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「これから…」(自来也の苦悩・終)

 
「今こそが
大ガマ仙人の予言された選択の時!」(自来也)

第381話「その正体…!!」(第42巻/35頁)で自来也が蝦蟇瓢牢から出て、むざむざペインに殺されてしまった事を、未だに疑い深い目で見ています。ま…それが、自来也の選択=自らの死…だったのではと勘ぐるお話に収束するんだけど、それでも我慢した表現に心がけたつもりだったんですよね…ホントはもっと暴走したかった…僕は黒いから、アレは自来也が妙木山の監視の目を逃れる為に仕組んだ芝居で、フカサクの前でワザとペインに殺される事で姿を暗ます作戦だった…つまり、ペインと共謀した狂言だった…と、そんな黒いお話がベースにはある…ちゅー話です。

でも、これだと仙人モードで自来也の肩に融合していたフカサクさんをペインが血刀で貫かなかった描写がウマく説明できるし、自来也の亡骸(なきがら)を放置してサッサと帰ったペイン共の無頓着や、自来也が命懸けで遺した暗号「本物葉意無椅」が情報撹乱の為のフェイクだった…と、実に綺麗に説明できちゃうんですよー。やっぱ、自来也が蝦蟇瓢牢をワザワザ出る動機が薄い…ちゅーか、良く解らない…訳で、もしあの時、フカサクさんが自来也について来なかったら…どうだったんですかね。ペインが菓子折りに小判を詰めて…「おまえもワルよのォ~」…なんて…ね(笑)。

この場合は、自来也がラスボスで、何もかんも自来也のシナリオで動いてた。忍界全体を巻き込む騒動を自来也が裏で操っていて、妙木山からは仙術のノウハウを得る為に接近。大ガマ仙人の夢に介入して自らを予言に組み込ませた…なんて、もし僕がシナリオライターだったら、そんな土曜のお昼の二時間物のミステリー風(時代劇の間違いじゃねーのか?と言う声もチラホラ…)に考えたなーなんて思います(笑)。やっぱ、犯罪って「情」がないと起こせないって言うか、良い意味でも悪い意味でも、気持ちがないとできないと、僕は考えるので、近しい人が近しい人をどうこうするってのはリアリティを感じるのね…(黒汗)。

でも…でもです!!

そんな黒いお話になってしまったら、あの時、蝦蟇瓢牢の中で自来也とフカサクとシマが気持ちを交わし、信じ合い、想い合い、庇い合った…あの清らかな光景はどうなるんだ?!あの時、流した涙は…「何なのさ!?」って話になってしまいます。それに、自来也が次の物語を少年少女やナルトに託し、満足そうな笑みを浮かべながら水底に沈んで行ったシーンを茶番にしてしまうのは忍びない!!って言うか、何ぼ何でも嫌だッ!!(笑)なので、自来也の一発逆転のサヨナラ満塁ホームランが空振りに終わっちゃった…で、この想定は除外!!(笑)

何…ホッとしてるんすか!?

僕だって、何ぼ何でもそこまで黒くは徹しきれませんよ。ただ、蝦蟇瓢牢前後の描写は不整合さが在る事は確かで、他のお話に繋がる伏線かも知れないし、余談は許さないんだけど、少年少女にあんまし黒いお話を提示するのも気が引けるので、ナル×ジャンでは一応、シミュレーションのアイテムから外す事にしています。なので、自来也が「予言」を閉じる為にペインを殺るか、殺られるかも一か八かに出て殺られちゃった…それを自来也が「選択」した…と言う想定で、それに到る自来也の心中を「自来也の苦悩」でカキカキした…訳です。

自来也はかなりスケベでやんちゃだったけど、実は生真面目で正義感に溢れた優しい人でした。人一倍賢くて、大ガマ仙人の「予言」で、人の世を善き方向に導こうと必死で東奔西走してたのです。大蛇丸の見張りや、木ノ葉を取り巻く情勢に常に気を配り、ついでに綱手との色恋もいつかは成就する事を祈りつつ、半ばストーカーまがいの情報収集も…あったりなかったり…(笑)。そんなちょいワルなオヤジの「苦悩」について、あれやこれやと考えたのですが。でも、物語はまだまだ続きます。って言うか土台がやっと整った…謎ばっかだから…(汗)。

自来也が最後に悔やんだのは自分がペインを倒して物語の幕を降ろせなかった事。でも、それをしっかり”ド根性”で託して逝った訳です。心臓が止まってるにも関わらず、フカサクさんの背中をチャクラで焼き、”暗号”を刻んだじゃないですか。それにナルトと言う”自来也の申し子”みたいな頼もしい弟子もしっかり遺しました。自分では謙遜していましたが、そりゃもう「偉業」ですよ。それは「苦悩」しつつも、次の世代の事を考えてたからです。そして、それがミナトが知っていた…と、自来也が漏らした…「何か重大な事実」と重なるのだと、僕は考えます。

一緒に考えてみましょう!!
「自来也の苦悩」の向こう側…

…そう……「これから…」…を。








「弟(キラビ)をさらったのは
あの木ノ葉隠れのうちはの者だと聞いたが!
なぜ、うちはの者が”暁”におる!?」(雷影)

「うちはサスケ…
もう随分と前に木ノ葉の抜け忍
なっていたようです」(秘書)

「木ノ葉の火影は
なぜさっさと抜け忍を始末しない!?
日向の件では
あれだけ強(したた)かだった里が!」(雷影)

「日向事件」とは…

「ある夜…
ヒナタ様が何者かに
さらわれかけた
その時
ヒアシ様はすぐにかけつけ
そいつを殺した
暗がりでしかも
マスクをしていたそいつ…
いったい誰だったと思う…?

………そいつは…
そいつは同盟条約を
結んだばかりの……
雲の国の忍頭だった…
初めから白眼の秘密を狙って
やって来たことは明らかだ…
しかし雲の国は計画失敗で
自国の忍が殺されたことを
いいことに…
木ノ葉の条約違反として
理不尽な条件をつきつけてきた

当然木ノ葉と雲はこじれにこじれ
…戦争にまでなりかけた…
しかし戦争は避けたい木ノ葉は…
雲とある裏取り引きをした

雲側の要求は
白眼の血継限界を持つ日向宗家…
つまりヒアシ様の死体を渡せ
というものだった
そして木ノ葉はその条件をのんだ
そして無事戦争は回避された

宗家を守るために
日向ヒアシの影武者として殺された―
オレの親父(ヒザシ)のお陰でな!」(ネジ)

ネジの口から語られた「日向事件」の顛末(第12巻/61-64頁)は、ナルトと中忍試験での敗戦の前の…ちょっと歪んだネジを形作る悲しい出来事でした。ザックリまとめると、日向の血継限界=白眼の秘密を雲隠れが欲してた…ちゅー事でしょう。この事件の如何(いかん)を木ノ葉から一方的に見ていると、雲隠れが悪者にしか見えません。でも、お話が進んで、雲隠れにサスケが赴き、八尾”人柱力”のキラビと対戦し、キラビや八尾の人となりや”人柱力”の何たるかを考えることで、雲隠れの一方的な悪者説も思い込みに過ぎないのかな…なんて揺らぎます。

うちは一族も元をたどれば
日向一族にその源流があると
言われてる」(カカシ)

ちなみに「白眼→写輪眼」の血継限界の分岐の提示があったのが、第78話「ネジとヒナタ」(第9巻/117頁)です。日向一族と雲隠れの因縁=「日向事件」の提示が12巻ですから、一応、近接はしています。その二つの伏線が雷影の登場でやっと合流する…単行本的には45巻に掲載されるでしょうから、30巻分以上のスパン=多分6年分で合流したことになります。合流してたのなら…のお話ではありますが、当時1年生だったら、小学校卒業しちゃうくらい気の長いお話です。キッシー恐るべし…ですね。

第417話「雷影、動く!!」で脳まで筋肉なんじゃないかしら…と思ってた雷影が、思いの外しっかりしたシャベリができるので、何だかホッとしたものですが(笑)、この時、「日向事件」に雲隠れの里が絡んでいた事を思い出させてくれました。そして、雲隠れが抱く白眼に対する興味と「白眼→写輪眼」の分岐を結びつける考察が「うちは虐殺」(終末の谷の決闘…第六撃)です。そして、そこで雲隠れ=雷影がその秘密や血継限界の分岐の真相…人為的な関与を疑う結果だった…とするのが、僕の持論であると展開しております。

ま…その考えには、白眼の秘密を知る事で写輪眼発生を探る考えは数ある選択肢の中の一つにしか過ぎず、「白眼→写輪眼」の分岐の提示→「日向事件」を結びつける力業もあって、土台が脆弱にも思えます(汗)。ただ、饒舌な雷影が「うちは一族」=サスケがキラビを誘拐した(と思っているだけで、実はキラビの狂言だったんだけど…)事件と、「日向事件」を関連付けた発言をした事で、ある程度、補強してくれた考えています。そして、その願望はこの後に続く雷影の台詞で更に膨らみます。

「それからサムイの小隊を呼べ!
うちはサスケをこちらで始末する旨の
書面を持たせて木ノ葉へ向かわせる!

そいつの情報も出させろ!
さらに忍び五大国
五影首脳会談
の段取りをつける!
”暁”は絶対に許さん!」(雷影)

突然、登場していきなりお気に入りの急先鋒になったサムイの事は置いといて…(笑)、雷影のうちは一族に対する危機感は写輪眼に対する疑念、或いは写輪眼の存在に対する危機管理の高さを窺わせる発言であると、僕は考えています。そして、返す刀で出した「五影首脳会談」の提言。もし、ここであった雷影の憤りが、弟(キラビ)を暴漢に拉致られた身内の憤慨であったり、雲隠れに侵入し好き勝手して逃走した”暁”に対する報復であるなら、こんなまどろっこしい対応は時間の無駄だと考えると思うんです。

ま…”鷹”の殲滅に一個大隊(戦争かっ!!)を向かわせるなんて息巻いてはいましたが、それにしても忍び五大国に号令を発し、五影首脳会談をする政治的な配慮には千手柱間が「一国一里」の仕組みを普及させた当時の約束や思想が色濃く滲んでいるように思います。それと合わせて、柱間は管理下にあった”尾獣”を同盟各国に配布しパワーバランスを取って来た政策も存在し、写輪眼(うちは)や”暁”が”人柱力”に接触する事態に危機感を抱く雷影のベクトルは柱間の思想を反映したものではないかと、僕は考えているのです。

「ミナトがわざわざ
九尾の力を(いん)と(よう)に二分し
陽の側をナルトに封印したのは
九尾のチャクラ
ナルトに残すためだ」(自来也)

僕の大好きな第370話「胸騒ぎ」(第41巻/19頁)で、自来也がナルトに対する九尾の封印シーケンスの特殊性に付いて言及しています。九尾の封印は三代目の証言で封印術・屍鬼封尽である事が確定していますが、木ノ葉崩しで、穢土転生で召還された柱間と扉間を死神に喰わせ。大蛇丸の両腕を使用不能にした術に、もうワンアクション=”九尾の力の陰陽分離”が挟まれていて、僕はこの自来也の発言がクシナの九尾封印に対する関与を臭わせるものと考えていますが、お話がややこしくなるのでまた別の機会に説明しますね。

「雷犂熱刀(らりあっと)!!!!」(キラビ)

(…出たか…
同じだな…あの時と…)(サスケ)

第413話「崩落」でキラビが見せた八本目=雷犂熱刀の八尾の”チャクラの衣”に、サスケは終末の谷の決闘でナルトが見せた九尾の一本目=九尾の衣を重ね合わせていました。それは見た目にも似ていて、チャクラがゲル状に”人柱力”を覆う衣を発現する形式も同じで、<ボゴゴゴゴ>と気泡のようなテクスチャーが混入しているなど、瓜二つと言えるものでした。しかも、それがチャクラを見分けるサスケの写輪眼が判定した点が大きく、サスケが躊躇無く二人を重ね合わせた反応を見せた描写は非常に大きな伏線だったと思います。

つまり、キラビとナルトの”尾獣”のチャクラの質=”人柱力”の組成が似通っている…と言う事です。ナルトは自来也の「胸騒ぎ」での提示で、九尾の陽のチャクラのみを封印される形式である事が判明していますので、…と言う事は…です。キラビもナルトと同じように八尾・牛鬼の力を陰と陽に分離した後、陽のチャクラのみを封印された形式の”人柱力”であった…提示ではないかと考えられないでしょうか。そして、それが「八尾のチャクラをキラビに残すためだ」だったからなら、非常に面白い…(メガネ…クイッ)。

雲隠れには先に”暁”に拉致られた二尾・ユギトもいましたが、”尾獣”の管理においては先進国とも言えるノウハウを持っていたように感じます。尾獣化のコントロールなどはユギトもキラビも任意でしたし、暴走する事も無く完璧に”人柱力”の意識が”尾獣”の力をコントロールしていたのは描写からも明らかです。キラビに至っては、コントロールと言うよりは、共闘…或いは連係…否…戦友とも言えるツーカーな関係が存在し、ほのぼのとしている…とも感じたキラビと八尾の会話には思わず目頭を押さえたものでした(笑)。

「……そろそろ
時代が動くかもな…」(八尾)

で、その八尾・牛鬼が蛸足分身でサスケとマダラ(トビ)を欺いて存命していたキラビと、良い感じに語らう第419話「襲来!!」(この時、木ノ葉はペイン六道が強襲を開始してエライ事になりつつあったんですけどね…)で言う”意味深”で加速することになります。これは八尾がサスケの写輪眼に対して危惧したリアクションであったと、僕は考えています。そして、それは雷影が見せた憤りと同質であったとも感じます。そして、この考えは「柱間→雷影→ミナト」と連なる”尾獣”の管理の共通性に光を当てるものだと考えます。



一方、「五影」と世界の関係。その中でペインがどんな風に作られて行ったのか?どんな風に生まれたのか?そして、それが世界にどんな影響を及ぼしているのか?ペインとは何なのか?そこんところをちょっと掘り下げて考えてみましょう。ペイン襲来で天道が綱手の司令塔の屋上で例のネッチリとした目つきで対談をぶちかましたところです。ペインの視線が嫌らしく綱手に纏わりつく様を想像しながらご賞味下さい(笑)。

「人柱力はほぼ狩り終えた
尾獣による忍び里のパワーバランス
今や均衡を保ってはいない

今、九尾を庇ったところで無意味だ…
直に争いが始まる
戦争の火種はあちこちにくすぶってる

そして我々がその戦争をコントロールする
我々に協力すれば助けてやるのも吝かではない
この状況…我々の力も分かったハズだ」(天道)

五影をなめるな!
我々の先代達が求め
そして維持しようと努めてきた安定
崩そうとするお前らテロリストが
何を言っても無意味だ!!」(綱手)

第428話「対談!!」で、ネッチリとし視線を綱手に絡ませる天道(もう、セクハラですよ!!嫌らしい!!自来也が怒りますよ!!…笑)に綱手が「五影」と言う言葉を使っています。綱手の言い分は、五大国のこれまでの里影=「先代達」が世界の安定に腐心し、戦争ばかりしていたようだけど、実はそれも平和を求めたが故の”必要悪”であったと反論している訳です。そして、先に雷影がキラビの誘拐事件に際して提言した「五影首脳会談」がそれに同調するとすれば、五大国支配の前提で「安定」や「平和」を真剣に考える態度があったと思います。

ペインの本体であろう長門は雨隠れの難民で、小国の立場で、しかも末端です。その立ち位置と五大国の首脳である里影とは正に対極とも言える立場の違いがあります。それはまるで巨大な像が寝返りをうつ事で踏みつぶされる蟻にも似ていて、双方とも声が聞こえるべくもない絶望的な隔絶がそこにはあります。だから、長門にすれば五大国は完全な悪だし、逆にその不平や嫌悪感は五影ら五大国の首脳には決して届かない虫の音に等しい…。それが両者の決して相容れない距離であり、利害関係すら成立しない歯痒さがあるのだと思います。

「私たち大国も痛みを受けてきた
言いがかりを付けてこんな事をするのはやめろ!」(綱手)

笑止……」(天道)

第429話「痛みを」のやり取りが正にそれで、綱手と天道の意見は決して交わる事の無い無理問答に近かった…。どちらかと言うと、天道の方が綱手の意見に聞く耳を持たない…と言う雰囲気で、最後は綱手の言葉を「笑止」と切り捨てて、木ノ葉を超特大の神羅天征で圧壊させてしまいます。綱手的には小国の辛さ=大国の理不尽も想像できる旨の意見は持っているんですが、長門にはそれが全くない。そこには”道理”と言う想像力が欠如しています。そして、この二人の絶望的な距離感に長門の本質が潜んでいると、僕は考えています。

綱手の後ろめたさすら感じさせる対応の裏には多少なりとも長門たちのような理不尽な暴力の犠牲になった人々に対する罪悪感があるように思います。それは大きな像が寝返りをうったらどうなるか?を考える事ができる想像力だとも言えるでしょう。そして、それが天道(長門)には欠如している。そして、大した力は手にしただろうに、その意識は明らかに矮小(わいしょう)だと言わざるを得ない。長門にあるのは恨みや不平不満の数々…つまり、長門は痛みの解決を願うのではなく、痛みを与えることで気を紛らわせる”クレーマー”に過ぎない訳です。

(あの形状
あの波紋模様…!
信じられん…!

あの眼…
三大瞳術の中でも
最も崇高とされる眼…

輪廻眼…!!)(自来也)

自来也は岩隠れの中忍を殺めた長門に輪廻眼を見出します(第41巻/62頁)。それで、本格的に三人の難民に忍術修行を付ける決心をしたとも思われます。これは大ガマ仙人の「予言」の「安定」と「破滅」に符合する「輪廻眼神話」に基づく自来也の判断だったものと思います。そして、この判断には大ガマ仙人の刷り込みにも似た意図を感じます(苦悩⑥参照)。結果、長門は「予言の子」となり、「予言」の一方である「破滅」を受け持つ存在になるのです。しかし、その「予言の子」が何故か”暁”に居る……(汗)。

「いよいよだ…
我らが目的を達成するのもあと僅か…
そうなれば全てが本来の形に戻るのだ…
写輪眼の本当の力が…
このうちはマダラの力が…」(マダラ)

「また空が鳴き出した…
ペイン…アナタ…」(小南)

一応、ペインは”暁”のリーダーだと言う事になっているものの(第40巻/94-97頁)、マダラ(トビ)を目の前にした天道の無力感。それが降らせるであろう雨脚が小南を心配させ、それに無言で俯(うつむ)く…天道がマダラ(トビ)のパシリである事実を窺わせました。明らかに、マダラ(トビ)はペインを管理下に置いています。言い方を変えると、マダラ(トビ)は「予言の子」を手駒にしているのです。そして、それは”暁”と言う組織をベースにしていて、立ち上げ時期は不明ですが、イタチの証言によれば、かなり古くから存在していた筈です。

時系列では”長門・小南・弥彦たちの死(MIA)→ミナト弟子受け→四代目火影→九尾事件”だと思われます。自来也は紛争で散った長門たちを見切り、次なる予言の子を求めてミナトに出会った筈です。また、自来也の情報網や情報収集能力を加味すれば、長門らの戦死の誤認には”暁”の情報操作が関係している可能性は高く、明確な意図をもってマダラ(トビ)が、この時期に長門を拾い上げ、輪廻眼の能力を利用してシステムペインを構築したのではないか…と、僕は仮説っております。

システムペインの構築がマダラ(トビ)に依存しているのであれば、ペインが大した力を持っているにも関わらず、マダラ(トビ)に服従する理由が出来る(笑)。例えば、高周波チャクラの送受信や、チャクラの発生源をマダラ(トビ)が牛耳っていると考えれば、ペイン(特に天道)がやや卑屈にマダラ(トビ)を直視しない雰囲気があるのが解せます。そして、そのやるせなさを小南が繕おうとしてるように見え、それをペインが邪見に感謝してると考えれば、「長門の病状」が知れる…(笑)と、僕的には非常にしっくり来ます。



仮定の仮定(滝汗)ではありますが…自来也が見出し、生きるスベとして忍術を与え生かした血継限界…輪廻眼。それを”暁”に取り込んで利用しようとしたのがマダラ(トビ)でしょう。輪廻眼のレアな血継限界…それが規模は小さくとも雨隠れの里と合わさる事で、システムペインと言う兵器を生み出す事ができた…それを実現する為の政治力…それがマダラ(トビ)のアイデンティティでしょう。今あるマダラ(トビ)とペインの上下関係を観察すると…マダラ(トビ)のパシリ的な…がそれを如実に物語っていて、ペインの存在がマダラ(トビ)に依存してるような無抵抗感がペイン(天道)には見て取れます。

そして、ペインが綱手に示した苦情(コンプレイン)が、極めて後ろ向きで、私怨に近い「言いがかり」だったのは、ペインがマダラ(トビ)の単なるパシリに甘んじる矮小さに起因し、それを綱手が見透かした結果であったとも思え、「予言」などと大層なお題目はあるものの、それをも飲み込むもっと大きな潮流の存在を感じさせるのです。ぶっちゃけ、ペインの”暁”での立場(あまりにも独り立ちできてない感が否めない…ちゅーか)を考えるなら、マダラ(トビ)の政治力や組織力を感じさせる戦略は「予言」への便乗…マダラ(トビ)の目的達成に向けたミッションの一つに過ぎないでしょう。

ミナトは何か重大な事実を知っていて
その事実のために九尾の力を我が子に
託したのだとしたら…」(自来也)

「………考えすぎじゃろ」(ゲロ寅)

それらが自来也の「胸騒ぎ」に繋がるんじゃなかろうか…(第41巻/20頁)と、僕は考えてる訳です。恐らく、自来也は大蛇丸を探る過程でこの疑念の一端に触れ、直ぐさま、大蛇丸に関係する”暁”にもその追及の手は及んだ筈です。そして、その”暁”を調べれば、”暁”が”尾獣”に興味を示し、その収集に動いていた事には気付いた…と思われます。しかし、小南や長門(弥彦)が”暁”で活動してる事を自来也は知らなかったようなので、多分、この辺までが自来也の持ち得た情報だと、僕は考えています。自来也には「予言」による思い込みと、妙木山の介入(フカサクやシマ)による行動の規制(ある種の不自由さ)があったのではないかと思います。そして、それが妙木山の持つ「善意」に対する自来也の仁義だったから、ややこしいお話になるのだ…と、僕は思う訳です。


一方、ミナトはと言うと…

「四代目がこの術(螺旋丸)を完成させるのに丸三年…」

螺旋丸の開発に3年(第17巻/140頁)。これと自来也に師事した修行時代がほぼダブる期間であったと考えると、ミナトが10歳代前半で自来也の手を離れ、ピンでブイブイと言わせて神無毘橋の闘いの数年前にはカカシやオビト、リンを弟子受けしただろうことから想像すると10歳代中盤で上忍に昇格していた公算が高いと思われます。それに、20歳代前半で火影に登り詰めたミナトですから、師匠の自来也もかなりの早期に追い越してた筈です。

そもそも、自来也がミナトから多くを聞かされていなかった事実があるから、自来也はミナトが「何か重大な事実を…」となる訳で、ミナトの秀逸な才能と、卓越した能力により早期に自来也の手を離れ、お互いを認め合う関係に移行していた距離感があったのだと思います。そして、ミナトは自来也に多くを語らず、独自に行動し、自来也の行動にも干渉しなかった…自来也の醸す雰囲気からは、完全に独立したオトナの関係であったと想像できます。

これまでの描写では「予言の子」は一切の説明を受けず、正しい成長を遂げなかった…と、妙木山(自来也)が判断してしまった場合、一方的に消去されて来たようなので、ミナトも「予言」の詳細の告知は受けなかった筈です。ミナトは強くて優しくて根性が筋金入りで、あっさり火影になってしまった…どう見ても正しい成長を遂げていましたから、ミナトは自来也が殺さなくていい弟子=「正しい成長を遂げた予言の子」だったと、内心、自来也は安堵してた筈です。

問題は三代目の走馬灯の自来也とミナト…その横に居る黒めがちの女の子と、ちょっと小太りの男の子でしょう。勿論、この二人も「予言の子」ですから、登場しないと言う事は何かの事情に拠って死んだ…と言う事になると思います。そして、その事情の中には自来也による消去も含まれている訳です。もし、ミナトが「予言」の存在に気付く可能性があるとすれば、この描かれない二人の弟子であろうと、僕は考えています。もし、この二人を自来也が「消去」したのだとしたら…です。

ミナトは自来也の「裏の顔」を知っていた…。

その可能性は充分あると思います。もしも…の場合の同期の死因に疑問を持ったミナトが調べたとすれば、自来也の「選択者」としての苦悩にも気付いたと思います。その時は当然、自分の立場も判った筈です。ま…その可能性の一部始終は「自来也の苦悩④・⑤」で分析した通りです。ミナトが自来也を止めなかったのは、自来也の役割を尊重したからで、ミナトはミナトで自分の役割を為す…独善的に他人を判断したりしない!!「予言」や妙木山に対する痛烈な批判がそこには潜んでいた筈です。

自来也が第一部と第二部の間の2年半、ナルトと二人きりで旅をしながら修行したのは、九尾の暴走やら何やらの事情があったとは思います。ま…こんなことはないとは思いますが、自来也はナルトだって殺してしまわねばならない可能性もあった訳で、修行と言いつつも、半ば監視にも似た…ナルトの観察も同時に併せ持った可能性もあった訳です。自来也が「おまえを弟子にして良かった」
(第416話「ド根性忍伝」)と漏らしたのも、それが杞憂であったと、安堵したのであれば、自来也がナルトに見せた笑顔も味わい深いなぁ…と、今更ながら目頭が熱くなります。

そしてミナトは「九尾事件」で戦死します。まさに閃光のような人生をミナトは閉じる訳ですが、屍鬼封尽と言う自爆技を使ってまで、ミナトは生まれたての我が子に九尾を封印して逝かねばならない事情があったのです。これまでにない安定をもたらす…「予言の子」であろうミナトが、自分の命よりも九尾が重いと判断したからこそ、ナルトに九尾を託したのであって、それが「無意味なことはしない…」(41巻/19頁)と、自来也が太鼓判を捺すミナトの行動であればこそ、重大な意味を帯びて来るのだと思います。それがまさに自来也の「胸騒ぎ」の始まりであったものと思います。


『NARUTO -ナルト-』の終盤に向けて…

忍界の騒動の中心に”尾獣”が在る!!

千手柱間の”尾獣”を用いたミリタリーバランスの構築。先代たち、五影が求め、維持しようと努めて来た「安定」。凶悪なチャクラ兵器である”尾獣”を人の中に閉じ込める”人柱力”の持つ本当の意味。そこから導き出される九尾の鹵獲(ろかく)…それが「九尾事件」の真相(「九尾事件」終末⑤参照)だとすれば、ミナトは”暁”の目論み…恐らくはペインの言う「禁術兵器」を製造する為の暗躍…を未然に阻止する行動に出たのだと言えるでしょう。特に九尾は「”九尾”は最後に封印しなければ…」(鬼鮫)(39巻/69頁)でも判るように、九体いる”尾獣”の「最後の鍵」(うちはのアジトの壁画)とも言える存在でしたから…。

禁術兵器の設計図

そして、”暁”に対して猛烈に敵意を示す雷影や、雲隠れの”人柱力”の成熟度を考えれば、千手柱間の意向に添う政策の継承も感じます。また、雲隠れでキラビを拉致したうちはサスケ=写輪眼の存在を取り上げ、危機感を募らせる雷影の機敏さには、最悪の事態に対する想定もあったと思います。同じように、キラビの盟友とも言える八尾・牛鬼の「そろそろ時代が動くかもな」(第419話/「襲来!!」)とする意味深な発言も、雷影が抱いた危機感に非常に近接したものであったように思います。具体的には”尾獣”を分散して”人柱力”に保管する千手柱間の思惑に相反する”暁”の尾獣集めに対する懸念でしょう。

補足:非常にややこしいのは、ミナトがやった事と、イタチがやった事が非常に似ている点で、これは「終末の谷の決闘・終撃」に収録の予定です。また、マダラ(トビ)の行動と「自来也の苦悩」が重ならないのも実は重要で、それをして僕は、妙木山の「予言」が忍界全体に対して見た場合、他愛無い行事(シマが言う「戯言」)であると考えるのであります。マダラ(トビ)は自来也が見出し助けた輪廻眼を利用したのだと思います。その意味でのマダラ(トビ)の「便乗」であり、ミナトの「九尾事件」はマダラ(トビ)への対抗措置で、同時に「終末の谷の決闘」への布石でもあった…非常に周到な”二重の配慮”であったと、僕は考えています。

まさか!!…第四次忍界大戦…勃発!?

”暁”はマダラ(トビ)を筆頭に暗躍するテロリストの小組織と言う触れ込みでしたが、少なくともシステムペイン絡みで雨隠れの里が組み込まれた巨大な組織ですし、そこに「元水影」(44巻/26頁)であるマダラ(トビ)が絡むとなると、大国の同盟関係にも似た関与・連携が視野に入って来ます。これでゼツが岩隠れと関係してて…なんてなってくれば、五大国は「木ノ葉・雲・砂」と「霧・岩+雨」に二分される想定も浮上してきます。しかも、「禁術兵器」などと言う危険な火種を抱える…一触即発の状態です(汗)。そして現在…その”暁”が八尾と九尾を除いて手中にしました。

それに木ノ葉隠れなどはペイン六道にほぼ壊滅状態にまで追い込まれてるし、このまま全ての"尾獣"を集められでもしたら…ミリタリーバランスどころではなくなります。勿論、そこには隠れ里クラスのチャクラ支援があればこその力量だったとも思いますが、それを構築する技術力も含めた”暁”の戦略性は見逃せません。そして、その中核に居るマダラ(トビ)の思惑が今後の忍界の騒動の行方を左右する…って言うか、騒動の張本人として力強く世界を牽引して行くと考えています。マダラ(トビ)がどれ程、「禁術兵器」に期待してるか…それ次第では世界の荒れ方(壊れ方)も変わって来るのでは…と、僕は思います。

「答えが見つからんかった時は
その答えをお前に託すとしようかのォ!」(自来也)

<シュビッ>「オッス!!
エロ仙人の頼みならしかたねーってばよ」(ナルト)

第416話「ド根性忍伝」で、自来也はナルトにそう言い残しています。ぶっちゃけ、自来也も自らの「苦悩」の答えは見つからなかった訳だ…(答えが見つからないから「苦悩」なんだってばよ)。それは、妙木山と言う恐ろしく高純度な「善意」=「予言」との出会いに起因していました。そして、それに答えられる度量や能力、知力を自来也が持ていたから、さぁ大変…優しく生真面目な自来也は以来、「予言」と共に生きる事になってしまうのです。しっかり、その両肩には二大仙人と言うお目付役を乗っけて…。「融合」を前提とする”仙人モード”とは強力な”力”と引き換えに、妙木山に拠る行動や思想の監視や規制と言った(悪意は無いにしても…)”自由”を奪う危険なシステムであったとも言えます。

だから、ナルトの中の九尾がフカサクを拒絶した…。

恐らく、それがミナトがナルトに九尾(八卦の封印式)を封じ込めた理由の一つでしょう。人は汚れた部分もあるし、邪な気持ちだって無い訳じゃない。しかし、一方では清らかで温かい優しさや思いやりに溢れた生き物であります。清濁併せ持つ姿こそ”人”なのです。純粋な「善意」だけでなく、例えようもない暴力や欺瞞、妬み…と言った「悪意」を併せ持ってこそ、その対比に拠って物事を判断していられるのです。妙木山の「予言」とは、”人”の考えの在り方自体を否定してしまう危険を持っていたと言えるでしょう。そして、如何に「善意」…善かれと思って…であろうとも、他人の考えや生き方を勝手に否定して、ましてや、それを理由に殺してしまうなどと言う権限を誰一人として持ち得ません。

『どうするか…
自分で考えることだ』
(自来也)

第373話「師弟時代…!!」で、自来也が長門に言った「成長とは…」ですが、結局、あれは自来也の悲鳴にも近かったかも知れません。正しい、正しくないなんてのは自分で判断すれば良いのです。他人がそれに口を挟むからややこしい事になる。争いが起こる…。そうしない為に自分で考える必要がある…それを自来也は訴えていたと思います。ただ、自来也は優し過ぎた…。妙木山の極めて純粋で濃厚な「善意」を拒否できなかったのです。ま…それも判る。って言うか、それが自来也だから。しかし、そんな大きくて、強くて、温かくて、優しくて、賢くて…そして、かなりエッチな自来也が居たからこそ、ミナトが居て、ナルトが居るのです。

「自来也の苦悩」…それと向き合ったミナトが解決策を命懸けでナルトを託した…。まるで人が地球の引力を脱し、新たなる世界…宇宙に夢を馳せた”月ロケット”が多段式だったように、時代を動かす偉業が如何に大変かを物語っているかのようです。また、何事も一朝一夕にはならない辛抱を、かの忍道…「諦めないド根性!!」…として伝え育んだ深慮遠謀が、混沌の中で激しい胎動を繰り返す忍界を善き方向に導くものと信じたいです。そして、妙木山のお節介(100%善意の善かれと思ってなんだけど…)が載るのではなく、自来也とミナトの想いを、その双肩に託されたナルトが、人々に希望ある未来を指し示せる事を心から願います。

ナルトの「これから…」を、僕は見守りたい…。

「自来也の苦悩」・終(つい)
ナル×ジャン ケルベロス


  

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