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「自己紹介」(まっカカ…其の弐)


「ここがナルトの家ねェ……」(カカシ)

「そうだ」(三代目)

(…この牛乳
かなり賞味期限が過ぎている…)(カカシ)

まぬけな奴だが
お前に見張らせるのが一番だ
お前は鼻がきく
それからお前の受け持つ班には
例のうちは一族のサスケもいるぞ
健闘を祈る!」(三代目)

「了解(こりゃ
大変なことになりそうだ…)
」(カカシ)

カカシの初登場シーン(第1巻/107頁)。三代目と共にナルトの居室に赴いて世間話でもないでしょうから、ここはやはり「…という事でだ…」(綱手)(第32巻/83頁)の暗部のテンゾウをヤマトとしてナルトのお目付役に徴用した一件と重ねて考えるべきじゃないかと、僕は考えます。つまり、カカシもこの時点で暗部から三代目の勅命(ちょくめい)で起用されたとするもので、登場当初のカカシの怪しい態度や険しい目付きなどが直前まで血で血を洗う暗部の激務に塗れたカカシの余韻だったんじゃないのかな…と考えています。もしかしたら、カカシの体からは血の臭いが、それこそプンプンと漂っていたかも知れませんね(黒笑)。

それとは別に、ヤマトに関しては更に深読みがあって、綱手がダンゾウ(根)を意識した上での暗部から取り立てたヤマトの存在感に如何ばかりかの期待を込めて書いた「テンゾウが先か?ヤマトが先か?」があります。いみじくも木ノ葉の人柱力=ナルトのお目付役としての重責を与える以上は、綱手が言うように「私が信用できる数少ない忍だ」(第32巻/32頁)、ヤマトがその虎の子の一人だったのではないか…と言うのが僕の読みです。ぶっちゃけ、ヤマトが先で、ダンゾウの思惑に打ち込まれた楔(くさび)…二重スパイだったら良いな…的な「考えすぎなのでは…」(ヤマト)(第32巻/85頁)な考察なんですけどね(笑)。


「そうだな…
まずは自己紹介してもらおう」(カカシ)

「…どんなこと言えばいいの?」(サクラ)

「…そりゃあ
好きなもの嫌いなもの…
将来の夢とか趣味とか…

ま!そんなのだ」(カカシ)

「あのさ!あのさ!
それより先に先生
自分のこと紹介してくれよ!」(ナルト)

「そうね…
見た目ちょっとあやしいし」(サクラ)

「あ……オレか?
オレは”はたけカカシ”って名前だ
好き嫌いをお前らに教える気はない!
将来の夢…って言われてもなぁ…
ま!趣味は色々だ………」
(カカシ)

「ねェ…結局分かったの…
名前だけじゃない?…」(サクラ)

…で、カカシがナルト・サスケ・サクラの三人に対面した直後に件の”自己紹介”の場が設けられます(第1巻/113-114頁)。三人ともカカシには多少なりとも違和感があって、それに対する三者三様の対応を取っています。三人にとっての大人とは、この時点ではイルカが一番身近なサンプルでしたから、カカシの得体の知れなさは無意識に三人の警戒心となって行った事でしょう。特にサクラは女の子らしい鋭さがあって、カカシを「怪しい」と指摘しています。ナルトがカカシにトラップで悪戯したのも、サスケがクールにカカシと距離を置き観察してたのも、偏(ひとえ)に本能の成せる業だったんだろうな…と思います。

多分、カカシは第七班編成の直前まで暗部で血みどろの任務に首までどっぷり浸かっていて、ホントに血の臭い(ホントは臭いは消してるだろうけど、雰囲気ね…雰囲気)が漂ってたんじゃないかと、僕は考えます。そして、それを子供達の無垢な感受性は見逃さなかった…。カカシは三人の警戒心を何とか解こうと必死になっていたんじゃないでしょうか。それがこの描写の周辺の昼行灯な雰囲気とか、意味不明の「名前だけしか…」とサクラが機敏に突っ込むような”自己紹介”だったんじゃないかと思います。でも、ま…カカシは上手くイルカとは違うオトナなキャラを三人に認めさせる事に成功するのです。

ここでカカシはきっぱりと”お前たちとオレは違う”を見せた訳です。それが…好き嫌いとか将来の夢とか趣味とか…自分から訊いといて、自分は名前しか教えない…カカシの”自己紹介”だったのだと思います。現実でもオトナは公然とお酒も飲めるし煙草も嗜める。クルマだって乗れる。いかがわしいお店にだって…<ゴフォッ>…と、まあ、かなりの特権を有しています。しかし、それは権利とバランスする義務をクリアした上のもので、オトナとコドモは決して対等でありません。カカシは自分から目線を同じにするある意味、卑屈な手には出なかった訳です。オトナとコドモをキッパリと別けて、ズバッと見下したんですね。

しかし、それが嫌悪感を帯びなかったのはカカシが毅然としていたからでしょう。だから、見下すにしてもカカシは目を逸らしたりはしませんでした。自信の無い大人はコドモを直視できませんから。コドモは体が小さくて力が無いだけで、子供の心の中にはちゃんとオトナが居て、大人の言う事ややる事がどんな事なのか大体判るものです。誰もが、それをきっと子供の頃に感じた筈です。ただ、それを自分が大人になった時に忘れてしまうだけで…夜中に親が別の部屋で言い争いしてるのとか、必死に隠していても仲が悪かったりしたのがバレバレだったり…(滝汗)。カカシに接した三人にはカカシの人間味が良く判ったのだと思います。

そして、三人は信頼した…カカシを好きになって行った…。

僕にも誠に遺憾ながらナルト達のような無垢な少年時代があって、ちょっとヤンチャでオマセなクソガキでしたっけ(笑)。今のご時世では余り無いだろうけど、僕の子供時代には近所の年上のお兄さんやお姉さんが遊びに付き合ってくれるのが普通でした。近所には空き地があって、そこで野球(ゴムボール)とか鬼ごっことかして遊んだ記憶があります。子供の頃、年上のお兄さんやお姉さんと遊ぶのはホントに楽しかったです。親とは違った不良な感じや不思議な親近感があったり、カッコ良かったり、走るのが速かったり、腕にはすっごい力こぶがあったり…。そして、カカシの登場は、それとすっごく似ています…<キュンキュン>しちゃう…(遠い目…)。



ナルト「火影を超す!!」(なかなかおもしろい成長をしたな)(カカシ)

サスケ:「一族の復興とある男を必ず…殺すことだ」→(…やはりな…)(カカシ)

サクラ:「嫌いなものはナルトです!」→(忍術より恋愛だな)(カカシ)

そして、カカシの”自己紹介”は三人の本心の”自己紹介”を引き出します(第1巻/114-117頁)。カカシがオトナとコドモの一線を明確に示してくれたから、コドモはその一線を目印にして、その中で自由に振る舞えたのです。カカシと言う偉大なオトナが居るから、三人はコドモとしての自分を曝け出せた…無防備になれたのです。これを成し得たのは、カカシの持つ”人徳”…カカシが永々と積み上げて来た行い。重ねて来た年月。その重みや渋みがあったればこそ、子供が持つ無垢な警戒心や直観を納得させ、その信託を得るに足る堅牢な人間味を作り上げた…である事を、この際、大人は認める必要があるでしょう。

そして、この子ら三人がカカシを好きになるように、僕らも同じようにカカシに自然と魅せられて行った筈です。きっと、カカシが示すオトナが、僕らの中に眠るコドモ…大人になる時に、何故だか忘れてしまう子供の心…を目覚めさせてくれたのです。だから、カカシがナルトに感じた(なかなかおもしろい成長をしたな)で見せた…何とも言えない眼差し(第1巻/115頁)に僕らまで<キュン>となれるのです。それはカカシの体中から臭ったであろう…血の臭いすら掻き消すほどに…強烈でありながら極めて静粛に…ナルト・サスケ・サクラ…三人が”一人前”を目指して羽ばたく足場を、このエピソードのカカシのオトナな”自己紹介”が固めた…。

しっかりしたオトナがいれば…
コドモが子供らしく居られる…

まったく…カカシってヤツは…(其の弐)



第437話「告白」 | BLOG TOP | 「まっカカ」について(まっカカ…其の零)

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