スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

NARUTO-ナルト-第42巻に寄せて…

   
「NARUTO -ナルト-」42巻に寄せて

季節はちょうど今頃かな。緑が青々と濃く、瑞々しい。激しい修行のお昼休み…と言うところでしょうか。木漏れ日が心地いい大樹の木陰で、何かを認める自来也の背中に寄り掛かるようにナルトが居眠りをしている…。ナルトのコスチュームが第二部のそれに変わっているので、あの二年半の終盤でしょう。もしかしたら、木ノ葉に戻る直前。

第一部の最後に自来也はナルトが入院治療している木ノ葉病院に赴き、ナルトを正式に弟子受けし、次に大蛇丸が転生可能となる三年後に向けて修行をする意向を告げます。そして、第一部と第二部の間の二年半を二人は修行の旅に出る事になります。そこで、二人はこうして激しい修行に明け暮れた…ようであります。

しかし、疑問だったんですが、何故、二人には木ノ葉に留まり、支援や警護を受けながら修行に専念する選択肢はなかったんでしょうか。ナルトには九尾が封印されていて、それを「暁」が狙っている。確かに、三忍の自来也がお守りであれば、そう簡単には手出しはできないでしょうが、危険は木ノ葉にいる方が遥かに低い。補給だって楽だった。

しかし、自来也はナルトを連れて旅に出ました。自来也だって、大好きな綱手の居る木ノ葉にいたかったろうに(笑)、旅に出て修行をするにはそれなりの理由があった事でしょう。この時は知られていませんが、自来也は大蝦蟇仙人の予言が啓示する「選択者」としての使命があり、その弟子は忍界の明暗を左右する「予言の子」でありました。

恐らく、自来也にはナルトとの修行を観られたくはなかった…否…それだと護衛をつけて警戒した方が合理的です。ゼツみたいな隠密偵察型の忍もいますから、何ぼ何でも自来也ですらも防ぎきれないでしょう。それでも、ナルトを連れて、危険を鑑みても尚、木ノ葉隠れの里を離れなければならなかった理由とは…。

「あの術は使うなよ…」

自来也が二度目に死にかけた危機を想定した配慮だったのでしょう(第28巻/142頁)。自来也は修行と称していますが、第二部が始まってからナルトの様子を観察していますが(あまり登場しないけどね…)、自来也は決して多くの忍術を教えてはいません。一体、何をしようとしてたんだろう?と言う違和感を感じた人は多いと思います。

「ゲロゲロゲロ!!」(巻物蝦蟇)

そして、その答えが第370話「胸騒ぎ」(第41巻/7-23頁)で克明に描かれていました。ここで登場した「ナルトの鍵」が、八卦の封印式を緩め、ナルトの中の九尾を部分的に解放した「四本目」。それによって自来也は二度目の三途の川詣でをして来た事のようでした(笑)。だとしたら、一度目の綱手のDVも四本目並みだったのかな…(笑)。

冗談はさておき、自来也はナルトで実験したかったんじゃないかなと思います。多分、八卦の封印式を利用した九尾のチャクラのコントロールを目指していた…ここからは仮説になるんですが、その九尾の凶悪なチャクラを用いてナルト自身のチャクラの強化を目指したんじゃないか?と、僕は考えています。

そして、自来也は「超大玉螺旋丸」(第41巻/146頁)をナルトに展示した筈です。自来也の事だから、細かい事はナルトに任せる形で、取り敢えず…見せた。そして、ナルトはそれに応え、「大玉螺旋丸」(第29巻/136頁)に辿り着いた…。実はこれも自来也のシナリオ通りだった。そして、それはミナトが想定した将来でもあった。

詳しくは「ミナトは何故、"螺旋丸"を開発したのか?](チャクラの考察)にまとめています。これも、僕の大好きな第370話「胸騒ぎ」での自来也の吐露によるものですが、「あやつは無意味なことはしない奴での…」(第41巻/19頁)がある以上は自来也がナルトに伝えた忍術には大きな意味があるんじゃないか?と考え当たったわけです。

そして、第42巻のカバーに目を戻すと、ナルトと自来也のコスチュームが変わっているのは、そんな過酷な修行…と言うよりは訓練、或いは鍛錬を二人は行っていた事に思い当たります。簡単に言うと、基礎体力の向上ですかね。だから、第二部で、カカシやヤマトが必死になってチャクラの性質変化の理屈を教えなきゃなんなかったわけです。

つまり、自来也はナルトにそんな理屈や知識(大切な事なんだろうけど…)を教える時間も惜しんで、ナルトと共に山野を駆け巡り、体を打つけ合い、汗を流したのです。全てはナルトを鍛える為。そして、それはミナトの意思でもあったのです。自来也はミナトがナルトに伝えたかった事を、二人で過ごした二年半に伝え切った…筈です。

カバーの自来也を観れば解ると思います。凄く穏やかで暖かい表情をしている。そして、のどか…です。それに、何もなかったかのようにナルトは自来也の背中をベット代わりに休んでいます。「暁」にその身の中にある九尾を付けねらわれてるナルトが、こんなに安らかに眠れるなんて、世界中探してもココしかないんでしょうね。

で、自来也が見せる笑顔?この暖かな雰囲気。こんな風に自来也が気を許すのは、多分、ナルトが休んでる時だけだったでしょう。この時だって、疲れ切ったナルトが物書きをする自来也の後ろで疲れの余り不意に意識を失うように眠り込んでしまったのかも。いつもは許しはしなかったんだろうけど、木ノ葉にもうすぐ帰るような極めて終盤だった…?

この休息は自来也がナルトに与えたご褒美だった?

自来也の何が凄いかって、この態度なんです。これは凄いと思う。少なくとも僕にはできないから…。自来也はナルトに甘い顔一つ見せませんでした。唯一、第一部の螺旋丸修行でアイスキャンディーを与えたくらいでしょうか。ぱっくり真ん中で割って片方をナルトに手渡した…アレです(第17巻/165頁)。

あんな優しさを自来也はそう何度も見せていません。それに、最後まで自来也はナルトの素性…父・ミナトと母・クシナの事をナルトには伝えなかった。そして、何よりも、これだけは僕には想像もできないんだけど、自来也は決して、ナルトを抱きしめはしなかった。これは、実にあり得ない事だと思うんです。

第42巻の第382話「本当の選択!!」に切々と綴られています。

「今度、生まれてくる子供も
こんな主人公みたいな忍になってくれたらいいなって!
だから、この小説の主人公の名前…
いただいてもいいですか?」(ミナト)

「…お、おい!そんなんでいいのか?
ラーメン食いながら適当に決めた名前だぞ…」(自来也)

「ナルト 素敵な名前です」(クシナ)

「クシナ…」(自来也)

ナルトの名付け親は自来也だった!!(第42巻/51-52頁)そんな衝撃の事実が明かされました。ナルトの親についてはこれまで諸説あって、自来也が登場した女風呂取材(覗き見)事件以来、自来也が所々でリークするも決して白黒が判定しない…非常にグレーな展開でしたが、例の綱手との暇乞い(第40巻)で確定。そして、今回の二人の顔バレに傾(なだ)れ込みます。

この時の、自来也のやや卑屈ともとれる反応は、自来也が根源的に持つ自己無価値観であり、「伝説の三忍」と言われるようになってもそれは消え失せないコンプレックスでした。そして、その根っ子に居座る大蛇丸の存在。自来也も、そう言う若気の至りを引き摺るごく普通の人間だったんですが、それをミナトとクシナは理解していたんです。

「先生だからこそです!
本当の忍の才能を持つ立派な忍者で
あなたほどの忍はいませんからね」(ミナト)

結局、どっちが師匠で、どっちがで弟子なのか?解らないところが(第42巻/53頁)、また味わい深い(笑)んですが、それほど、ミナトとクシナは良くできた若者たちだった。「あいつがワシの子だったらさぞかし鼻が高かっただろーの」(第40巻/147頁)と、文字通り自来也が自慢してしまうような素晴らしき…愛すべき青年だったのです。クシナもめちゃくちゃ可愛かった…。

ましてや、自来也自身が「ナルト」の名付けの親だったんですよ。それが、成長したナルトに対面した時に素っ気ない反応だけだった…。そんなの、無理、無理ッ!!どんなに頑張っても無理!!どう考えても、僕にはできっこないです(あのアイスキャンディーを割り与えた自来也がですよ。あのアイスキャンディーだって溶けないように時空間忍術を使ってわざわざ運んだものだったし…)。

自来也がナルトに甘い顔をしたり、ナルトにホントの素性を教えなかったのは、多くを伝える事で増える危険を回避したかったからだと、僕は考えています。だから、自来也はナルトに多くを語らず、ただ師匠としてナルトを鍛えたのです。同時に、ナルトの慢心も危惧していたのもあるでしょうが、それは微々たるものでしょう。ナルトは真っすぐだからね。

そして、それは…全てはナルトを守る為でした。自来也もまた「自分の役目」を寡黙に、忠実に、粛々と果たしていたのです。ま、兎に角、自来也はある一線を引いてナルトと接していたんです。でないと、一度でも自来也がナルトを抱きしめてしまったら、もう歯止めが効かないくらい涙が溢れちゃいますから…。その為の「一線」だったんです。

ナルトは自来也の孫も同然だった…。

堤防に開いた小さな穴から漏れ出す水流がやがで強固な堤を破壊してしまう事を、自来也は恐れていたのです。それで、内心はワナワナ震えながらも、極めてぶっきらぼうに、そして自然にナルトと過ごしたのだと思います。ある時は心を鬼にして谷底に突き落とし、ある時は、その命をかけて拳を受けた…。

そして、自来也はその最期まで黙して語らず、自分の使命を全うしました。そして、折れそうになりながらも、自分の「忍道」を思い出し、「本当の選択!!」を果たしたのです。果たし切ったのです。この自来也の八面六臂の闘いっぷりは『NARUTO -ナルト-』の世界を揺らせた…。あの時にはネットが振動してるくらいに感じましたっけ。

あの自来也の頑張りっぷりに揺さぶられて「ナル×ジャン」を知った人も多いんじゃないでしょうか。僕もワンワン泣いちゃったけど、同じように泣いた人が多かったと言う事ですよね。それほど、自来也の生き方や行いには共感や共鳴があったのです。それはネットを揺らすようなエネルギーだった。みんな、感動したんです。

少年少女には是非とも解って欲しいんです。世の中って厳しくて、辛くって、稀にいたたまれないような悲しい事だってあるし、オトナなんだけど泣きたい時もある。逃げ出したい時だってあるものなんです。勿論、あなたたちが頑張ってて、一生懸命に生きてる事は知ってますよ。こっちだってそれは経験済みだから…判るの…ね。

でも、アナタたちに心配かけたくないから、オトナは黙って粛々と「世の中」と言う戦場で闘っているんです。お父さんもお母さんも、みんな、自来也みたいに頑張ってるんですよ。血の涙だって流してるんです。人には…どんなに辛い思いしても守り通したい想いがあるから…。これは、理屈じゃなくてね…。

自来也がそうだったように…それを言わないのは、自分でも何でもない!!ただただ…守りたいから!世界中の全てから、アナタたちだけは…この身が砕けようとも守り抜きたいから!!それは、心の底から愛してるから!!上手く説明できないんだけど…それが「オトナ」と言う生き物なんです(ついつい…体が勝手に動いちまうのさ…)。

今はそれが解らなくても、いつの日か、きっと解る時が来ますから、覚えていて下さい。自来也が闘った姿を…。そして、自来也が伝えたかった事を…。そして、それはきっと何らかの形でナルトに伝えられ、また、ナルトもそれを感じ、自らの行動で示して行くと思います。ナルトがどんな風に自来也の最期を受け入れるかが心配だけど…(汗)。

全うした自来也は満足そうに沈んで行きましたね…(第42巻/66頁)。

だから、口元が緩んでいたんです…。

「最終章…井の中の蛙 大海で散る…の巻か」

そして、続編を…委ねた…(第42巻/68頁)。

「うずまきナルト物語…うむ…それがいい…」

物語の続きは…ナルトが…そして…アナタたちが創って行くのだっ!!

  

茶話会 in GW(0505) | BLOG TOP | 「焦燥」(イタチの生き様)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。