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「予兆」(虐殺前夜…第五夜)

  
森の手裏剣修行でイタチにおんぶされて帰る道すがら…。木ノ葉隠れの里の一角。「木ノ葉警務部隊」の隊舎の前。サスケの気を察し、イタチは歩みを停めます(以下~第25巻/56-59頁)。やっとこさ気付いたんですが、「木の葉隠れ」じゃなくて「木ノ葉隠れ」なのね(滝汗)。細かいけど、表記は注意しないとね(笑)いつもいい加減でスミマセン(汗)。

「どうした?」(イタチ)

「ここでしょ…父さんが働いている所」(サスケ)

「木ノ葉警務部隊の本部だ」(イタチ)

「前から気になってたんだけど
何で警務部隊のマークにうちは一族の
家紋が入ってるの?」(サスケ)

「何だ…気付いていたのか…」(イタチ)

「当たり前だろ!」(サスケ)

「………」(イタチ)

「うん…そうだな、簡単に言うと
この警務部隊を組織し、設立したのが
うちは一族の先代達だったらしい

だからこの組織のシンボルマークに
自分達の家紋を付けたのさ

昔からうちは一族は
この里の治安をずっと預かり守ってきた

うちはの家紋は
その誇り高き一族の証でもあるんだよ


今や、うちは一族も小さくなってしまったけど
今でもほぼ全員がここの第一分隊に所属し
里の治安維持に貢献している

忍の起こす犯罪を取り締まれるのは
さらに優秀な忍だけだからな」(イタチ)


「…………」(やっぱり父さんはすごいや!)(サスケ)

「兄さんもここに入るの?」(サスケ)

「さあ…どうかなぁ…」(イタチ)

「そうしなよ!」(サスケ)

「………」(イタチ)

「大きくなったら…
オレも警務部隊に入るからさ!!」(サスケ)

屈託のないサスケ。穏やかで静かだけど、しっかりした温かみのあるイタチ。非常に些末で申し訳ないですが(汗)、イタチの台詞って「?」が少ないですよね。それって、イタチの懐の深さって言うか、包容力かな…って思うんです。でも、こうして読み返すとやはりサスケの視線はイタチに向いているんだけど、最終的にはイタチに遮られるように、その更に向こうに立つフガクを目指してるように感じます。

サスケがイタチを好きだと思うのは、フガクにイタチが愛され、認められてるところにあるんじゃないのかな…と思うんです。自分もイタチみたいになれれば、フガクが同じような信託を与えてくれる…。愛してくれる!!だから、サスケのイタチに対するリスペクトと、フガクに対するそれは明らかに違います(…イタチの事をサスケが好きじゃなかったと言う意味じゃないんで…)。

サスケがイタチに対して感じる憧れ…その体温は極普通に在る「兄と弟」のそれかな…と思います(特にイタチはすっごいお兄さんだから割増しだけどね)。対して、イタチの雰囲気…特に「落ち着き」…これは明らかに普通じゃない。少なくとも普通の兄弟の「兄」ではない気がしてならないのです。「兄」と言うよりは…………。そして、それはこれまでも無意識の違和感として僕の中に横たわってきました。

その断片が、ミコトママの台詞に残されています。サスケが独りで修行して、頑張り過ぎて怪我しちゃった時に、縁側でサスケのケアをするんです。サスケはミコトママには本心を素直に言えるんですね。ま、きっと僕もミコトママだったら本心。思いっきり曝しちゃうけどね…膝の上でゴロゴロしちゃうけどね…何か、良い臭いするんだろうな…サスケ、良いな…羨ましいな…(笑)(以下~第25巻/75頁)。

「まったく…
忍者学校が休みの日くらい
ちゃんと体を休めなさい」(ミコト)

「痛っ!」(サスケ)

「無理しなくていいのよ」(ミコト)

「……兄さんは…
たった一年で忍者学校を卒業したんだってさ…」(サスケ)

「……あの頃と今じゃ、また時代がちがうわ
…それにあの子はちょっと特別だから…」(ミコト)

ミコトママの、その口から「特別」と言う言葉が出てきたのに、僕は唖然としてしまいました。イタチが凄く優秀なのは分かる。あの大蛇丸ですら閉口してしまったほどの傑物ではあります。「13才で暗部の分隊長になった男」(カカシ~第16巻/142頁)ですから!しかし、それがミコトママから出てきたのが驚きだったんです。

僕は親になったことがないから、自分の子供のことって想像しかできないんだけど、自分の子を「特別」なんて言うかな?って疑問なんです。「特別」って他と違うって事ですよね。それって…つまり自分とは違う。アナタ(サスケ)とも違う。それは、もしかしたら…イタチが「解らない」って事じゃないのかな。でも、親がそんな降参の仕方するかな?

そして、ミコトママとサスケがこうして語らう描写はあっても、ママがイタチとこうして話すなんてないですよね。イタチがあの食卓で食事するなんてのも落ち着かない感じがするし(笑)。フガクとの関係もそうだけど、ミコトとイタチの関係はもっとしっくり来ないです。良く見ると実に…違和感のある家庭だ…。

で、横道にそれちゃったけど、サスケが食い付いた「木ノ葉警務部隊」のエンブレム。確かに「うちは」の家紋があしらわれています。この二人の話の後、フガクが合流するんですが、肩章に「警務部隊」のエンブレムがあって、建物のあちこちに「うちはの家紋」が誇示されてるのに、「木ノ葉」のマークは皆無。

フガクなんか、「警務部隊」の分隊長なのに、木ノ葉の額当てをしていません。よーく考えてみると、これって、変ですよね。サスケだって、忍者学校に行くのは下忍として認められる為…つまり、木ノ葉の「額当て」をする為だと思うんですが…そもそも「うちは」の忍者って額当てをしないです(しっかり付けてるのはイタチだけなんですよ。"傷"入ってるけどね)。

「警務部隊」って「岡っ引」だった!?

もしかしたら、「うちは一族」が主力の「警務部隊」って、江戸時代の「岡っ引」(目明かし)に似てたんじゃないでしょうか?あれって、時代物のTVドラマなんかでは警察官のように描かれてるけど、実は罪人でお上(政府)の手先になる事で放免される…「二足のワラシ」と称されるような便宜的な処置だったのです。

岡っ引、御用聞き(ごようきき)は江戸での名称。関八州では目明かし、関西では手先、または口問いと各地方で呼びかたは異なる。

起源は軽犯罪者の罪を許し手先として使った放免である。江戸時代には法的にはたびたび禁じられたが、武士は市中の犯罪者について不分明なため、捜査の必要上、比較的軽い犯罪者が情報収集のために使われた。

江戸時代の刑罰は共同体からの追放刑が基本であったため、町や村といった公認された共同体の外部に、そこからの追放を受けた犯罪者の共同体が形成され、その内部社会に通じた者を使わなければ犯罪捜査自体が困難だったのである。

親分と呼ばれる町、村内の顔役に委任されることも多い。配下に手下を持つことも多く、これを下っ引と称した。必然的に博徒、テキヤの親分が目明しになることも多く、これを「二足のわらじ」と称した。

(以上~wikipedia「岡っ引」より引用)

木ノ葉は初代を筆頭にする穏健派がその主流であり、マダラが示すようなタカ派的な勢力は反主流とされ、現状の木ノ葉の趨勢は穏健指向で固められていそうです。そして、マダラが抜けた「うちは一族」はマダラに追求することなく木ノ葉に残りました。それを木ノ葉の体制はそれ程好意的には思ってはいなかったんじゃないかと、僕は考えています。

それが、「うちは一族」に「警務部隊」を任せた木ノ葉の上層部の思惑ではなかったのかと思うんです。それが「警務部隊=岡っ引」の根拠です。木ノ葉は「うちは一族」に「鈴」を付けたかったのだと思うんです。治安を守らせる自尊心(プライド)をくすぐりつつ、同時に「うちは一族」の行動も規制したかった。

しかも、木ノ葉は忍が構成する戦闘集団で、治安維持であれば特別な機関は必要無かった筈です。それを「忍の起こす犯罪を取り締まれるのはさらに優秀な忍」と持ち上げるような形で立場を与えましたが、それであるならば「暗部」に組み込んでも良かったのではないかと思うんです。

それに木ノ葉隠れの里の規模で警察活動を行うには「警務部隊」は貧弱過ぎるように思います。「暗部」がその特殊性を優先するにしても、構造的には警務部隊の部分集合として内部的に「暗部」が独立するのが自然に思えます。或いは、「暗部」が火影直轄のスペシャルフォースとして、自律的に存在するのであれば、それに対する「警務部隊」の在り方はな"なおざり"とも言えるものではないかと思えます。

木ノ葉隠れの里自体が「軍隊」のような構造で、その中のMP(ミリタリーポリス)が「警務部隊」とするならば、その所属はもう少し中央寄りにあって然るべきです。ややもすれば暗部と並列に火影の直下に配置されるような要職にあっても良いくらいに感じるんですが、それにしては「警務部隊」の存在は軽視されているともとれます。或いは、完全に独立させるにしても。それならば、もっと権力を与える必要を感じます。

木ノ葉中枢の「うちは外し」の可能性……。

その感触がフガクがイタチに示すプレッシャーに如実に表れています。「何が何でも暗部!!」みたいな…フガクのガッツクような上昇指向にはイタチもやや圧され気味でしたね。わざわざ、写輪眼まで出して念押しなんてね。それでも、フガクの荒々しい鼻息を良い感じにいなす巧みな交渉術…或いは、支配力とも言えるイタチの胆力には非凡さを感じたものです(笑)(第25巻/61-65頁)。

「明日の特別任務だが…
オレもついて行くことにした」(フガク)

「!」(イタチ)

「……!」(サスケ)

「この任務が成功すれば
お前の暗部への入隊がほぼ内定する」(フガク)


「………」(イタチ)

「分かってるな…」<スゥ…>(フガク)

「………」(イタチ)

「そんなに心配しなくても
大丈夫ですよ。それより…」(イタチ)

「………」(イタチ)

「………!」(サスケ)

「父さん…明日、オレの…」(サスケ)

「明日の任務は
うちは一族にとっても大事な任務になる!」(フガク)


「…………」(サスケ)

「………」(イタチ)

「………オレ、やっぱり
明日の任務やめるよ」(イタチ)

「!」(サスケ)

「!? 何を血迷ったことを言ってる!?
明日がどれ程大事な日か、お前も分かっているはずだ!
一体、何だというんだ!?」(フガク)

「明日はサスケの忍者学校の入学式についていくよ」(イタチ)

「………」(サスケ)

「……!」(フガク)

「………」(フガク)

「忍者学校の入学式には身内が参列するのが通例
通達もあったでしょ……父上」(イタチ)

「…もう分かった…
忍者学校へはオレが行く」(フガク)

「左足…ちゃんと冷やしとけよ」(イタチ)

「うん…」(兄さん……なんて遠いんだ…)(サスケ)

フガクのガッツキっぷりから想像するなら、これまでに「うちは一族」からは「暗部」に採用された人材はいなかったように感じます。サスケの忍者学校の成績や、サスケに対する周囲の期待からしても、「うちは一族」(=写輪眼)の優秀性は万人の知る所なのにおかしな話だなと思います。でも、組織が大きくなるとおかしなもので、能力だけでは評価されないケースって多いんです。どうしても気になる人は晩酌中のお父さんにでも聞いてみて下さい。きっと、涙流しながら熱弁を振るいますから(笑)。

やはり、「うちは一族」は木ノ葉隠れの中枢には登用されないような雰囲気があったのではないかと思います。政治的な流れが穏健派にあり、タカ派の急先鋒だったマダラを筆頭にする「うちは一族」が冷や飯を食わされたのはかなり自然に感じます。そして、それは「警務部隊」と言う態の良い閑職(?)にも綺麗に符合します。しかし、その障害すらイタチはひっくり返すほどの力量があったのでしょう。それが、イタチに縋るようなフガクのプレッシャーに変換されているようです。

フガクがサスケの入学式の参列を反故(ほご)にしてでもイタチの任務に付き添うなどと言う、並々ならない意気込みはフガクの危機感すら感じます。そして、イタチの存在がその千載一遇の好機を生み出した今、一気呵成にその宿願を手にしようとしているのです。フガクの意気込みには焦りすら感じました。そして、その体温が必ずしもイタチと同じではないです。時折、垣間みるイタチの遠い目。異常なまでの冷静さ。

それが、あの「夜」の予兆に思えて仕方ないのです。

しかし、何故、フガクはこうまでイタチの暗部への入隊にこだわるのか?自分は「忍を取り締まる優秀な忍」である筈の「警務部隊」なのに…(笑)。やはり、それはフガクが木ノ葉隠れの「うちは一族」の扱いに関して不満や疑問を感じていたのだと思います。そして、それは一族の総意とも言うべき考えであったのかも知れません。その断片がフガクとイタチの深夜の話し合いに示されています(第25巻/80-83頁)。

「何だと?明日がどんな日か
お前も知っているだろう!!」(フガク)

「!」(サスケ)

「お前は自分の立場が分かっていない…!」(フガク)

「?」(明かりも点けないでこんな夜中に何してるんだろう…?)(サスケ)

「…オレは明日、任務に就く」(イタチ)

「…何の任務だ!?」(フガク)

「………それは言えない…極秘任務だ」(イタチ)

「………」(ミコト)

「………」(フガク)

「イタチ…お前は一族と里の中枢を繋ぐ
パイプ役でもあるのだ…」(フガク)


「それは…分かっているな?」(フガク)

「ああ…」(イタチ)

「………」(フガク)

「それをよく肝に銘じておけ
そして明日の会合には来い」(フガク)


「…………」(イタチ)

「…サスケ
トイレに行ったら早く寝ろよ」(イタチ)

「!!」(フガク)

「!!」(ミコト)


「う…うん」(サスケ)

「こんな夜中に何をウロウロしてる
さっさと寝ろ!」(フガク)

「…………ハイ」(サスケ)

「………」(サスケ)

フガクはイタチの事を「一族と里の中枢を繋ぐパイプ役」と称しています。イタチが「暗部」に入隊する事で、この「中枢」に接触できると言う事ですから、「中枢」とは「火影」を意味すると考えるべきかな…と思いました。「暗部」とは火影直轄の特別な部署ですから、そこでイタチが頭角を現す事で「うちは一族」を火影に認めさせるのが目的なんでしょう。しかし、「うちは一族」が優秀であることは誰しもが知るところなのに、何故、こうまで「中枢」にイタチが食い込む事にフガクがこだわるのかには違和感は拭えません。

それに、サスケが寝ぼけ眼(まなこ)でこの「密談」を覗き見てるのを、フガクは気付いていませんでした。それほど熱くなってたと言う事だろうし、逆に、かすかなサスケの気配を逃さず感じ取ったイタチは流石だし、フガクほど熱くなってない事の現れだと思います。それと、もっと違和感を感じるのは、このサスケの乱入に対して、フガクとミコトママが異常な驚きを持って反応してる描写です。この時の二人の、特にミコトママの不穏な雰囲気は異常としか思えません。

フガクだけでなくミコトまでがサスケに驚いていた!!

フガクとミコトはサスケにこの「密談」が漏れるのを非常に恐れていたと考えるのが妥当でしょう。二人は本誌に登場する描写からはしっかりとサスケを愛するちゃんとした「親」ですから、それがサスケを遠ざけようとするのは、この「密談」の目的にサスケを巻き込みたくなかったからじゃないかな…と思います。と言う事は、この「密談」はかなり怪しい筈です。(明かりも点けないで…)とサスケが訝しがったように、誰が見てもこの「密談」は怪しいです(笑)。

そして、「暗部」の極秘任務を理由に「会合」を欠席しようとするイタチを「そして明日の会合には来い」と窘めるフガク。多分、これと同質の「密談」が存在するのだと思います。それに「会合」と言うくらいですから、ある程度の規模が想像されます。それは、恐らく「うちは一族」の会合でしょう。場所は例の南賀ノ神社の地下の秘密の集会場。そもそも、秘密の集会場があったり、木ノ葉隠れの里の外に「アジト」が存在するなんて、「うちは一族」って怪し過ぎます。

「うちは一族」が木ノ葉の額当てをしない事。こうして「密談」や「会合」を重ね、意思の疎通を図っていた事実。秘密の集会場やアジトが存在した証拠。これらを普通に関連付けるなら、そこには非合法の「危険な臭い」がプンプンと漂って来ます。それは「うちは一族」が木ノ葉隠れにおいて反主流に置かれ、阻害され抑圧されて来たであろう実情の反動にもとれます。そして、サスケを遠ざけようとするフガクやミコトの焦りを純粋な「親心」と読み込んだ場合。「うちは一族」が有する木ノ葉隠れの里内部の反社会性が極めて濃厚にあぶり出されて来ます。

また、イタチの態度からはフガクに言わんとする旨をしっかり汲んだ上で、受け答えしているように感じます。それは、延々と続きそうなフガクの説得を、不意に迷い込んだサスケを「ダシ」に逃れたイタチの機転にも感じます。イタチが「トイレに行ったら早く寝ろよ」と言ったのは、サスケではなくてフガクやミコトに対するものだったと思うんです。この「密談」をサスケに知らせたくない「親心」があるとして、それを逆手にとってフガクやミコトの「熱」をイタチは冷ましたわけです。

イタチも全てを知る者である!

そして、この胸の奥がザワザワと波立つような「予兆」は次第に成長して行きます。全ては、あの「夜」に向かって…。イタチの静かさは、その「闇」を物語っている。

イタチは深夜の「密談」を終了させる為に、サスケを「ダシ」に使った事をちょっとすまなく思っていて、それを手厚くフォローしてる描写があるんです。サスケとイタチが縁側で語らうシーンです。イタチはサスケの中に渦巻く何かドロドロとした部分を解きほぐしようにサスケに接しています。ちょうど、ミコトママがサスケに対して話すように。この時点で、あの「夜」は直ぐそこに迫っていました。当然、イタチはそれを覚悟していたでしょう。

だから、イタチはこの接触を自分で演出したのかも知れない。例えば、フガクが受け取り大切にしまっていたサスケの通知簿を持ち出して、サスケに話かけたとか、サスケが独りそれを手に取り考え込んでいるのを見計らって声をかけたとか。兎に角、イタチはサスケをそのままにしては置けなかったのだと思います。少なくともこの家にあって、イタチはサスケの兄でありました。ちょっと歳の離れた弟を思い遣る優しい兄でありました(以下~第25巻/83-85頁)。

「………」(イタチ)

「父さんは兄さんの事ばかりだ………」(サスケ)

「オレがうとましいか?」(イタチ)

「………!」(サスケ)

「…………」(サスケ)

「別にいいさ…
忍ってのは人に憎まれて生きていうのが
道理ってもんだからな」(イタチ)

「そ……そんなふうには…………」(サスケ)

「………」(イタチ)

(…………兄さんの言う通りだ…)(サスケ)

「…クク…優秀ってのも考えものさ
力を持てば孤立もするし傲慢にもなってくる
最初は望まれ求められたとしてもだ」(イタチ)

「ただ…お前とオレは唯一無二の兄弟だ
お前の超えるべき壁として
オレはお前と共に在り続けるさ

たとえ憎まれようともな…
それが兄弟ってもんだ」(イタチ)

サスケはここで自分の本心に気付かされます。イタチの「オレがうとましいか?」に、サスケは敏感に反応しています。そして、これが、サスケの持つ想いの…イタチに対するものと、フガクに対するものの「質の違い」なんだと思います。そして、イタチはそれをサスケにこんな風に教えられるのは、かつて自分も通って来た道だからとも思うんです。それがイタチの「最初は望まれ求められたとしてもだ」と言う悲哀に満ちた言葉に溢れ出てる気がしてなりません。

つまり、イタチもサスケのように何も解らずに、ただ居られた…子供の頃があったのです。当たり前ですが…(笑)。そこでは望まれるまま頑張ったのだと思います。元々、能力や素養があったイタチですから、何事もそつなくこなすイタチは周囲から羨望のまなざしが注がれ、褒められた。それを嬉しく思うだけで済む子供の頃があったのです。そして、いつしかイタチの成長は周囲を追い越し、その「高み」から見下ろす景色は、子供の頃のそれとは全く違ったものだった…。

だから、イタチがサスケを見つめる視線はどこか物悲しく、そして冷静なのではないかと思うのです。それは、全て経験済みだから。イタチにとってサスケとは幼き頃の幸せな自分だったのではないでしょうか。だから、サスケの喪失感や虚無感の隅々まで気持ちが行き届いたのです。イタチの愛情は常に先回りするようなところがあって、これって…と、僕が感じる別の違和感として横たわっていて…。

イタチはこれから起ころうとしてる事を明らかに知っています。そして、「オレはお前と共に在り続けるさ」とイタチが言うのは、予言めいた言葉でもあり、同時にサスケが健在な限り、イタチも在り続ける…と言う暗示ではないかと思います。つまり、サスケが在る限りイタチは死なない。これは二人の約束に似ていて、こんな状況にあっても、ほんの少しですが僕を安心させてくれています。

<ガタン>

「!」(イタチ)

「!」(サスケ)

そして、この静かな水面のような語らいを大きく揺らす「小石」が唐突に投げ込まれます。波紋は次第に大きなうねりに変化し、ついには全てを巻き込むような大波に成長して行きます。「警務部隊」の「うちは一族」の面々がイタチに面会に来るのです。その物々しく粗野な騒々しさが、サスケとイタチの静寂を消し去ってしまいます。それはまるで…徒競走のスタートの号令のように響き渡る…怒鳴り声だった…。

激しい胸騒ぎ…そして……。

「イタチはいるか!」

「出て来い!話がある!!」

確かにあった「予兆」………。

全ては、あの「夜」に向かって加速して行くのです。



  

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