対象(この場合はイルカ)の人格を最優先に考え、他者の耳目のない場所で一対一で行うのがセオリーですから、こんな大勢の中でやり合うのは単なる口論になってしまう。

紅もアスマもそれを解っていたから、ちょっと閉口してしまったのでしょう。逆に言うと、カカシにすれば、これは叱責ではなく口論だったのです。つまり、私憤に過ぎないのです。カカシにしてみれば、イルカの想いが羨ましくもあり、自分だってイルカみたいにナルトを抱きしめるような愛し方を、ホントはしたい筈なんです。でも、それは立場や事情が許さない…。

何より、それをしていては、ナルトたちは成長は望めない…。

また、カカシとイルカの衝突とは、愛情属性が同じ者同士の衝突で、その質が極めて似通った特殊性があったと言えます。カカシがイルカに対して抱く嫉妬にも似た感情は同質故の理解でもあるんです。ここでカカシがイルカに噛み付いてしまうのは、その視点の高さにある。カカシのそれは自来也やイタチに近いのです(教育論として、自来也とイタチは近似しています。詳しくは別に示しますが…)。

しかし、ナルトを容易く抱きしめてしまうイルカと同じ地平に、(同じように望んでいる)自分がいる。同時に、それを戒める「我慢」がカカシの中にはあって、カカシの内部でそれが絡み合い、鬩ぎあっている。イルカとカカシの対比はその具現とも言える。そして、その差分がカカシの静かな逆鱗だったわけです(笑)。つまり、イルカは知らず、カカシは知っていた…。

カカシも「ミナト→ナルトの親子関係」を知っていた?!

全てを知った上で知らないフリをし、力一杯、抱きしめたい気持ちを押し殺し、労(ねぎら)いや優しい言葉と共に溢れ出ようとする涙を塞き止め、我慢した…。そして、その姿は雄々しく逝った自来也やイタチ(イタチは微妙に生存の可能性が…汗)に酷似しています。カカシもまた、ナルトの成長を見守っていた…のです。黙して語らず、粛々と…。

全てはナルトの為に…。
それが師・ミナトとの約束?

カカシもまた「堪(こら)える人」だった…?!

だから、こんなに無垢にナルトを想うイルカの笑顔がカカシは憎らしかったのです。こんなに無防備にナルトに向き合えるイルカが、カカシは羨ましくて堪らなかったのです。また、アスマや紅とカカシが見せた温度差は、それぞれが知り得る「秘密」の重さや質の差異だった筈です。そして、それを見守る三代目は何も語らなかった…。その妙(みょう)に、思わず唸ってしまうケルベロスです。

そして…カカシはイルカに噛み付いた…(笑)。

しかし、それはイルカに対するシンパシー(共鳴)に近いです。
イルカの気持ちを誰よりも解っていたのが、カカシなのだから…。

  
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カカシの舌打ち

 
「心臓をいただく」

角都VSナルト(第38巻/15頁)では風遁・螺旋丸の失敗したナルトが、角都に心臓を奪い取られそうになっています(笑)。そのピンチを救ったのが、見事な連係プレーを見せたカカシとヤマトでした。カカシはヤマトに「ヤマト!」と言い、ヤマトはそれに「ハイ!」と応えただけでした(第38巻/14頁)。その見事さには、二人の暗部時代の蜜月っぷりが窺えた描写でした。

この時、ヤマトの木遁が一目散に角都の本体に向かったのに対し、カカシは角都の触手を雷切の手刀で両断し、ナルトを抱きかかえて救出しました。ナルトの離脱後、ヤマトは木遁で角都の本体に追い討ちをかけ引き離しました。カカシはナルトを守る。ヤマトは敵を攻撃する。二人の性格の特徴的な部分が見て取れる適材適所の攻撃は正に「阿吽」と呼ぶにふさわしいものでした。

「雷切!!」

その少し前、角都が背中のお面毎に所有する経絡系の分裂で攻勢に出た時(第37巻/96頁)、チョウジとシカマルに向けられた角都の雷遁・偽暗(ぎあん)を雷切の雷遁チャクラで相殺する防御技で対処しています。雷切って一撃必殺の暗殺技なんだけど、こんな使い方も出来るんですね。カカシは角都と同等以上(暁=火影クラス)の雷遁のチャクラを持ってる事も解りました。

再不斬の立ち往生(「カカシが怒った日」カカシの考察)でも書いたんだけど、カカシが自分の力を自分の為に使う事を好まない…と言うか、仲間を守るために使う傾向が強いんです。カカシは攻撃して敵を倒すよりは、自分の仲間を守ってしまうような視野の広さがある。それが、カカシの持つ大きく強い力を内に向ける傾向があると、僕は分析しています。

"君たちを傷つけやしなーいよ"…なんて笑って言うのはごめんだよ」

カカシ班の代行班長に就いたヤマトがサクラに言った台詞ですが(第33巻/168頁)、これはヤマトが丁度、カカシの対極にあって、角都への攻撃とそれに続く追撃にも見て取れるように、敵を倒す事…外に向く力…がヤマトの中核を成しています。ヤマトの場合は敵の殲滅が最優先で、それが任務遂行より直線的に達成できる合理的な思考パターンなんでしょう。これを冷たいとは言わないので…一応(Cool!←カッコ良い!)。

それで、ちょこっと想像するならば、過去にヤマトはカカシに助けられている。カカシを「先輩」と敬い、カカシに対して、かなりのドMっぷりを示すヤマトは、カカシに対しては相当な「負い目」があるんです。カカシに自分が命を救われた。実際に「……しなーいよ」と庇(かば)われた自分が在るから、ヤマトは敢えてナルトやサクラに伝える必要があったのです。

「確かにボクはカカシさんの代理だ
けど、カカシさんとボクは違う」

それは…ヤマトの確固たるアイデンティティ(第33巻/168頁)。凛として何事にも揺るがない強固な自己同一性が、それを語らせるのです。ヤマトはヤマトであって、カカシではない。人はそれぞれ違う。自分と他者も勿論違う。それらを受け入れないと、過剰な期待や依存心が堆積(たいせき)してしまって、結局、人の成長を妨げる…そう言う配慮がヤマトにはあったのだと思います(←このベクトルがポイント!)。

カカシとヤマトが小気味良い連係が取れるのは、二人が陰陽の絡み合いが「太極」を成すように、全く違う性質(気質、性格)だからじゃないかと思うんです。カカシが内向きなら、ヤマトは外向きで…。カカシが味方の安全を重視するなら、ヤマトは敵の打倒を重視する。そう言う、相反する…何もかもが違いすぎる「組み合わせ」なんです。

二人の「阿吽」の呼吸はそれをベースにしているのです。

これはもう、カカシとヤマトの役割分担が究極的にマッチしてる事を物語ってて、それは二人の性格付けに大きく関係しているんです。有り体に言えば、カカシを母親、ヤマトを父親とすると、「家庭」というパッケージに上手く収まってしまう。別に二人がどうこうなってるというんじゃなくて(笑)、それは人と人とが共同で何かを為す時の「相生」(順送りに相手を生み出して行く、陽の関係)とも言うべき凹凸そのものです。

「君の強さの源は九尾のチャクラではなく
恐るべき九尾のチャクラに耐えうる、その君自身のチャクラの力だ」

あの父親(っぽい)の叱責で魅せたヤマトの物言い(第33巻/181頁)。ヤマトの叱責とか導き方は見紛う事なく父親のそれだし、カカシの自分の身を挺した闘いっぷり(厳密には守りっぷり)は、ひな鳥を守る親鳥…思えば中忍試験のVS大蛇丸(封邪法印)から連綿と続くカカシの真骨頂ですよ…母親の愛情に感じてしまいます。この二人の「光と影」と言うべき全く真逆の性格(性質)が際立ち、そして絡み合い、お互いを拒まない…「阿吽」を成している事に気付きます。

要するに、それはカカシが「母親」の愛情属性の持ち主だと言う事です。それは、ヤマトとの対比で充分に解ると思います。だから、カカシは心配性で、先回りしてしまうようなところがあるから、サスケを止める事ができなかった…(「カカシは何故、サスケを止められなかったのか?」参照)。結果的にですが(汗)…時と場合によっては、子供にとって、母親とはウザい存在でもあると言う事です(笑)。

だから、カカシはこんな風にナルトを心配してしまう…。

<コン><コン>(カカシ)

「!」(ナルト)

「な…なんだ…カカシ先生か……」(ナルト)

「五代目がお呼びだ。すぐに支度しろ」(カカシ)

あの時…カカシがナルトを窓越しに起こしていましたよね(第404話/「"鷹"と"暁"」)。フカサクが自来也の戦死をナルトに告げる為に火影の執務室に呼び寄せた。その伝令でした。この自然なやり取りから想像すると、こんな風にカカシは窓越しにナルトを見守っていたんだと思います。そして、ナルトの気付き方からすると、カカシが積極的に教えない限り気付かなかった…(笑)。

つまり、カカシはナルトの寝顔を見て安心したり、心配してた…と考えられるわけです。ま、ナルトみたいな重要人物がこんなセキュリティで休んでて、しかも、忍である筈のナルトがカカシの気配に寝てて気付かない…と言う部分に突っ込みどころがないとは言えませんが(笑)。それも、木ノ葉の静かで鄙(ひな)びた雰囲気にはマッチしてますけどねーッ(ワンピのブルック風)。

カカシはいつも窓の外からナルトを見守っていた…。

カカシはこんな風にナルトを心配して、先回りをして見張るような事をしていたんでしょう。当然、あの夜だって、自来也の訃報を受け入れられなくて深夜徘徊してたナルトも尾行していた。そしてイルカが接触し、ナルトを解きほぐすのも見ていた…。しかし、それだけじゃ足りない事をカカシは感じていた。そして、ナルトがその後、またズブズブと沈んで行くのを見てたのは辛いことだった…。この流れをカカシはズーッと観察してたんだと思うんです。

だから、カカシはシカマルを誘引したんじゃないでしょうか…。 

「暗号もそうだがあいつのことも心配でね」(カカシ)

「そっちの方もたのむ」(カカシ)

「あんまり期待されてもね」(シカマル)

シカマルの「期待されてもね」ってのがミソで(第406話/「未来への鍵」)、相当なプレッシャーをカカシがシカマルに浴びせていたと言う事です。それをシカマルは感じてた。カカシが言うように、「暗号」も確かに大事だけど、カカシには、イルカに解きほぐされ立ち直ったかに見えたナルトが、再度、グダグダに沈んでしまったのを実際に見て知ってる筈ですから、それを何とかしたかったのです。

シカマルにすれば、カカシが行けば良いのにと言う気持ちがあったんですね。でも、役割分担としての「自分」をシカマルはちゃんと知ってるから、結局、ナルトを立ち直らせだけど、カカシくらいなら出来るだろうと、シカマルもカカシをリスペクとしてるわけで、このシカマルの反応は自然に感じます。それに、この時点で現実味(あそこまで沈んでるグダズブのナルトのイメージ)がシカマルにもなかったのもあるな…。

あのアイスキャンディ割りのイルカの懐柔……。

「自来也様はお前のことを
いつも褒めてたよ

自分ののようだと
いつも鼻高々に話して下さった

お前が自分の意志を継ぐ存在だと信じてた
いずれ立派な火影になると信じて疑わなかった

自来也様はお前をずっと見てるさ…
今だってどこからかな

あの人はお前が
落ち込んでるのを見ても
褒めてはくれないぞ

だから…

今まで通りの
褒めてもらえるような
お前でいればいい

いつまでも落ち込んでんな!」

イルカの物言いはまるで、サスケを安心させようと、ホントは伏せておくべき…フガクの言葉を吐露してしまったミコトと酷似していましたね(第405話/「遺されたもの」)。この解きほぐしはカカシにも出来る事でしたが、自来也が自分に刺刺しいカカシよりは、かなり従順なイルカを選択したのか?(笑)カカシはハブされてたんです(笑)。そして、自来也はイルカに「もしも」を託してた…。

でも、カカシは本心で、この懐柔をしたかった筈です。心配性のカカシの事ですから、あの夜もナルトを尾行してたのだし。窓越しに毎夜、ナルトの寝顔を確かめに行ってたんだから…。カカシは、イルカが自分よりナルトの近くに居る事も解ってたし、イルカとナルトの接触も感じていた。切なかった…。苦しかった。行為的には、あの懐柔はカカシにも出来たんです。でも、情報量でイルカが勝った…。

あの時も、カカシが機を察する前にイルカが出たんじゃないかと思います。カカシとイルカって、愛情の属性的には被るから、この場合は「早いもん勝ち」が原則(笑)。機先を取られたカカシは物陰からソッと見ているしかなかったのです。カカシの内側は複雑だった?嫉妬や敗北感に近いドロドロした気持ちが湧き出していたんじゃないでしょうか。

父親と母親の役割分担ですが…。

母親が「抱きしめる」のに対すれば、父親は「立たせる」のかと思います。イルカはアイスキャンディ割りで、ナルトの「魂」を抱きしめたのです。正確には、踞って泣き濡れるナルトの「魂」を…。抱きしめる事で認めた。そのままそこで踞っていて良いと…。つまり、イルカはナルトを許したのです。

ナルトはその「許可」に微笑んだだけなのです。

でも、それでは踞(うずくま)って泣いているだけです。そのままでは一歩も前には進めません。だから、シカマルが訪問した時、ナルトはグダグダのズブズブに沈んだ別キャラになっていたのです。完全、キャラ変わってましたよね。ネクラの引き蘢りですよね。世が世なら、完璧なニートですよね。それでジャンクフード好きなんてハマり過ぎ(笑)。

カカシはナルトのこの姿を知ってたからシカマルを向かわせたんです。ここはナルトを立たせないといけない。自分の足で立ち上がらせ歩まねば、ナルトは自来也の現実を乗り越える事はできない。それをカカシは理解していたから、シカマルをナルトにあてがったわけです。カカシが行っても抱きしめて許してしまうだけだから…自分にはできない所行だと言う認識が、カカシにはあったのです。

子供の成長に父親と母親の『両輪』は不可欠!!

きれい事。理想論…。でも、それが非常に望ましい条件であると思います。『母親が許し、父親が立たせる』…その『阿吽』は子供の育成には必須の筈です。しかし、現実は厳しく、オトナにも人生はある。そして、それを我侭(わがまま)と言ってしまえる資格は、僕にもない。一人のオトナとして、少年少女には万全な状態で顔向けは出来ません(汗)。マジに何とかしないといけない…。

だから、イルカがナルトの持つアイスキャンディーを手に取り、割り与えたのはショックだった…筈です(第405話「遺されたもの」)。恐らくそれは、カカシが知らない「事情(情事?)」だったから。自来也はイルカにしか教えてはいなかったでしょうから。そして、それに応えたナルトの視線にカカシの胸は軋(きし)んだ…。この瞬間、カカシは自来也の全てを明かさないオトナっぷり…自分が未だに「子供」と思われてる(かも知れない?)疑念と、自来也との棘棘しき関係を呪ったことでしょう(笑)。

「チッ…」

僕の耳にはあの時、カカシが舌打ちするのが、確かに聞こえました…。
街灯の下のイルカとナルトを、カカシはジトッ…と見つめていた…(笑)。
  
  

カカシは何故、オビトの死を忘れられないのか?

 
波風ミナト

波風ミナト(illustration:senkou-banrai)
忍者登録番号 ?
誕生日 1月25日(享年20歳?・みずがめ座)
身長 179.2cm 体重 68.1kg 血液型 B型

はたけカカシ
忍者登録番号 009720
誕生日 9月15日(27歳・おとめ座)
身長 181cm 体重 67.5kg 血液型 O型

リン
忍者登録番号 010885
誕生日 11月15日(?歳・さそり座)
身長 ?cm 体重 ?kg 血液型 A型

うちはオビト
忍者登録番号 010886
誕生日 2月10日(享年13歳・みずがめ座)
身長 154.2cm 体重 44.5kg 血液型 O型

(個人情報は『闘』の書より引用)


「カカシ外伝」の冒頭部分で、ミナト班の集合にオビトが遅れてしまって、ハァハァ言って駆け付けた直後。勢ぞろいしたミナト班の微笑ましい(笑)語らいのシーンがあります。「カカシ外伝」は本編の第一部と第二部の繋ぎに週ジャンに連載されたスピンアウトで、単行本だと第27巻に収録されています。この時のカカシの描写が、口煩(くちうるさ)い小姑のような役回りで、思わず萌えてしまったのを思い出しました。

「ルールや掟を破る奴は忍者としてクズ呼ばわりされる!
そうでしょ!」(カカシ)

「………アハハ…」(ミナト)

「てめーは心の優しさってもんがねーのか!
いつもルールだ掟だ。うっせーんだよ!
要は自分の中の自制心だろーがよ」(オビト)

<ピキィ>(カカシ)

「…」(ミナト)

「まあまあ、二人ともやめようよォう。
同じチームなんだからさーあ」(リン)

「リンは甘いんだよ。オビトに…
今日はオレにとっても大切な日なんだからさ……」(カカシ)

「そ…そうだよねぇ…」(リン)

「? なんだっけ?」(オビト)

ここで、カカシが上忍に昇格した事を知らされます(27巻/72頁)。カカシは登場人物中、屈指の才能の開花の早かった超エリートで、5歳でアカデミー卒業し、6歳で中忍に昇格しています。そして、12歳で上忍昇格です。カカシが7歳(神無毘橋の5年前)の頃のサクモの「死」さえなければ、このタイミングはもっと早かったかも知れません。僕はカカシの7歳~12歳の間に、ヤサグレた期間が存在していると推察しています。

カカシが言い知れない喪失感に苛まれ、無為に流されるように生きる意味を見失いかけた…痕跡。それを何とか引き戻したのが、波風ミナト…後の四代目・火影との出会いだったのだと思います。お陰で、カカシの停滞した人生は再生を始め、こうして上忍にも昇格できました。その「これからッ!!」って言う、「大切な日」だったんだと思います。その意気込みに、カカシが第一部で見せない、背伸びしたような雰囲気も感じます。

ま、ここは、そのお祝のプレゼントを持ち寄るシーンの導入なんですが、ミナトが「飛雷神のクナイ」で、リンが「救急セット」(お守り付き・)を手渡しています。どちらも「カカシ外伝」の中で大きな意味を持つアイテムになっているものです。この時、オビトだけが何も渡しませんでした。そして、それが物語の終盤の大きな伏線になっていて、カカシの"写輪眼"に結びつく「オチ」になって行きます(実に隠し味の効いた嫌らしいくらい上手い導入でした)。

リン・オビト・カカシ


で、ちょっと脱線します(滝汗)。

ミナトのアカデミー卒業は10歳でした(「闘」の書)。意外に遅かったんですね(汗)。以前、ミナトの「九尾事件」での年令を考察しましたが、その時は、この記述に気付かなくて、6歳程度でアカデミーを卒業した事になってます(笑)。三代目の「走馬灯」の絵柄からミナトと自来也の出会いを推測したんですが…と言う事は、10歳で自来也に弟子入りしたと考えるべきでしょう。ま、この後、猛烈なスピードでミナトはスキルアップして行って、そのまま「火影」になってしまったのです。

でも、10歳で自来也に弟子入り(アカデミー卒業)が確定するなら、「神無毘橋」の18歳。「九尾事件」の20歳はかなり濃厚になるんじゃないかと思います。自来也の時系列的にも、長門達の弟子受けから卒業の3年間とミナトの弟子受けにも余裕が生まれ、自来也の「掌の返しの遅さ」=「不器用さ」と符合して心地よくもあります。自来也は長門達の戦死を聞き及び、恐らく、自分自身で確認に行った筈です。そして失意に沈んだ…。その失意の闇に差し込んだ「光」。それがミナトとの出会いだったんだと思います。

ミナトが自来也の弟子として過ごした期間は、螺旋丸の開発に要した期間から最低でも「3年」と思われ、それが上手い事(笑)、カカシの父…サクモの「自死」と被ります。この運命の綾に、ミナト→カカシの師弟関係のベースに自来也が存在するのでないか?と僕は勘ぐっています。才能ある「卵」(=カカシ)が闇に沈みそうになっているのを知り、自来也が見つけ育てた「光」(=ミナト)で、その「闇」を照らしたんじゃないかと思うんです。

きっと、自来也はカカシが幼い頃から気に止め、その成長を見守っていたと思うんです。しかし、自来也も何分忙しい身故、パートタイムでしか愛情を注げないし、自来也が感じるカカシの「天秤」(天賦の才能)は自来也には重く感じられたと、僕は考えてまして…それが、カカシが自来也に抱く「刺刺しさ」の自来也側からの根拠になっています(ミナトの場合は自来也との出会いで急激に開花し、ミナトが自来也を包み込むような理解者に、一気になってしまったと理解しています)。

カカシは非常に複雑な心の内部構造があって、愛情の発露や、感情の移入の仕方が一般ピープルと違います。実は自来也ほどではないにしてもミナトに対しても「わだかまり?」…と言うか…「遠慮?」…と言うか…「距離?」…みたいな障壁を持っていて、それがカカシのミナトに対する独特の反応になって、その場その場で現れています。つまり、カカシがミナトとの出会いで完全に過去を払拭できてはいなかった…と言う事です。

カカシとミナトの間には微妙な雰囲気が漂っていた…!?

例えば、カカシが開発中の「千鳥」を披露し、単独で敵に飛び込んで行こうとした時です。「行くぞ!!」(27巻/85頁)とやる気満々のカカシをミナトは無言で制止しています。

「大勢の敵がいても、この術なら一瞬でやれます。
先生の通り名と同じですよ…
それに…先生…アナタが言ったんです。今の隊長はオレです。
チームは隊長命令に従うのがルールでしょ…先生!!」(カカシ)

「………」(ミナト)

結局、ミナトはカカシを止める事はできませんでしたが…(27巻/88-89頁)。ミナトは敵の布陣(多重影分身の分散配置)や敵本体(ミナトは一人と察知していました)との距離から、カカシの単独での突入の危険性を感じていたのです。しかし、制止はしてみたものの、それでカカシが止まるとも思ってはいなかったようで、その直後のミナトの神速とも言える援護射撃に繋がります。

カカシはカカシで、「先生の通り名と同じですよ…」と言う台詞からもわかるように、ミナトの存在を思いっきり意識しています。カカシの「千鳥」の開発エピソードのベースは「螺旋丸」です。カカシの"写輪眼"獲得と前後するのでややこしい考証でもありますが(汗)、「千鳥」がミナトを意識した、カカシの「背伸び」を起点にしている事は、この時の二人のやり取りからも感じられます。

この時のミナトの諦めを事前に織り込んだようなカカシへの対応は、カカシに対する期待感の裏返しかな…と、僕は考えています。二人の時系列を対比してもアカデミーの卒業がミナトの10歳に対してカカシは5歳ですから、カカシは超の付く異例の「早咲き」であったと言えます。しかも、ミナトは「木の葉の白い牙」と謳われた、はたけサクモを恐らくはリアルで知っています。

サクモとミナト

ミナトとサクモ(illustration:senkou-banrai)

いつもながらめちゃくちゃカッコ良い!「閃光万雷!」のWILLIAMさんのイラストですね。このイラストをお借りした当初、右の人物を「カカシ」と誤認していました。それで、左眼に傷がなく、"写輪眼"でもない事から、ミナトとカカシのアナザワールドかな?とワクワクしてしまったんです。つまり、オビトの死がなかった「未来予想」です。

でも、それはWILLIAMさんへのインタヴューで敢え無く沈没(汗)。このイラストは在りし日のサクモとミナトである事が判りました。それを聞いてやっと「閃光万雷!」さんにアップされてた記事を思い出して青くなったケルベロスです。さ、最近、い、忙しくて…も、物忘れがは、激しくて…(汗)。と何度も何度も心の中で言い訳したものでした(笑)。

WILLIAMさんに盛大な拍手をッ!!

ナル×ジャン的時系列の分析からはややミナトの外観が年齢的には上(仔カカシ程度)かな…とも思われますが、ミナトの纏う「カカシを想う空気」からは、若かりしミナトがサクモと行動を共にした痕跡…サクモに対する恩義や尊敬を感じます。その根底に、ミナトがサクモを「神格化」してしまうようなエピソードがあった可能性に期待してしまいます。

例えば、カカシとの関係に悩むオビトに、カカシの持つ「複雑さ」を説明する時に、ミナトはカカシの父・サクモの存在を取り出しています。この回想のカットでサクモのシルエットが紹介されていまして、それは今のカカシと非常に似ています。恐らくカカシはサクモの生き写しのような外見だったのではないかと思わせる描写でもあります。

「カカシは"木の葉の白い牙"と恐れられた天才忍者
はたけサクモさんの息子でね…
その親父さんの前では"伝説の三忍"の名すらかすむほどだった…
そんな天才のもとで幼少期を過ごしたんだから、
キミ達を見て、時折、物足りなさを感じるのもムリないのかもね」

ミナトの口振りから、サクモを畏怖(いふ)するベクトルすら僕は感じています(27巻/103頁)。"伝説の三忍"を引き合いにだし、更にその上にあると言う事は、「…くっ、刺し違える……!?バカか…オレは…!」の…かつてカカシが大蛇丸を恐れた描写(8巻/129頁)と比較しても如何にサクモが偉大な存在であったかを物語っていると思います。

そして、サクモの子であるカカシも近寄り難い(面倒臭い)存在として周囲には好まれはしなかったと、僕は想像しています。それは同年代の忍(アスマや紅ら)の対応を見ても理解できるところです(4巻/149頁)。だだ一人の存在…ガイだけを除いては…(笑)。二人の関係性はまた特殊で、説明が長くなるので別の「考察」に委ねることにしましょう。

ミナトは懇々とオビトに説明をしているんですが、自分がオビトと同じ年頃(13歳程度)で直に感じたサクモの存在感を今も生々しく覚えているんではないかと思うんです。きっと、師である自来也すら子供扱いしてしまえるようなサクモの力量をミナト自身も忘れられないでいるのだと、僕には思えるのです。

ミナトはカカシの育成には手を焼いていた!!

きっと、カカシの「才能」とはミナトにとっても驚きに近いものだっとろうと、想像しています。そして、人を教育する立場の人間としての「葛藤」がミナトにもあったのだんではないでしょうか。カカシの豊かな「才能」を如何にして伸ばそうか?そこには「欲」もあったろうし、カカシの持つ「繊細さ」もミナトには心配の種であったとも思います。ミナトはカカシの育成に関して、相当、慎重であったと僕は考えています。

やや遅咲きのミナトは自来也に師事する事で猛烈なスピードで開花して行った事は時系列での分析でも疑う余地のない部分です。しかも、ミナトの絶大なる自来也へのリスペクトも「本当の選択!!」(第382話)の自来也の「走馬灯」で描写があります。二人の濃厚な師弟関係の有り様から、ミナトの「教育方針」は自来也のそれに準拠していたと、僕は想像しています。

ミナトは自来也に比して数(十?)段、如才なかった事でしょうが、それでもカカシが自来也に抱いていた「棘棘しさ」を極微少ではありますが、ミナトに対してもカカシが抱いていた雰囲気は感じます。「カカシ外伝」におけるカカシとミナトの関係はと言うと、ミナトのカカシに対する視線も単なる弟子と言うよりはライバルに近く、お互いを意識しあい認め合うような関係へ移行してく過渡にあった気がしています。少なくともミナトはカカシに可能性を感じていると思います。

カカシも幼い頃から、「三忍」をも凌ぐような大天才の父・サクモの英才教育を受け、ミナトが分析するような「物足りなさ」をオビトたちだけでなく、自分の周りの多くの忍者(オトナ)たちにも感じていたのだと思います。それはサクモを不幸にして失ってしまった直後(カカシが7歳程度)、更に拡大して行ったんじゃないでしょうか?

同じように周囲のオトナもカカシには一目置いてしまった…。と言うか、煙たがったり、近寄らないような傾向にあった。つまり、少なからず疎外されていたのです。カカシの幼年期はナルト程でもなく、種類は違うにしても、決して恵まれた暖かさはなかった事は確かだと思われます。

カカシの時系列を考察していると、6歳の中忍昇格から12歳の上忍昇格までの6年間にどうしてもうらぶれて、やさぐれてしまった「空白期間」を想像してしまいます。そして、それを自来也が危惧し、ミナトと引き合わせた…。その流れは極めて自然なエピソードとして僕には容認できるのです。

そして、ミナトはカカシにとってサクモを彷佛(ほうふつ)させる存在であった…。ミナトとの出合いは、カカシにとって稀に見る信頼や尊敬に値するオトナとの出会いだったのだと思います。

「それと、もう一つ…カカシ。
さっきの術(千鳥)なんだけどね。
あの術はもう使わない方がいい。
見たところ一点集中型の突き…
確かに破壊力とスピードはあるけど…
自分自身の移動スピードが速すぎて
相手のカウンターを見切る事が出来ない…
不完全な術だからね」

「……」(カカシ)

神無毘橋の戦いにおけるカカシのミナトへの服従には、カカシ側の「ざらつき」を強く感じます(27巻/100頁)。カカシの痛いところを突かれた…と言うような驚きの表情。その直後の沈黙。この時のミナトの突き放したような対応を、カカシは冷たく感じていたのではないでしょうか。ここで、カカシがミナトに服従するのは個人的なリスペクトによったんではないかと、僕は考えています。

カカシのグレっぷりや、理屈っぽさから想像すると、サクモは理論的で周到な説明をカカシに行なったんではないかと思うんです。それが急に居なくなってカカシは戸惑ってしまったんです。代わりにミナトがカカシの師になるわけですが、恐らく、ミナトは自来也譲りの放任主義だった(笑)。カカシはその大きな落差に違和感を感じていたとは思います。

ミナトとも「九尾事件」によって別れが訪れてしまいますが、自来也とはその後も関係がカカシにはありました。やはり自来也のカカシに対する接し方は、カカシにとっては違和感があったと思います。それが時間と共に成長し、「棘棘しさ」になって行った…。だから、もしかしたら…なんですが、ミナトが存命していたと仮定して考えれば、カカシもいつかはミナトにも棘棘しくなったかも知れないと思えるのです。何故なら…

カカシはちゃんと言って欲しい人だった!!

サクモだったら、ちゃんと「言葉」で伝えてくれたんだと思います。「千鳥」だって、ミナトのように「不完全な術」とか言うだけじゃなくて、「じゃ、どうすれば良いか?」をちゃんと理詰めで、カカシに教えてくれたと思うんです。人を導く上で「相性」は確実に存在します。ミナトは自来也と相性が抜群で、カカシは自来也と相性が良くはなかった。それからして、ミナトとカカシの「相性」は良くなかったのではないか…と、僕は考えています。

カカシの他者に向けられる「棘」は、カカシ自身の持つ一種の厳しさなんだろうと思います。そして、カカシのその厳しさは父・サクモにも向けられています。カカシは父・サクモの自死に極めて間近で遭遇している描写(シルエット)が残っています。幼かったカカシは父の「弱さ」を責めたことでしょう。何故なら、カカシは独りぼっちになってしまったから。サクモの死によって、カカシは引き蘢るより仕方ない状況に追い込まれたのだから…。それは、ミナトも感じてたと思います。

「カカシはそれ以来、親父さんのことを口にしなくなり、
掟やルールを守ることに固執しはじめた…」

ミナトの回想からはこの頃からカカシやサクモとミナトが関係があった臭いを感じます(27巻/105頁)。そして、カカシは父を死に追いやった「掟やルール」に逆に引き蘢っていったんですね。それは、幼い自分を遺して逝ってしまった父・サクモを責める行いでもありました。カカシは父をも恨んで行ったのです。そして、繊細なカカシは、父をも恨んでしまう自分を苛(さいな)んで行ったのです…。

カカシは自分の心に「棘」を突き立てていた!!

カカシが神無毘橋で不自然に力(りき)み、息(いき)み、「掟やルール」に固執する様は、その「棘」の痛みにもがき苦しむ悲鳴のようでもありました。勿論、その「悲鳴」には、ミナトも気付いてはいましたが、ミナトはカカシ自身にその「棘」を抜かせる道を選択していたのです。カカシが自分の力で、その痛みを払拭できる時が来ることを信じ、暖かく見守っていたのです。

確かに、人を教える方法は何種類もあって、ミナトの選択は決して間違いではなかったと思います。ミナトも本心でカカシの事を案じ、カカシの豊かな才能を如何にして伸ばすかに腐心していた事は疑う余地もなく、闘いの最中にあっても、きめ細かい配慮があったり、絶妙な距離感をもって、カカシの事をミナトは気遣っていました。それがミナトの教え方だったのです。

もう、ここからは「相性」の話になってしまって、その機微は「恋愛」に近いんです。「恋」が初めからそこにあるように、「相性」が良い悪いって言うのも、努力でどうこうなるものじゃないんです。最初から決まってる事だから、こればかりはどうしようもないんでうすね。だから、相性の良い師に出会うって言うのは幸運な事なんですよ。妙に心に残ってる「先生」って、それだと思いますよ。

カカシはナルトの「天然」と言うか、感覚的な物事の理解の仕方に驚きを隠せないタイプの人なんです。それがカカシの言うナルトの「意外性」なんですが、逆にカカシを起点に「教育」や「学習」を考えると、ちゃんと、そのものズバリを指摘し、説明してもらいたいと思う生真面目な側面が、カカシには多分にあるんだと思うんです。

カカシの心にはグッサリと太い「棘」が刺さっていた!!

カカシに言わせてみれば、「"棘"が刺さってるんなら抜いてくれれば良いでしょ」(或いは抜き方を教えてくれ…)になると思います。また、サクモが居たら抜いてくれたんでしょうね(そもそも刺さらなかったろうし…)。しかし、ミナトはそれを良しとはしなかった…だけなんですよね。これで、カカシを「甘えん坊」とするのもちょっと違うな…と思うんです。こう言う反応って、むしろ「性分」ですから…。

「カカシ外伝」の終盤…カカシを隊長にオビトとリンの3マンセルがミナトと別れ別行動を取るんですが、途中、岩忍の奇襲に遭い、リンを拉致られてしまいます。残ったカカシとオビトは任務の続行か?リンの救出か?の二者択一を迫られる事になります。そして、「掟やルール」にこだわるカカシの選択に、オビトが食ってかかるシーンに、二人の「魂」の鬩ぎあいが克明に描かれています。

『オレは"白い牙"を本当の英雄だと思ってる…』(オビト)

「……!!」(カカシ)

「…確かに忍者の世界でルールや掟を破る奴は
クズ呼ばわりされる…けどな…」(オビト)

(………)(カカシ)

『仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ!』

「どうせ同じクズなら、オレは掟を破る!
それが正しい忍じゃないってんなら…
忍なんてのは、このオレがぶっ潰してやる!!」

この時のオビト(27巻/125頁)は、木の葉病院で自来也を言い負かしたナルトそのものでしたね(27巻/41-45頁)。オビトがカカシに告げた言葉はカカシにとっても本心であったと思います。カカシはそれを誰かに教えてもらいたかったのです。しかし、誰も自分を恐れ近付こうとしない(カカシは優秀過ぎた)。唯一とも言える信頼できるオトナであるミナトも、肝心な部分には冷たかった(そう言う方針だった)。

そして、そんなカカシに唯一人きり、真正面からぶつかってくれたのがオビトだったのです。オビトはカカシの才能とか、父・サクモの存在なんかにお構いなしに、カカシと言う「人間」をぶん殴ったのです(27巻/120頁)。カカシが殴られるなんて、サクモ以外にはなかったでしょう。そして、敢えてそうしなかったミナトの態度に、カカシは「冷たさ」や「距離」を感じていたのだと思います。

何より、オビトは真直ぐな子でした。リンへの分厚い想いもありました。そして、カカシに対する友情も芽生え始めていた。同時に、カカシに対する尊敬もあった。そりゃ、反発も大量にありましたけど…。それらのごちゃ混ぜの想いが、カカシにぶつけられた「拳」であり、カカシの心の深層への「理解」だったのです。

オビトはサクモを認め、カカシの本心を肯定してくれたのです。オビトはカカシが引き蘢ることで目を背けていたカカシの「本心」を言い当ててくれたのです。カカシはその一言が聞きたかったのです。つまり、答えは既にカカシの中に存在した。ただ誰かに背中を押して貰いたかった…。

オビトがカカシの心に刺さった「棘」を抜いたのです。

ミナトと出会う事ですらカカシは過去の全てを払拭は出来なかった。だから、「カカシ外伝」の冒頭から全開のバリバリに(笑)、カカシは棘棘しい「掟やルール」に固執した歪んだキャラだったんです。カカシがミナトと出会う事で完全に過去を払拭できていたら、また違う未来があったんだろうなと思います。オビトも死ななかったかも知れない(汗)。この想像が今のカカシを責めてるんですけどね…。

確かに、ミナトとの出合いはカカシにとっては大きな出来事であった筈です。ミナトは、それまでカカシを恐れるように遠巻きに見ているだけのオトナたちとは明らかに違う存在だったでしょう。ミナトとの出合いが、カカシに無為に過ごす事を止めさせ、歩みを再開させたのも確かだったと思います。ミナトは多大な影響をカカシに与えた一人でだった筈です。

でもね…、他人に「棘」を刺さないように注意してしまうような優しい人って、他人の「棘」も抜く事が出来ないんですよ…往々にしてね。何故なら距離をおいて接しているから…。これって、ミナトとか自来也のラインなんです。こう言う「優しさ」ってのもあるんですよ。気付いてるか気付いてないかは微妙なんだけど、カカシも実はこのタイプなんです。つまり、カカシと自来也やミナトは非常に似てるんです。

そして、カカシのホントに痛いところに手が届いたのはオビトだったのです。だから、オビトがカカシの人生を変えてしまった。そんなオビトにカカシは心から感謝しているのです。そして、神無毘橋で、オビトの「死」を防げなかった(むしろ、原因になってしまった)自分を、カカシは責めてしまうわけです。哀しいループがここには存在するんです。今も…カカシの心は神無毘橋のオビトが沈んだ岩宿を彷徨っているのかも知れません。

人って生きてる限り、誰かを傷付けてしまったり、犠牲にしたりしてしまうものです。普通はそれを仕方ない事と片付けたり、忘れてしまったりするものなんですが、カカシの人一倍豊かな優しさは、それを許さないわけです。忘れてしまわないように、自分で自分に「棘」を突き立ててしまうのです。

哀しいかな、オビトが命をかけて抜いた「棘」の傷も癒えない内に、カカシの心にはまた別の「棘」が刺さってしまうのです。カカシの人生はその繰り返し…。カカシとは、女々しい程に過去を引き摺って仕舞える…優しい…不必要なほどに…優し過ぎる「男」なんです。だから…カカシはオビトの死を忘れる事ができないでいる……。

カカシの心には神無毘橋で刺さった「棘」が今も残っている…。

 

『暗部のカカシ』

 
暗部のカカシ

「ナル×ジャン」と相互リンクして頂いています「閃光万雷!」のWILLIAMさんのご協力で、「ナル×ジャン&閃光万雷!」コラボ携帯待画の第三弾を作成させて頂きました。サイズは縦340px:横240pxで、ファイル形式はJPEGです。携帯電話の待ち受け画面に使えるように調整してありますので、「閃光万雷!」様の方角に一礼(←コレ、大事ですよっ!本気の"ドライ・マティーニ"をシェイクする時みたいに…)の後、お持ち帰り下さい。

商用での使用(販売)や二次配付は禁止とします。この企画は、個人で楽しむ事を前提としていますので、その主旨をご理解の上、ダウンロードして下さいね。

それと、ロゴの配置やトリミングを変えて数パターンあって、携帯カテに近日中(週末辺り)にアップ致します。そちらも楽しみにしてて下さいね。しかも、他のキャラも来ます!誰とは言えませんが(「サ」の付くあの方も…)、WILLIAMさんの手によるイカした作品ばかりなので、期待して下さいね。続々と…アップして行きますから…考察が間に合うかどうかが問題だ…(汗)。

さて、イラストのカカシ。「暗部」のカカシ……。

めちゃくちゃ!良いですよね!(WILLIAMさんはホントに絵が上手い!凄い才能ですよね!)…僕は一目で殺られました(汗)。イチコロの瞬殺でした(笑)。しかし、何故、カカシの「瞳」はこんなに悲しく訴えるんでしょうか?カカシの暗部時代の、お面の下の「写輪眼」。オビトから貰い受けた「写輪眼」は、そこで何を見ていたんでしょうか?それで…WILLIAMさんのイラストの「カカシ」にインスパイアされた「考察」……『暗部のカカシ』。一気に書き上げました!

カカシの「待画」をダウンロードするついでに、ちょこっと寄ってって下さいな…。




「聞いているか再不斬…
お前は、このオレが写輪眼だけでこの世界を生きてきたと思うか…
オレも元暗部(暗殺戦術特殊部隊)にいた一人だ
オレが昔どんな忍だったか…
次はコピーじゃない…オレ自身の術を披露してやる」

カカシが暗部出身である事をを自ら明かしたシーンです(3巻/196頁)。波の国編で、再不斬と激しい交戦に突入したカカシが「 口寄せ・追牙の術」の巻物をベストの胸のポーチから出しながら、再不斬に凄んでみせました。ナルトが覚醒しそうでヤバい場面でしたね。余談ですが、「 口寄せ・追牙の術」は土遁系のカテゴリーみたいですね。これまで確認されているカカシのチャクラ性質は火遁・水遁・土遁・雷遁と実に多才で、彼の潜在能力の高さを窺(うかが)わせます。

Wikiの記述で、「 口寄せ・追牙の術」がカカシのオリジナル忍術とありますが、これはこの文節を読み違えてるんじゃないかと思います。ここで、カカシは暗部で「どんだけ酷い事」(後述)をしてたかを言ってるのであって、「術」を自慢してるわけじゃない。何より、カカシはオビトが完成させてくれた「千鳥」を大切にしています。その行いが、あの地に残したカカシの想いの深さを物語っているのだとも思います。

だから、カカシのオリジナル忍術は「千鳥」だけなんではないでしょうか。それは、カカシを一番理解しているガイが、その辺を、しつこく熱く語っている描写(後述)が動かぬ証拠だと思います。何より、カカシの律儀さを無視はできないですよ…。カカシの「心」は未だ神無毘橋の洞窟に在ると言って良い。今も泣いてるんです。そして、その頑なさ、正直さ、女々(めめ)しさ(笑)が、僕(ら?)を惹き付けて離さないんです。

「次はコピーじゃない…オレ自身の術を披露してやる」と、ワザワザ言うカカシ。これは間違いなく「千鳥」(雷切)を誇示しているのだと思います(「 口寄せ・追牙の術」じゃない…)。つまり、カカシは暗部に居て、その時、「千鳥」を振るって任務をこなしていたと言う事です。それが、カカシが言った「オレが昔どんな忍だったか…」と言う言葉が臭わせる「闇」に通じているのではないかと思うんです。暗部時代のカカシ…増々、気になりますね。

『暗部』

正式名称「暗殺戦術特殊部隊」の略。"面"で顔を覆い、腕(男は左肩、女は右肩)には"刺青"を彫っており、背中には鍔のない刀を背負っている。火影直轄の組織で上・中・下忍の中の選りすぐりの忍で構成されている。女の暗部のみで構成された女暗部部隊もある。また、暗部の功績などは一切公表されていない(Wiki記述引用)。

僕の大好きな夕顔ちゃんも「暗部」なんですよね(笑)。でも、その職務たるや「暗殺」が専門のご様子。「君みたいに可愛い子が、何でこんな仕事してるの?」なんて言ってる場合じゃないですよ。それこそ殺られちゃう(汗)。でも…夕顔ちゃんに殺られるなら本望?!だから、その前に…ちょっとだけ…(ここからは酷く醜い妄想が始まるので謹んで割愛させて頂きます…笑)。

暗部の標準装備である背中の長刀も"護身"と言うよりは"殺傷能力"を意識してるんでしょう。それこそ、少年少女には見せられないような…スプラッターなお仕事ばかりで、対象がどんな人物であっても、冷酷に任務(暗殺?)を遂行する…。暗部は「面」を着用する決まりみたいですが、それって、"素性"を隠すと同時に"人間性"を滅却する意図があるんじゃないかと、僕は思います。

そして、そこで、カカシも働いてたわけです。ナルトやサクラに接している時の、物腰の柔らかさや暖かさからは想像もできないような「闇」の中にカカシも身を置いていたのですね。WILLIAMさんにお借りしたカカシのイラストを拝見した時、瞬間…そんな冷たく悲しいカカシの「過去」を感じてしまったケルベロスなのです。

でも、カカシって、いつ頃、暗部に所属してたんでしょうか?第一部の単行本をひっくり返して調べましたが、決定的な描写は見当たりませんでした。でも、そこはそれ、<ズズズズッ…>と久々に…(笑)。でも、呪印はもう使わないって…(汗)。成長が止まってしまうから。それじゃ、イタチに勝てないって…カカシと約束したから…(←妄想なんで謹んで割愛させて頂きます…笑)。

カカシの時系列/改訂版

「気を抜くな… あいつは13歳で暗部の分隊長になった男だ」

木の葉強襲でカカシがイタチの"強さ"を示した言葉です(16巻/142頁)。カカシはイタチを絶賛しているとも言えます。「13歳」で「暗部の分隊長」になったイタチを、カカシは高く評価しているのです。きっと、これは非常に希有で困難な事なのでしょう。逆に、カカシがそこまで言う以上は、カカシはその立場には、その歳で達する事は叶わなかった…とも取れます。しかも、カカシが「13歳」での就任に難易度を痛切に感じる背景に、同年代での暗部入りか、内定と言った経緯がカカシにあった事を臭わせている感じがします。それらを踏まえて、カカシの暗部入りが13歳程度ではなかったと、僕は考えるに至っています。

「神無毘橋の戦い」でカカシは「千鳥」を完成させますので、本格的な使用はそれ以降。つまり、上忍になった12歳以降です(ミナトからも卒業して「ピン」で頑張ったて良い筈ですし…)。つまり、「暗部で働いた="千鳥"を使った」ですから、暗部入りは最速で「神無毘橋の戦い」が終結した後と言う事です(カカシの暗部入りを「神無毘橋の戦い」以降と受け入れると、「九尾事件」でのカカシの不在の理由が作れるので良い!と言うのも少しあったりします…笑)。12歳の神無毘橋から少し後で、13歳頃かな…。

ここで、ちょっと余談です…(笑)。

『千鳥!!!』

「しかし、木の葉一の技師…コピー忍者カカシ唯一のオリジナル技
暗殺用のとっておきの技でな…
その極意は突きのスピードと、そして強大なチャクラを生む肉体大活性
膨大なチャクラの突き手への一点集中。
さらには、その突きのスピードがあいまって…
チッチッチッチッと…………
千もの鳥の地鳴きにも似た独特の攻撃音を奏でる
よって、あの技はこう呼ばれる」

この描写のあった頃は、チャクラ性質を取り上げてなかったと思います。火遁や風遁、水遁、土遁と言った系統はやや描写があるんですが、雷遁に関しては皆無です。従って、カカシの「千鳥」も「雷」のチャクラで切れ味が鋭い…とはなってなくて、突きのスピードや肉体活性と言った外見上の要素が提示されるだけですね。勿論、チャクラの優劣関係は全くなし(笑)。

周りの下忍たちにアナウンスしてるのはガイです(笑)(13巻/102頁)。ガイはカカシの「永遠のライバル」で、カカシとの対戦経験も多く、カカシの事を良く知っています。カカシの必殺技を、まるで自分の事のように吹聴してしまうその姿には一欠片の欺瞞もなく、カカシに対する絶大なるリスペクトだけが存在します。

カカシがガイと対戦(勝負)する中で、カカシがガイに向けて「千鳥」を使った事は考え難いです。写輪眼の見切りで突っ込まれ、更に「千鳥」を使われて、如何にガイであっても無事ではいられない筈です。もっとも、暑苦しくむさ苦しい(笑)やや粘着質のガイがどんだけ面倒臭くても、カカシが自分の親友に「千鳥」を振るう筈はないと思います。

「千鳥」は大切な人を守る為に使う!

今のカカシはそれを本心で理解していると思います。その思いがあったから、その「力」をサスケに与えたのです。「千鳥」の伝授はカカシの願望と言うか、大きなメッセージでしたから…。同時に、サスケを守りたい!カカシはそうも考えたんだと思います。そこには「暗部」で任務をこなしていた頃の反省が横たわっていると思うんです。カカシがそこに至る紆余曲折には物凄いドラマがあったろうな…。そして、その臭いが、カカシの「瞳」には漂っている…と、僕には思えてしまうのです。

ここまで、ガイがカカシの「千鳥」を説明できるのは、カカシがガイに「千鳥」を展示して見せている証拠だと思います。きっと、二人っきりの修行場所があって、そこで大岩か何かを、カカシが「千鳥」を使って粉々に砕いたりして見せたのではないでしょうか?それに、ガイがそれに感動して、また暑苦しくなった?それか、「千鳥」の別名の由来になる逸話…。

『………千鳥…つまり、雷切』

「雷切は……
カカシがあの術で雷を斬ったという事実に由来する異名だよ」

サスケが我愛羅の絶対防御を撃ち破り、傷を与えた辺りの描写で(13巻/108頁)、ガイが「雷切」と言う異名を口にしています。何かのお伽話のような伝承のように、ガイは話していますが、これはガイがカカシの展示を受けた自分の体験だったんではないかと…僕は激しく想像しています。恐らく、カカシは、ガイの前でホントに「雷」をぶった斬ってしまったのです。

「その本来の術名が"千鳥"…
極意は人体の限界点ともいえる突き手の速さと
その腕に集約されたチャクラ…
…そして、その腕はまるで…
斬れぬもののない名刀の一振りと化す」

ガイはしつこいくらいに「千鳥」(雷切)の説明を続けます。僕はこの態度に、ガイを襲った不意の自然災害…「落雷」から、カカシがその「雷切」をもって救い出したエピソードを想像してしまいます。つまり、ガイにとってカカシは「命の恩人」なのかも知れないと言う事です(エピソードは示されてませんからね…)。そう言う目で見ると、ガイのカカシに対するリスペクトが、キモイとか、暑苦しい…だけでなくなるから不思議ですね(笑)。カカシなら、サラッとやっちゃいそうな気がしませんか?それに、「雷切」の命名者はガイだった?!なんてのはどうでしょうか。

「正確には千鳥という術だがな…」

サスケは「千鳥」と言う名称に執拗にこだわっていますね(40巻/38頁)。これは、ガイが説明するように、カカシの「千鳥」が一点集中の"突き"に特化された形態であり、その局所を抽出して呼称した「雷切」と、自分が苦労して形態変化のバリエーションを増やした汎用性の高い「千鳥」を混用するデイダラの(無為の)大雑把さが<チクッ>っと、サスケの心に刺さっただけだと思います(笑)。

ガイが感じるようにカカシは偉大で、それをサスケも感じてるのだと思います。だから、(僕の想像に過ぎませんが)大切な友を、勇猛果敢に守ったカカシの「雷切」と「千鳥」は違うのだ!!と、めちゃくちゃ忙しい(笑)闘いの最中(生きるか死ぬかだったけどね…)であっても、エクスキューズ(弁解)をサスケは入れてしまったんじゃないのかな…と思います。

つまり、サスケもカカシをリスペクトしてるんです。ガイほど暑苦しくも、粘着もないけど、サスケはカカシを「尊敬」しています。確かに、サスケの中にカカシは居るのです。そして、その「千鳥」もって、サスケはイタチと闘っています。その姿が、イタチのちょっと<イラッ>とした空気を引き出しているのかも知れません(笑)。

カカシは「神無毘橋の戦い」で、盟友であり、親友のオビトを失い、代わりに"写輪眼"を手にしました。そして、"写輪眼"が齎(もたら)す「見切り」が「千鳥」を完成させました。つまり、「千鳥」はオビトとカカシの合作みたいな術なのです。「木の葉一の技師…コピー忍者カカシ唯一のオリジナル技」とされるのは、恐らく事実で、それはオビトの存在を極めて重く感じるカカシらしい選択だったと、僕は考えています。

カカシの暗部入りの時期については憶測でしかありませんが、再不斬に吐き捨てた「オレが昔どんな忍だったか…」と言うカカシの「闇」に、どうしても、その「オビトの死」を感じてしまいます。だから、「神無毘橋の戦い」~「忍界大戦」の終結…辺りの、13歳~14歳辺りで、カカシが「暗部」に入隊し、凄惨な任務に就いて、血で血を洗うような毎日に身を置き、気を紛らしていたんじゃないか?と僕には思えるのです。「暗部」の「お面」が、カカシには"免罪符"にも思えたかも知れません。

カカシはオビトの「死」を忘れてしまいたかった…。

オビトの「死」を忘れる為に…オビトの「死」よりも、もっと陰惨な場所、もっと凄惨な場面を、カカシは探し求めたんじゃないでしょうか?そこに、たまたま「暗部入り」の内定が来た…。それで、カカシは「地獄」を望んで「暗部」に身を委ねたんではないでしょうか?そして、その中で、「千鳥」を用いて、カカシは多くの人を殺(あや)めた…のでしょう。しかし、「千鳥」を使えば使うほど、自分の中の「オビト」の存在は色濃くなって行く…。そのジレンマに、カカシは悩んだのだと思います。

カカシが「オレが昔どんな忍だったか…」と忌むように思い返す「過去」…その地平には、やはり「死」しかなかったのです。「死」ばかりが積もっていた。そして、どうしたって「人」は「人」だし、決して都合の良い「道具」にはなれるものでもなかったのです。たとえ、「お面」でその顔を覆い隠そうとも……。そして、その虚しさの中で、カカシは波の国の任務で交戦した…再不斬に抱いた「共感」を、感じていたのだと思います。

「ここがナルトの家ねェ……」

カカシはナルトを受け持つ事になるのですが、その前に三代目・火影(猿飛)に随伴されてナルトの部屋を訪れています(1巻/107頁)。これはカカシが入院中(万華鏡写輪眼の反動/我愛羅奪還編)に、五代目・火影(綱手)が暗部からヤマトを召集して、ナルトに見張りを付けた状況と酷似ています。ナルトの「お目付役」に暗部の使い手で、信頼できる人選を、三代目もまた、この時、行っていたのではないでしょうか?つまり、ナルトを受け持つ事になるまで、カカシはバリバリの「暗部」として活動していた暗示ではないか?と考えるわけです。

確かに、三代目の勅命で仕方なく引き受けたが…みたいなけだるさも、カカシにはありましたね。それでも、ナルト、サスケ、サクラの三人と初対面した時のカカシの「瞳」は、言い知れない「冷たさ」を宿していたと思いませんか?それが、カカシの「暗部」の余韻だったのではないかと思うんです。つまり、あの時点で、カカシは未だ、自らが囚われている「闇」からは脱し切れてない部分を残していたんです。

カカシはよく、ナルトを「意外性」と言う言葉で示しますが、ナルトの境遇を、かなり深く知った上で、ナルトの屈託なさを実際に感じると、どうしてもカカシは「理解不能」に陥ってしまうのです。ナルトの底抜けの明るさは、カカシには理解できない事でしょう。ナルトは、カカシにとっては「驚き」そのものなのです。そして、ナルトと一緒に居る事で、過去に縛られ、荒んだ「心」が救われて行く事に…、自分の生きる気概が再生されて行く現実に、カカシは驚きを感ぜずには居られなかったのではないでしょうか。

ナルトとの出会いは、カカシをも大きく変えて行ったのです!

カカシは13歳から25歳辺りまで、「暗部」としてブイブイ言わせていたと、僕は思います。これはかなり長いです。ここで、イタチ(入隊→分隊長昇格)とのニアミスもあったろうし、ヤマトとも出会い、一緒に任務もこなしている筈です。勿論、「お面」を外して通常の任務もこなしていただろうし、ガイと修行(勝負?)をしたり、プライベートでは、こっそりと「イチャイチャシリーズ」を読んだりしてた…(笑)。

そして、ある時は…人知れず、「お面」で顔を隠し、「心」を押し殺し、悲しい任務を粛々と遂行して行った……。そして、そこにあるのはやはり「闇」だけだった事を思い知るのです。だから、カカシの「暗部のお面」の下の"写輪眼"はこんなにも悲しく見えてしまうのです…。まるで、誰かに助けを求めるかのように…憂いを秘めた光を放ち続けてしまうのです。

カカシは…ホントに優し過ぎる人だから……。

 

カカシが自来也に刺刺(とげとげ)しい理由

 
「なっつかしーっ!!全っ然、変わってねーってばよ!!」

第二部の冒頭でナルトが木の葉の里に帰還します(28巻/13頁)。「フフン…はしゃぎおって…」と、自来也が見守っています。まるで、幼き日の自分を観ているかのような…その向こうの…ミナトの姿と重ねているかのようでもあります。非常に近親者の、無償の愛情を、自来也の眼差しには感じてしまいます。

「いや…つい懐かしくてな。ミナトを教えてた頃を思い出しての」

ナルトに螺旋丸を教えた「入れ込みっぷり」を綱手に突っ込まれて、自来也は弁解めいた言葉を遺しています(第367話「イタチとサスケ」)。自来也の行動に関しては当初、明確な動機は感じられず、年寄りの物見遊山的なお節介ともとれるようなナルトへの介入を感じていた人も多いと思います。表面的には、こんな風な言い訳に終止してたので、僕は『自来也悪人(黒幕)説』を唱えるほどに自来也を疑っていた時期もありあした(汗)。自来也もそれを悔い改めているような活躍を、現在、繰り広げています(笑)。

「でかくなったな…ナルト」

久しぶりの木の葉の里の街並に浮き足立つナルトを暖かく迎える声の主…それは、カカシでした(28巻/15頁)。カカシは「イチャイチャバイオレンス」を読んでいたようです。何処とも知れない屋根の上で…。たまたま、ここでくつろいでいたんでしょうか?R指定の大人本ですから、人知れず読むのは基本と言えば基本ですが…。

ナルトがお土産に「イチャイチャタクティクス」をカカシに手渡しますが、どうして筆者自ら手渡さないのでしょうか?こんなにも愛読してくれる読者が居る事は、表現者としては有り難き事、この上ない筈。自来也が筆者である事を秘匿しているとしても、手渡すくらいはご愛嬌だと思うんですが…。カカシと自来也。二人の関係には違和感を感じます。少なくとも、自来也はカカシを苦手に感じてると思います。

しかし、ここまでカカシが虜になる「イチャイチャ」シリーズにはどんな世界が表現されているのでしょうか?カカシが片時も離さないような魅力のある文章を書いているのは自来也本人のようですが、そんな二人がリアルの世界では反りが合わない事もあるのですね。問題は、どのステージ(高さ/深さ)で二人が触れ合ってるかに因るのですが…。難しい問題だなぁ。

「魂」の領域では自然に触れ合える組み合わせであっても、「心」の高さではしっくり行かない事もある。人とはそう言う生き物なのです。人が生きる上で「心」は必要なんだけど、それが障害になる状況は多々あります。人が獲得して行く「心」は必ずしもオールマイティではないから。これは不運な仕組みだけど、仕方ない事でもあります。人が、何とかして乗り越えないといけない障壁なのです。

カカシがたまたま、この場所に居て、たまたまナルトの帰還とバッタリと再会した風でもなかった。偶然だったら、もっと気持ちの高まりとか驚きがある筈です。この場の「空気」から推測するなら、予めナルトが何日何時に帰還する情報を伝えられて準備して待っていた…と考えるのが、妥当だと思われます。誰がカカシにその情報を伝えたんでしょうか?

カカシは自来也の伝令蝦蟇(綱手経由)によって連絡を受けていた…

僕が自来也を疑っていたのは「これからワシは情報収集に回る」(28巻/19頁)と言う、良く出て来るけど、良く判らない言い訳みたいな「情報収集」と言う文言でした。自来也の術の仕組みがこの頃は明かされてませんでしたから、疑われても仕方ないのです(笑)。自来也は蝦蟇を使った時空間忍術が得意みたいです。自分が移動するものあるし、何らかの方法でメッセージも行き来できるようです。

「何かあったら蝦蟇で連絡をよこせ。すぐに私が駆けつける」

自来也は綱手とも伝令蝦蟇(←仮称ですから…未確認生物です…笑)で、これまでも連絡をとっていたようですね(第367話「イタチとサスケ」)。時系列の考察(←まとめ中です)で証明できると思いますが、自来也は、どんな遠隔地からでも綱手の異変に気付き、駆けつけていたようです(でないと、説明がつかない事が多い…汗)。自来也は綱手に連絡をとり帰郷を伝えた。それがカカシに伝えられた。だから、カカシは、たまたま居合わせたような雰囲気で心の準備をしつつ、ナルトをお出迎えできたのです。

「約束通り、ナルトはお前に預けるからのォ…」

自来也がナルトの背中を確認しながらカカシに伝えます(28巻/19頁)。カカシはこの言葉をかなり冷たい三白眼の流し目で「………」と、無言で受け止めています。常に一方的に発せられる自来也の通告は、カカシにしてみれば横暴に映るのでしょう。でも、序列も能力も自来也が上役。従うしかない状況…カカシは客観的に見て無力です。

この時の描写を見ても判りますが、二人の会話の基本パターンは「面と向かって…」と言うのはほぼ皆無です。大体はこのシーンのように横並びで、二人とも何故か視線を合わせようとはしません。自来也もカカシの扱いに関しては手を焼いているように感じられます。同時に、カカシはある種の「刺々しさ」で自来也を拒絶しているかのように、僕には感じられてなりません。

カカシの自来也に対する「態度」は何だか刺々しい…。そんな風に感じませんか?

フフフ…少し前のエピソードに戻ります……。

「ナルトはワシが預かる…」

木の葉崩しの後…イタチ鬼鮫の木の葉強襲事件の前に自来也はカカシと接触しています(16巻/154頁)。木の葉の里のかなり見晴しの良い場所で、二人きりで話し合っています。この時の二人の位置関係(立ち位置)を確認してもらいたいんですが、横並びです。決して真正面には向き合っていないです。視線を合わす事は<チラッ>とはあるようですが、マジマジと真正面から…と言うのはまず無いです。常に二人の対峙には似たような空気感が漂っています。

「ナルトの見張り役として三代目がお前を指名したのは納得のいく判断だ。
が…お前のレベルでも手が回らなくなるかもしれんからのォ……」

自来也の話は概して核心部分を伏せた内容が多いです(16巻/154頁)。これは自来也の台詞のお決まりのパターンで、物書きの「性」(さが)なんでしょうか?「落ち」は最後の最後まで取っておきたいような…勿体ぶった素振りが妙に鼻に付いたり、納得できたり…(笑)。あと、「行間を読んで欲しい」と言う願いもあると思います。皆まで洗いざらい喋るのは美しくないのです。それは「押し付け」になるから…。考えは強制したくないものです。辿り着くべきものですから…。

この時のカカシも「…………一体、何の事ですか?」と結構、キツい感じで自来也に返しています。かなり「嫌味」な空気を帯びていた言葉だと思います。カカシも充分に賢いから、自来也の言葉の全容は把握できるんですが、全てを明かさない態度に自分が迎合してしまう事を嫌悪しているんです。ここで流されたら、自来也の思うまま(ペース)ですから…。カカシも捨て置けないわけです(笑)。

実は、この雰囲気を、僕は「刺々しい」と感じているのです。僕だけかも知れませんが…(汗)。かなり深い部分まで認め合うような間柄の筈なんですが、どうしても「阿吽」になれない。融合を拒む細胞同士のようです(笑)。経験的に感じるのは…この場合、非常に似通っているか、全く異質かのどちらか…と言う事。

結局、自来也もこの時、渋々…「暁」の情報を引用してまで周辺情報を与え、ナルトの弟子受けに関するカカシに了承を得るに至ったのです。カカシが納得できるような材料を渋々与えた…ような感じでした。内容に関しては今からすると核心部分を濁している…自来也の巧みな情報操作の手腕を感じますね。

「カカシ……
ナルトの奴は遅かれ早かれ背中に気をつけて生きなきゃならなくなる…そういう運命だ。
お前は、今はサスケを見てやれ…写輪眼の使い方を教える必要もあるだろう…
組織(「暁」)には、あのイタチもいる。ナルトは中忍試験本戦までの間、ワシが育てる」

徹頭徹尾、二人は面とは向かい合ったりはしませんでした(16巻/158頁)。余談ですが、この時、自来也から「万華鏡写輪眼」の存在をカカシは知らされているかも知れません。カカシはイタチの木の葉強襲の折には、対峙当初から完璧、「万華鏡写輪眼」を、徹底的に警戒してましたから…。その脅威から仲間を守る為に単独でイタチと対決し「月読」を食らい倒れた…。全くもって、カカシらしいです。

段々とカカシの自来也に対する「刺々しさ」がイメージできて来ましたか…?(笑)。

ちょっとアプローチを変えましょうか…。

「ワシは今までに二度、死にかけた事がある。
一度目はアバラ六本と両腕が骨折。内蔵破裂が数か所…
温泉地で女風呂を覗こうとして、綱手…お前に思いっきりやられた時だ…
そして、もう一度が…ナルトとの修行中。
あいつの九尾のチャクラの四本目の尾を見た時だ」

万華鏡写輪眼発動のキックバックでカカシが入院する木の葉病院の病棟での一コマ(33巻/33頁)。綱手の若気の至りをむず痒く懐かしむような表情が可愛いですね。これを吐露する前、自来也は「フーーー…」と苦笑いするように衣服を脱いで行きます。これは綱手との過去を懐かしんでいるのもあるんですが、その前のカカシの刺々しい眼差しと語気を帯びた台詞に反応してしまったのだと、僕は考えています。

「自来也様は一体、何本目まで…」

ナルトの九尾の衣が力の解放の度合いによって「尾の数」が増えて行く分析の流れを、カカシが鋭く突っ込んだのです。自来也の余裕をかますような空気がカカシは嫌いなのかも知れません。でも、この態度はカカシがナルトやサスケに対するものと極めて似ています。自分は「全てを知っているけど…核心部分は自分で考えて…」(←これすら言葉にしない。伝えない…けど)みたいな間合いです。自分がしてる事と同じ事を、今度は自分がされると嫌な時って結構、多いですよね。この場合のカカシはそれだと思います。自分の振る舞いって客観視し難いものですよね。

自来也はカカシを明らかに「子供扱い」しています。まぁ、歳の差からすれば当然チャ当然ですが…。カカシはその見透かしたような自来也の余裕が癪に障るんじゃないかと思うんです。でも、これはカカシがナルトやサスケに対する気持ちに似ている…もしかしたら…カカシと自来也は、この点においては似ているんじゃないか?その意味では一種の「近親憎悪」なのかな…と、僕は考えています。

カカシは全てを語らない自来也の態度に苛ついていた…

中忍試験→木の葉強襲事件→三竦みの戦い…と、大事件が終息して、やっと「ホッ」と一息ついた時、木の葉病院の屋上で、ナルトとサスケの喧嘩と言うには大きすぎる衝突が勃発します。勢い余った二人は、「螺旋丸」と「千鳥」を大きく振り翳して衝突してしまいます。

「………」(さっきの術…間違いない。螺旋丸だ)

ナルトとサスケの間に割って入ったサクラのピンチをカカシは救います(20巻/93頁)。(…どうなってる…?何でナルトの奴があの術を?)螺旋丸はミナト(四代目)が開発した術ですから、その存在はカカシも知っている。螺旋丸に関しては、第二部で、カカシもミナトからコピーして発動できる事も分かっています。

カカシはこの時、自来也の存在に「ピィーンッ!!」と来たと思います。自来也の気配もこの時、感じ取ったものと思います。自来也もナルトとサスケの衝突に勘付いて、この場を見守っていたようです。自来也はカカシが介入する様子が窺い知れたので傍観していたのでしょう。結局、二人ともそれぞれの「弟子」が気になって近くで身を潜めるように見守っていたんですよ…。この二人…やっぱり、似てる…。

「アナタですか…あの技を教えたのは?
あの術を扱うにはナルトはまだ幼な過ぎると思うんですがね。
ヘタをしたらサスケを殺してた…」

カカシはサスケが千鳥で穿った給水タンクの上に腰掛けたまま、その裏に潜んでいる自来也に話し掛けています(20巻/98頁)。このシーンでは「横並び」どころか、背中合わせで、しかも、タンク越しです…(笑)。どんだけ、生の接触を二人(特にカカシ…)は恐れてるんでしょうか。ここまで徹底すると笑えます。直接、見たら「石」にでもなっちゃうのかしら…。

しかし、この時の「例の"暁"への抵抗手段だとしても、あの術をナルトに教えるなんて…」と言うカカシの辛辣な台詞には自来也も堪らなかったのか…。

「お互い様だろのォ…あの千鳥も相当ヤバかったしのォ…」

自来也も大人気なくカカシに突っ込み返しています。これはあまりない事なんですが、相当、バツが悪かったのでしょう(笑)。「でも、まぁ、アイツはあの術を仲間に向けて撃つような奴じゃないと思っていたんだがのォ」と、必要以上に言い訳もしています。これは同時にカカシへのカウンターでもあり、この言葉がカカシの心の柔らかい部分に爪を立てる事になるんですが…。自来也は、そう言うところは鈍いんです。構わず、続けます(笑)。

「…それとも、よっぽどの事があのガキとの間にあるのか?」

自来也がサスケの事を思い出して話す、その言葉にカカシは静かに噛み付きます(笑)。「………」と、間をおいたカカシ。静かに、心の奥底で切れてました(笑)。自来也はインテリで考える能力はあるんだけど、繊細さに欠けます。人間の機微が解ってないと言うか…この鈍感さが綱手の「胸キュン」を引き出せなかった自来也の欠点だと思われます。人は理屈じゃないところが大きいから…。

「ま…色々とね」

カカシは含みを持たせた言葉で自来也を呼び込んでいます。「色々?」と、言いながら自来也は堪らずカカシの方を窺っていますね。この場合、先に相手を見た方が『負け』です(笑)。カカシは心の中で、小さく<ガッツポーズ>を作ったと思います(笑)。カカシはまんまと、自来也を誘い込んだのです。自分の間合いの内側まで…。

「簡単に言えば、かつてのアナタと大蛇丸みたいな関係ですかね」

痛烈なカカシのカウンターパンチが炸裂しました(20巻/99頁)。この時の自来也の「………」の顔は「してやられた…」と、究極のダメ顔になっています(←必見です)。これは、自来也が散々苦しんだトラウマのようなもので、心の奥底に沈め、無意識に追い込んでいた気持ちです。カカシも言いたくはなかったんですが、「こっちも色々と知ってるんですよ…」と言う意思表示をしたかった(してしまった…)。心が逆立った…。「ほう…」と、相当に鈍い自来也もカカシの心の内が解ったようでしたね(笑)。

「今のナルトは私やアナタじゃなく…誰からよりもただ…
認めてもらいたいんですよ………サスケにね」

これはカカシが自分の二人の弟子の事を言った訳ですが、同時に自来也の態度を、非常に遠回しではありますが、責めているのです。非難しているのです。自来也が多くを語らない事に対して…。全てを自分の腹の中に仕舞うような…責任の取り方に対してです。カカシの行いにも似たような傾向があるんですが、それは…置いといて…(笑)。

以上が、カカシの自来也に対する「刺々しさ」の原動力なのだと、僕は考えてます。

カカシがこんな風に他者を責める事は稀…否…恐らく、他には無いです。カカシのこのような行動は、多分、自来也に対してだけです。カカシにとって、自来也は特別なのです。意識する存在なのです。自来也は、自分の師(ミナト)の師。ミナトの口からも「三忍」である自来也の話は嫌と言うほど聞かされたでしょうし、実際に三者で合いまみえた事も数多くあるでしょう。二人は、かなり古い関係と言えます。

しかし、カカシが目標とするミナトはもう居ません。カカシが14歳の時に、その『別れ』は突然、訪れました…。それが、『九尾事件』です。恐らく、カカシが現場に駆けつけた時には全ては終わっていた…。きっと、そこに自来也だけが居たんではないか?と、僕は想像しています。三代目はナルトを隠しにスタコラサッサと雲隠れしてますから…。当然、事の重大さから、真相は語られる筈もない…。自来也も到着したばかりだと嘯く…(←事実だとも思いますが…部分的に…)。

カカシは黙して語らない自来也を疑っていた…

「自来也よ!ワシを呼び出すたぁ、どーゆー了見じゃ!"ナルトの鍵"はもう…」

自来也が自分の体内に「ナルトの鍵」=「八卦の封印式」の鍵を隠し持つことが判っています(第370話「胸騒ぎ」)。これはミナトの遺志でした。ミナトが自来也に巻き物蝦蟇の「蔵入り」の命令を発したのだと思います。九尾事件の時点で、自来也38歳。カカシ14歳。非常に妥当な判断、当然の選択であったと思います。ミナトは自来也を信頼していた。一つの事実だと思います。

そして、状況からはかなりの深層まで自来也が知り得てる可能性が示唆されていますから…。どう考えても、自来也が語らないのはカカシには納得できないのです。特にカカシのような賢く、繊細な心の持ち主には、自来也の態度は気にかかると思います。知っているのに知らん振りしてるんですから…。それが、自来也の場合、バレバレだったかも知れないですから…(笑)。

カカシは自来也が「大切な情報」を隠し持っている事に勘付いていた…

その「臭い」に僕は「自来也悪人(黒幕)説」を捉えた訳ですが、それは的外れだったけど、自来也の行動を観察すると、何かしらの「不可解さ」にブチ当たるのです。どうしても「何か」を隠していなければ成立しないような行動や言動を残しているからです。きっと、その「臭い」がカカシに伝わって、自来也に対する「刺々しさ」になっているのだと、僕は考えています。

「ただワシに何かあった時はナルトに蔵入りしろ」

自来也は巻き物蝦蟇に確かにこう指示をしています(第370話「胸騒ぎ」)。ナルトにいきなり鍵を渡すのではなく、カカシを経由しても良い筈です。かつて、四代目から自来也に蔵入りさせた経緯や、「金庫と鍵」の関係からも、第三者に「鍵」を蔵入りさせるのが合理的だと思うんですが、この時、自来也から「カカシ」の名前は、何故だか、出ては来ませんでした。

これはもう、お互いが憎みあうような敵対ではなくて、ミナトの気持ちの奪い合いのような心の「葛藤」なんだと思います。自来也もカカシも、ミナトを大切に思っていますから、その「遺志」をどちら(誰)が成し遂げるか?と言う事は決して軽くはないのです。非常に重要な部分です。この期に及んで、カカシに頼るなど…自来也には到底、思いも寄らなかったのでしょう。二人はミナトの件に関してはライバルも同然なのです。

つまり…自来也もカカシを意識していた…と言う事です。

もしかしたら、カカシが愛読する「イチャイチャシリーズ」の随所に、それを浮き出させるようなメッセージが織り込まれていたかも知れないです。自来也が無意識に尻尾を露呈させてたか、意識的にヒントを示していたか…。どっちにしても、カカシは何らかの重大な秘密を自来也が隠し持つ「臭い」を感じ取っていた「線」を感じます。カカシは「イチャイチャ」の考察をしていた…?(笑)ら面白いですけどね。でも、「イチャイチャ」にはサブリミナルなメッセージ性があると考えてます。詳しくは、別の考察で…。

ネタ元は「イチャイチャ」じゃないにしても、それこそ腐るほどあって、自来也の態度とか、挙動とか、発言とか…。自来也って案外、鈍いので、あちらこちらでズッ転けてますから…。非常にインテリなんだけど、ドジなところはペインも認める、自来也の大きな魅力の一つですけどね。鋭いカカシは、そこを見逃さなかったんです。カカシは鼻も頭も利くのです。

だから、カカシは自来也に刺々しい。

それに……二人は何だか……似てるから……。

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