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カカシの舌打ち

 
「心臓をいただく」

角都VSナルト(第38巻/15頁)では風遁・螺旋丸の失敗したナルトが、角都に心臓を奪い取られそうになっています(笑)。そのピンチを救ったのが、見事な連係プレーを見せたカカシとヤマトでした。カカシはヤマトに「ヤマト!」と言い、ヤマトはそれに「ハイ!」と応えただけでした(第38巻/14頁)。その見事さには、二人の暗部時代の蜜月っぷりが窺えた描写でした。

この時、ヤマトの木遁が一目散に角都の本体に向かったのに対し、カカシは角都の触手を雷切の手刀で両断し、ナルトを抱きかかえて救出しました。ナルトの離脱後、ヤマトは木遁で角都の本体に追い討ちをかけ引き離しました。カカシはナルトを守る。ヤマトは敵を攻撃する。二人の性格の特徴的な部分が見て取れる適材適所の攻撃は正に「阿吽」と呼ぶにふさわしいものでした。

「雷切!!」

その少し前、角都が背中のお面毎に所有する経絡系の分裂で攻勢に出た時(第37巻/96頁)、チョウジとシカマルに向けられた角都の雷遁・偽暗(ぎあん)を雷切の雷遁チャクラで相殺する防御技で対処しています。雷切って一撃必殺の暗殺技なんだけど、こんな使い方も出来るんですね。カカシは角都と同等以上(暁=火影クラス)の雷遁のチャクラを持ってる事も解りました。

再不斬の立ち往生(「カカシが怒った日」カカシの考察)でも書いたんだけど、カカシが自分の力を自分の為に使う事を好まない…と言うか、仲間を守るために使う傾向が強いんです。カカシは攻撃して敵を倒すよりは、自分の仲間を守ってしまうような視野の広さがある。それが、カカシの持つ大きく強い力を内に向ける傾向があると、僕は分析しています。

"君たちを傷つけやしなーいよ"…なんて笑って言うのはごめんだよ」

カカシ班の代行班長に就いたヤマトがサクラに言った台詞ですが(第33巻/168頁)、これはヤマトが丁度、カカシの対極にあって、角都への攻撃とそれに続く追撃にも見て取れるように、敵を倒す事…外に向く力…がヤマトの中核を成しています。ヤマトの場合は敵の殲滅が最優先で、それが任務遂行より直線的に達成できる合理的な思考パターンなんでしょう。これを冷たいとは言わないので…一応(Cool!←カッコ良い!)。

それで、ちょこっと想像するならば、過去にヤマトはカカシに助けられている。カカシを「先輩」と敬い、カカシに対して、かなりのドMっぷりを示すヤマトは、カカシに対しては相当な「負い目」があるんです。カカシに自分が命を救われた。実際に「……しなーいよ」と庇(かば)われた自分が在るから、ヤマトは敢えてナルトやサクラに伝える必要があったのです。

「確かにボクはカカシさんの代理だ
けど、カカシさんとボクは違う」

それは…ヤマトの確固たるアイデンティティ(第33巻/168頁)。凛として何事にも揺るがない強固な自己同一性が、それを語らせるのです。ヤマトはヤマトであって、カカシではない。人はそれぞれ違う。自分と他者も勿論違う。それらを受け入れないと、過剰な期待や依存心が堆積(たいせき)してしまって、結局、人の成長を妨げる…そう言う配慮がヤマトにはあったのだと思います(←このベクトルがポイント!)。

カカシとヤマトが小気味良い連係が取れるのは、二人が陰陽の絡み合いが「太極」を成すように、全く違う性質(気質、性格)だからじゃないかと思うんです。カカシが内向きなら、ヤマトは外向きで…。カカシが味方の安全を重視するなら、ヤマトは敵の打倒を重視する。そう言う、相反する…何もかもが違いすぎる「組み合わせ」なんです。

二人の「阿吽」の呼吸はそれをベースにしているのです。

これはもう、カカシとヤマトの役割分担が究極的にマッチしてる事を物語ってて、それは二人の性格付けに大きく関係しているんです。有り体に言えば、カカシを母親、ヤマトを父親とすると、「家庭」というパッケージに上手く収まってしまう。別に二人がどうこうなってるというんじゃなくて(笑)、それは人と人とが共同で何かを為す時の「相生」(順送りに相手を生み出して行く、陽の関係)とも言うべき凹凸そのものです。

「君の強さの源は九尾のチャクラではなく
恐るべき九尾のチャクラに耐えうる、その君自身のチャクラの力だ」

あの父親(っぽい)の叱責で魅せたヤマトの物言い(第33巻/181頁)。ヤマトの叱責とか導き方は見紛う事なく父親のそれだし、カカシの自分の身を挺した闘いっぷり(厳密には守りっぷり)は、ひな鳥を守る親鳥…思えば中忍試験のVS大蛇丸(封邪法印)から連綿と続くカカシの真骨頂ですよ…母親の愛情に感じてしまいます。この二人の「光と影」と言うべき全く真逆の性格(性質)が際立ち、そして絡み合い、お互いを拒まない…「阿吽」を成している事に気付きます。

要するに、それはカカシが「母親」の愛情属性の持ち主だと言う事です。それは、ヤマトとの対比で充分に解ると思います。だから、カカシは心配性で、先回りしてしまうようなところがあるから、サスケを止める事ができなかった…(「カカシは何故、サスケを止められなかったのか?」参照)。結果的にですが(汗)…時と場合によっては、子供にとって、母親とはウザい存在でもあると言う事です(笑)。

だから、カカシはこんな風にナルトを心配してしまう…。

<コン><コン>(カカシ)

「!」(ナルト)

「な…なんだ…カカシ先生か……」(ナルト)

「五代目がお呼びだ。すぐに支度しろ」(カカシ)

あの時…カカシがナルトを窓越しに起こしていましたよね(第404話/「"鷹"と"暁"」)。フカサクが自来也の戦死をナルトに告げる為に火影の執務室に呼び寄せた。その伝令でした。この自然なやり取りから想像すると、こんな風にカカシは窓越しにナルトを見守っていたんだと思います。そして、ナルトの気付き方からすると、カカシが積極的に教えない限り気付かなかった…(笑)。

つまり、カカシはナルトの寝顔を見て安心したり、心配してた…と考えられるわけです。ま、ナルトみたいな重要人物がこんなセキュリティで休んでて、しかも、忍である筈のナルトがカカシの気配に寝てて気付かない…と言う部分に突っ込みどころがないとは言えませんが(笑)。それも、木ノ葉の静かで鄙(ひな)びた雰囲気にはマッチしてますけどねーッ(ワンピのブルック風)。

カカシはいつも窓の外からナルトを見守っていた…。

カカシはこんな風にナルトを心配して、先回りをして見張るような事をしていたんでしょう。当然、あの夜だって、自来也の訃報を受け入れられなくて深夜徘徊してたナルトも尾行していた。そしてイルカが接触し、ナルトを解きほぐすのも見ていた…。しかし、それだけじゃ足りない事をカカシは感じていた。そして、ナルトがその後、またズブズブと沈んで行くのを見てたのは辛いことだった…。この流れをカカシはズーッと観察してたんだと思うんです。

だから、カカシはシカマルを誘引したんじゃないでしょうか…。 

「暗号もそうだがあいつのことも心配でね」(カカシ)

「そっちの方もたのむ」(カカシ)

「あんまり期待されてもね」(シカマル)

シカマルの「期待されてもね」ってのがミソで(第406話/「未来への鍵」)、相当なプレッシャーをカカシがシカマルに浴びせていたと言う事です。それをシカマルは感じてた。カカシが言うように、「暗号」も確かに大事だけど、カカシには、イルカに解きほぐされ立ち直ったかに見えたナルトが、再度、グダグダに沈んでしまったのを実際に見て知ってる筈ですから、それを何とかしたかったのです。

シカマルにすれば、カカシが行けば良いのにと言う気持ちがあったんですね。でも、役割分担としての「自分」をシカマルはちゃんと知ってるから、結局、ナルトを立ち直らせだけど、カカシくらいなら出来るだろうと、シカマルもカカシをリスペクとしてるわけで、このシカマルの反応は自然に感じます。それに、この時点で現実味(あそこまで沈んでるグダズブのナルトのイメージ)がシカマルにもなかったのもあるな…。

あのアイスキャンディ割りのイルカの懐柔……。

「自来也様はお前のことを
いつも褒めてたよ

自分ののようだと
いつも鼻高々に話して下さった

お前が自分の意志を継ぐ存在だと信じてた
いずれ立派な火影になると信じて疑わなかった

自来也様はお前をずっと見てるさ…
今だってどこからかな

あの人はお前が
落ち込んでるのを見ても
褒めてはくれないぞ

だから…

今まで通りの
褒めてもらえるような
お前でいればいい

いつまでも落ち込んでんな!」

イルカの物言いはまるで、サスケを安心させようと、ホントは伏せておくべき…フガクの言葉を吐露してしまったミコトと酷似していましたね(第405話/「遺されたもの」)。この解きほぐしはカカシにも出来る事でしたが、自来也が自分に刺刺しいカカシよりは、かなり従順なイルカを選択したのか?(笑)カカシはハブされてたんです(笑)。そして、自来也はイルカに「もしも」を託してた…。

でも、カカシは本心で、この懐柔をしたかった筈です。心配性のカカシの事ですから、あの夜もナルトを尾行してたのだし。窓越しに毎夜、ナルトの寝顔を確かめに行ってたんだから…。カカシは、イルカが自分よりナルトの近くに居る事も解ってたし、イルカとナルトの接触も感じていた。切なかった…。苦しかった。行為的には、あの懐柔はカカシにも出来たんです。でも、情報量でイルカが勝った…。

あの時も、カカシが機を察する前にイルカが出たんじゃないかと思います。カカシとイルカって、愛情の属性的には被るから、この場合は「早いもん勝ち」が原則(笑)。機先を取られたカカシは物陰からソッと見ているしかなかったのです。カカシの内側は複雑だった?嫉妬や敗北感に近いドロドロした気持ちが湧き出していたんじゃないでしょうか。

父親と母親の役割分担ですが…。

母親が「抱きしめる」のに対すれば、父親は「立たせる」のかと思います。イルカはアイスキャンディ割りで、ナルトの「魂」を抱きしめたのです。正確には、踞って泣き濡れるナルトの「魂」を…。抱きしめる事で認めた。そのままそこで踞っていて良いと…。つまり、イルカはナルトを許したのです。

ナルトはその「許可」に微笑んだだけなのです。

でも、それでは踞(うずくま)って泣いているだけです。そのままでは一歩も前には進めません。だから、シカマルが訪問した時、ナルトはグダグダのズブズブに沈んだ別キャラになっていたのです。完全、キャラ変わってましたよね。ネクラの引き蘢りですよね。世が世なら、完璧なニートですよね。それでジャンクフード好きなんてハマり過ぎ(笑)。

カカシはナルトのこの姿を知ってたからシカマルを向かわせたんです。ここはナルトを立たせないといけない。自分の足で立ち上がらせ歩まねば、ナルトは自来也の現実を乗り越える事はできない。それをカカシは理解していたから、シカマルをナルトにあてがったわけです。カカシが行っても抱きしめて許してしまうだけだから…自分にはできない所行だと言う認識が、カカシにはあったのです。

子供の成長に父親と母親の『両輪』は不可欠!!

きれい事。理想論…。でも、それが非常に望ましい条件であると思います。『母親が許し、父親が立たせる』…その『阿吽』は子供の育成には必須の筈です。しかし、現実は厳しく、オトナにも人生はある。そして、それを我侭(わがまま)と言ってしまえる資格は、僕にもない。一人のオトナとして、少年少女には万全な状態で顔向けは出来ません(汗)。マジに何とかしないといけない…。

だから、イルカがナルトの持つアイスキャンディーを手に取り、割り与えたのはショックだった…筈です(第405話「遺されたもの」)。恐らくそれは、カカシが知らない「事情(情事?)」だったから。自来也はイルカにしか教えてはいなかったでしょうから。そして、それに応えたナルトの視線にカカシの胸は軋(きし)んだ…。この瞬間、カカシは自来也の全てを明かさないオトナっぷり…自分が未だに「子供」と思われてる(かも知れない?)疑念と、自来也との棘棘しき関係を呪ったことでしょう(笑)。

「チッ…」

僕の耳にはあの時、カカシが舌打ちするのが、確かに聞こえました…。
街灯の下のイルカとナルトを、カカシはジトッ…と見つめていた…(笑)。
  
  

第407話「ナルトに宛てて」 | BLOG TOP | 第406話「未来への鍵」

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