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カカシは何故、サスケを止められなかったのか?


「白」の考察では、「白」がナルトに大きな影響を与えた事を示しました。実際、それが木の葉崩しの対我愛羅戦で発揮され、ナルトの強さを引き出し、我愛羅を撃破するに至ります。この時、ナルトは「強さ」の本質を知るのです。「強さ」の描写は別の機会にドカンと行きたいんですが、木の葉崩しの三代目と大蛇丸の認識の違いが典型例です。その意味で、ナルトの認識は「○」です。間違いない!安心して下さい(笑)。そして、これがナルトがサスケの前に出た瞬間でもあります。ま、それがサスケの強烈な劣等感を生み出す原因なんですが、皮肉なものですね。

「………君には大切な人がいますか?」
「人は大切な何かを守りたいと思った時に本当に強くなれるものなのです」

その言葉を噛み締めながら、傷付いた大切な仲間を護ろうとナルトは決死の覚悟で印を結びます。この時、ナルトはサスケが驚くほどの量のチャクラをナルトは練り込みます。そして、この時、ナルトは「白」を想い、ミズキの大型手裏剣からナルトを身を呈して護ったイルカをイメージしています(15巻/140頁)。

「君は強くなる……」

「白」の遺言がナルトを優しく押し出します。暖かい掌で背中を優しく押すように…。この言葉は確実にナルトの内に在ります。そして、ナルトの内側からしっかりと支えてて、ナルトの礎(いしずえ)になっている言葉です。

この描写がナルトの人格形成を物語っていると僕は考えています。つまり、「白」がナルトの母親(格)であり、イルカが父親(格)であると言う分析です。子供の人格形成はやはり父母の両輪が必要で、不運にもその庇護がない場合も、ナルトのようにその代用を自然に見い出すものなのです。そして、この土壇場において、ナルトの内にカカシのイメージが登場していない。つまり、カカシはナルトにとっては両親(格)ではなく、もっと別の存在である事の一つの根拠になりえると考えます。ナルトにとって、掛け替えのない存在である事は確かですが、ちょっと違う…と。

もうナルトの内的な両親はもう埋まっていますから、ナルトのその領域に関してはカカシはもう入れない。これは安心している…とも言えるんですが、寂しくもある。たまにイルカにやっかんで噛み付いたりもしちゃいます(笑)。だから、どうしてもナルトではなく、カカシはサスケに気が向いてしまうんだと思います。だから、サスケに自分の唯一のオリジナルである千鳥を教えたり、チャクラ性質が同じだとか言い訳してますが、有り体に言えば「情」の注ぎ場所を探しているのです。愛を注ぐ先を探している。魂にはそう言う欲求があるのです。

乳が張るから、子供の唇を乳房に押し付ける…この一連の行動を生物学では愛情ではなく、本能として説明しています。それをどんどん突き詰めて行けば、全ての行動はほぼDNAを運ぶ為の機械的な動きとして説明されます。「利己的なDNA」と言うヤツですが…。もっとも、人にはもっと高度な「情」と言うモノが存在するので、この限りとは考えたくないですが、行動原理の中に「機械的な動き」つまり「本能」が存在するのは確かだと思います。ちょっと脱線…もどします(笑)。

木の葉崩しが集結して、三代目の葬儀が行われる頃、うち降る雨の中。オビトの墓前のカカシと卯月夕顔との絡みです。余談ですが、夕顔(月光の彼女だと思われます)は非常にフェイバリットで、実は僕の、ど真ん中です。「こんな可愛い子がこんなとこで、こんな仕事してちゃいけないでしょ…」ってカカシ風にお説教したくなっちゃいます。でも、暗部なのね。余談です(笑)。

「三代目の葬儀がもう始まってる……急げよ…」

「カカシ先輩こそオビトさんへですか…」
「いつも遅刻の理由を考えるくらいならもっと早く来てあげればいいのに」(夕顔)

「………」「…来てるよ…朝早く…」

「!」(夕顔)

「…ただ ここに来ると…昔のバカだった自分をいつまでもいましめたくなる…」

こんな感じで、カカシは神無毘橋を明らかに引き摺ってます。カカシのアイデンティティでもある写輪眼と共にオビトの存在は常にカカシを苛んでいるのでしょう。カカシの心の中の時計は「あの時」で止まっているかのようです(16巻/81頁)。そして、この後悔はカカシの人格形成にも大きな反動形成を生み出していると、僕は考えています。

例えば、「時間にルーズ」もそれに当たります。一番端的なカカシの言い訳でもあります。明らかにフリです。そう言う人だと思ってもらいたい…みたいな。そして、カカシの中の男性の反対も…。これは性癖(汗)ではなくて、心の在り方なんですが(笑)、それが端的に出るのが「口調」。「おかまっぽい」(重ね重ね、性癖じゃありませんから)ととれるような言動…。もしかして…ゲ○?!と思わせるくらいの雰囲気を纏ってる時がカカシにはある。これも、「バカだった自分」を恨んでさえいる…からなんではないでしょうか。あの頃と違う自分をカカシは、無意識の内に自分の中に創ろうとしているんだと、僕は考えています。

これが、サスケの里抜けを思いとどまらせようとするシーンにつながります。サスケが毒を吐いた、例のあのシーンです。音の四人衆が虎視眈々とサスケを狙っている辺りです。

「もう…みんな殺されてる」

笑顔でサスケにそう語るカカシ。唯一、露出される右目は確かに笑っているようです(20巻/112頁)。カカシはオトナですから(笑)、顔で笑って心で哭いて…でしょうが。

「オレもお前より長く生きてる。時代も悪かった。失う苦しみは嫌ってほど知ってるよ」

サスケはうつむいて何も語りません。カカシのそんな暗い過去をこれまで一度も想像して来なかったのかも知れません。サスケは常に自分だけ何で!?って思っている甘えん坊なんです。カカシもそう言う暗さはできるだけ感じさせないようにしていますし。カカシの軽めの語り口…疑っちゃうような(笑)…は、そう言う、愛に満ちた配慮と言いますか、オトナの間合いでもあるのだと思います。正にこれが「おねぇ」っぽいカカシの真骨頂なんではないでしょうか(おねぇっぽくないよ~ウォウォウォってコダマしてる…空耳かしら…笑)。つまり、それは優しさなんです。決して性癖ではなくて…(笑)。「腐」の考えは、その外面的な突起を足掛かりにしてるんだろうけど、浅い。全く、浅いです(笑)。カカシはれっきとした男性です。それも、純度100%の濃い愛情を持った…。

「ま! オレもお前もラッキーな方じゃない…それは確かだ」
「でも、最悪でもない」

サスケはこの時、それまでうつむいていた顔を起してカカシを見ています。

「!」

確かにサスケは悟っています。この言葉の真意を。同時にカカシはサスケに強いシンパシーを感じています。カカシは、その共感を宣言しているんです。これはカカシがナルトとサスケに持つ距離感の決定的な違いであり、より、自分がサスケの近くに立っている。寄り添うように…ともとれるような、そんな親近感を吐露しているんだと思います。逆に、カカシがサスケを止められなかったのは、この気持ちがあったからではないかとも思うんです。まるで臆病な親が先回りして子供の非行を止めようとするような、そこには鬱陶しさがあると思うんです。感じませんか?泣いて縋るような面倒臭い感じ。これって、まんま…。

「オレにもお前にも、もう大切な仲間が見付かっただろう」

サスケはこの時ナルトとサクラをイメージしています。これは恐らくカカシも同じで、サスケもそれをしっかりと受け止めた筈です。だから、カカシはサスケに千鳥を与えたと付け加えます。同時にカカシは自分とサスケを激しく重ねています。まるで自分の分身のような…。この距離感って…。カカシは……。しかし、サスケはこれをどう感じたのでしょうか?また、うつむいてしまった(笑)。

そんな目でカカシとサスケを見ていると、例の中忍試験の呪印の封印のシーンが、また違って見えて来るのです(8巻/113頁)。そう、あの伝説のカカシVS大蛇丸の絡みのシーン。実は大蛇丸とカカシが大っぴらに(笑)絡むのって、多分、ここだけなんです。目を皿のようにして、探し回ったんですけど…他には見当たらなかった。

「少しの辛抱だ。すぐ終わる」

カカシは「封邪法印」をサスケに施し、大蛇丸の呪印を抑え込もうとしています。自分の血を使って辺り一面に夥しい量の術式を施して…(これは相当に大変な作業だったと推察されます。命を削るくらいに)。呪印の処理が終わってサスケはその場に倒れ込んでしまいます。

「封印の法術まで扱えるようになったなんて…成長したわね…カカシ」

<ゾク>冷たい殺気がカカシを支配します。大蛇丸がカカシの背後に迫っていたのです。

「お久しぶりね。カカシくん」

ほぼ間違いなく過去に二人は面識があります。カカシは超優秀な忍であったので、三忍との関係もあっても不思議はないです。むしろ、近しく可愛がられてた…と、考える方がしっくり来ます。僕(はそんなに優秀じゃなかったけど)の近くに優秀な子がいたら好んで構ったと思います。余計な事も色々教えたと思います(笑)。

ちょっと、前後しますが、イタチと鬼鮫の木の葉襲撃で、イタチの万華鏡瞳術・月読によって病院送りにされたカカシを、五代目・火影に就任した綱手が治療して呆気無く、回復するんですが、その時、綱手をして…

「たかだか二人の賊にやられるとはお前も人の子だねェ…天才だと思ってたけど」

と呆れられています(笑)(20巻/24頁)。これは、カカシをかなり小さい時から知っている近しい気持ちを持つ年長者が普通に持つ気持ちだとするとしっくり来ます。しかも、大蛇丸は神無毘橋以前のカカシを良く知っている…とうかがわせるのが、先ほどの中忍試験の大蛇丸の台詞…

「昔は持ってなかったじゃない…それ」
「その…左目の写輪眼!」

この時、カカシはいつものように額当てを斜にして左目を隠しています。だから、ここで大蛇丸が見て気付いたわけじゃない。諸国に勇名を馳せるカカシだからいくらでも知り得る機会はあったと思いますが…。よくよく考えてみると、大蛇丸がカカシの背後に現れたにも関わらず、カカシは写輪眼を解放していないのです。つまり、カカシは臨戦体制をとっていない。カカシほどの忍が危機感を持っていないのでしょうか?どう考えても変です。しかも、大蛇丸の接近を許しています。これが格の違いを示す描写なのか?カカシと大蛇丸の過去を示唆する描写なのか?興味深いところです。どっちにしても、大蛇丸は神無毘橋を挟んだカカシを知っている。それは事実だと思います。

「サスケにこれ以上近付くな…」

遅ればせながら、カカシは伝家の宝刀「雷切」を発動して大蛇丸を迎撃体制を執ります。何故だか、この期に及んでも写輪眼は露になっていません(笑)。まるで、自分の敗北を既に覚悟しているかのようでもあります。もう死ぬしかない!そう言う踏ん張り方に見えて来ませんか(笑)。

「いくらあんたが あの三忍の一人でも………」
「今のオレならアンタと差し違えることぐらいは出来るぞ…!」

何度見ても、親鳥が襲いかかろうと迫る蛇を前に、果敢にヒナを護る姿に見えてしまう。また、カカシは、最初から「大蛇丸」とか「アンタ」と呼んでいます。対人関係の障壁としてはかなり低い感じがします。

「すること言うこと――――全てズレてるわね」

「わね」の後に「ェ」を常に付けたい衝動にかられます(笑)。ついでに、この大蛇丸の名台詞はナルト史上に残る不朽の名作であり、大蛇丸のスナックがオープンした曉には、(バレバレの)ズラのおやじ攻略の決め手になる事は想像に難くありません。スミマセン。戻します(汗)。

大蛇丸は全てを見透かしていました。この封印がサスケを抑え切れない事を。カカシの想いがサスケに届かない事を。カカシがサスケに選ばれない事を。そして、自分なら、それになり得ると言う事を。

「…それに…君が私を殺すんだって………?」
「やってみれば?」
「できればだけど…」

ここまで言って大蛇丸は無防備に背中を曝け出すように遠ざかって行きます。勝ち誇るようにしながら…。結局、カカシも最後まで写輪眼は出さず終い。もしかしたら闘う気なんて最初から持ってなかった。端から諦めてた…そんな気がします。

「…くっ 差し違える……!?」
「バカか…オレは…!」

カカシの言葉と行動が激しく空回りしています。それは、この先のサスケの里抜けが防げないであろう事を暗示させるかのようでもあります。そして、案の定、第一部の終盤でサスケは大蛇丸を求めて里抜けしてしまいます。

「”どんな邪悪な力であろうと求める”心…彼はその資質の持ち主…復讐者なのよね」

大蛇丸はサスケの核心を明解に言い表わしています。これに真直ぐに目を向けた大蛇丸。それから目をそらしたカカシ。その勝敗は明らかです。カカシの言い知れぬ敗北感は、この大蛇丸の毅然とした態度にあったのだと思います。結果的にもサスケは大蛇丸を選んだ。サスケの拠り所はカカシではなく大蛇丸だったのです。

この時、カカシは大蛇丸とサスケの…母親の座をかけた…奪い合いに破れたんだと思います。結局、カカシはサスケの母親になれなかったんだと、僕は感じています。二人とも男性なんだから「父親では?」と思いますが、そこには既にイタチがいます。これは揺らぎません。サスケにとってイタチは殺したい!身を焦がすように憎い対象ではありますが、

「オレの兄弟は…殺したい男…ただ一人だけだ」

と、サイに告げたように、サスケの中では「兄」であり、父親(格)の象徴であるのです。そして、残りの母親(格)に大蛇丸がハマった(悪い母親だったから乗り越えられたんです。これが「白」だったら…非常に危険でした…汗)。カカシは落選した(笑)。サスケはカカシの先回りするような愛情の素早さがウザかったのではないでしょうか?距離感が近すぎたと言うか。それに対して大蛇丸は絶妙だった。しかも、望むものは何だって用意してくれた。悪態も受け流してくれた。カカシみたいに真正面から受け止められたら、いくら何でもこっちの心も痛むでしょ。荒んでいても、心とはそう言うもんです。その機微をカカシはやっぱり分かってない。生真面目すぎると言うか…。←これがカカシの本性ですから。そう思わざるを得ない。やはり、カカシはチーママ止まりで、大蛇ママには敵わなかった…と言う事なのでしょうか?!

しつこいですが、カカシがサスケの母親(格)に何としてもなろうとしたわけではなくて、もうそこしか空いてないから…だったと僕は思います。しかも、それとカカシの性癖(汗)は全く関係ないと言う事も付け加えておきたいです。つまり、カカシはなり振り構わずサスケをつなぎ止めたかっただけなんだと思うわけです。可愛い弟子だから?だけでもないけど…。やっぱり、カカシは自分とサスケを重ねてた…。カカシはサスケに自分と同じ気質がある事を感じていました。悲しい過去も知っていました。そして、自分と同じように、後悔するだけの生き方をさせたくなかったんじゃないでしょうか?サスケの「引き摺る」性格にもカカシは気を揉んでいたんでしょう。チャクラの質とか、天才肌のところとかも。二人はは似ていたんですね。似過ぎていた。近し過ぎたから反発した。カカシの優しさが、纏わり付くような思いやりが、サスケには堪らなかったんでしょう。

ある意味、カカシは心配症過ぎた…。

これは「お母さん」の行動原理に似ていて…例えば…子供が喧嘩して帰って来て、それを母親には黙っている。頭を撫でる母親の手を子が撥ねのける。そこには傷がある事を母親に悟られたくないから…。大蛇丸だったらきっと、そんな時にサスケの頭を撫でなかったと思うんです。優しさの"質"の違いと言えば良いでしょうか。

「ナルト……お前の事だ……必死だったんだろう…」

終末の谷。雨の中で倒れているナルトを優しく抱き上げた時にカカシが呟きます(26巻/153頁)。こう言う言葉が自然に吐けるカカシだから、カカシはサスケを止められなかったんだし、僕らもカカシを愛して止まないわけです。

これこそ「運命の適材適所」(キッシー、あんた、ウマ過ぎる……ヨ!)。

ああ、カカシ…僕は好きだァ~ッ。

で、つづく(笑)。

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