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ナルトは何故、自来也を”先生”と呼ばなかったのか?


エロ仙人
本当の意味で理解し合える
時代が来るって……
信じてるって言った」(ナルト)

「……」(長門)

「その話をしてくれた時
…オレは適当にしか聞いてなくて…
オレにそのやり方の答を託すって
言ってくれたのが……
ただ弟子として認められたみたいで
嬉しかっただけだった」(ナルト)

「今になって…
やっとエロ仙人の言ってた意味が分かる
そんな簡単なもんじゃねーんだって…」(ナルト)

「だがオレを許せない事に変わりはないはずだ
キレイ事で許せるほど人の愛情は安くはない」(長門)

「ああ…
確かにその通りだってばよ」(ナルト)

自来也先生
言っていた事は
時代遅れの理想主義だ
現実は違いすぎる
お前はオレを倒し
忍の世界を平和にしてやると
言っていたハズだが?
それは建前
己の自己満足のための
復讐だとしても
それがお前の正義ならそれでいい
…お前は神じゃない」(長門)

第444話「答」で、とうとうシステムペインの本体である長門と対面し、望み通り長門との対談に辿り着いたナルトですが…そのメチャクチャ重大な話し合いにおいてもナルトは自来也を”エロ仙人”と呼びました。長門はしっかりと”自来也先生”と呼んでいるのに…でも、ま…長門もそんなナルトに突っ込みを入れないのはオトナだからかな…と思いつつ、僕はこの語らいを見ていました。これまでナルトは自来也を一度たりとも”先生”とは呼んでいません。自来也は正式にナルトを弟子受けし、ナルトを弟子と認めています。ちゃんとした師弟関係が存在するのだし、カカシやイルカは思いっ切り”先生”と呼んでいます。なのに…ナルトは頑として”自来也先生”とは言いません(笑)。それは何故か?実は今まで書きたくて仕方なかったお話の一つなんです。「ナルトは何故、自来也を”先生”と呼ばなかったのか?」…僕と一緒にナルトと自来也の心の奥底に潜って下さい。


「あいや、しばらく!!よく聞いた!(自来也)

「な…なんだそのでっかいカエルってばよ!?
お前、いったい何者だぁ!?」(ナルト)

「妙木山蝦蟇の精霊仙素道人(せいれいせんそどうじん=仙人?)
通称・ガマ仙人とお見知りおけ!!」(自来也)

「せ……仙人…!?」(ナルト)

「おい!コラ!エロ仙人!
どーしてくれんだってばよ!」(ナルト)

女湯を覗く自来也がエビスをノックアウトした事で、ナルトの修行を引き継ぐ形になった…(第11巻/8-9頁)。恐らく、自来也の意図的なナルトへの接触であったと思いますが、これが二人の出会いでありました。エビスを一蹴した自来也は何気にカッコ良いんだけど、やってる事が単なる覗きでナルトにしてみれば、「ムッツリスケベ(=エビス)が負けた?な…何だってばよ!あのオープンスケベ(=自来也)はぁ!?」(第10巻/175頁)と、この時「自来也=エロ」の図式が成立してしまった感はありました。ま…自来也も「ただのスケベではない!ドスケベだ!」(第11巻/14頁)としていて満更でもなかったようです(笑)。その後直ぐに「と…まぁ それは冗談として…修行は見てやる」と切り返して、導入部分での「エロ」が自来也の意図した「枕」であると示したのが、物書きっぽい演出だな…と、個人的に刺さりました(笑)。ま…この接触でいきなり、自来也はナルトにとっては「エロ仙人」として定着してしまった訳です。

「オレの歳なら
イタズラっ子で済んでも
オッサンの歳ならそれカンペキに
犯罪だってばよ!」(ナルト)

ナルトの性欲は、おいろけの術なんかで女体の高度なトレースは出来るのに実際の行動(アッ…☆☆);が伴わなかったり、女の子と言えばサクラに限定された興味で極めて指向性が高く、ナル×ジャン的には八卦の封印式のフィルタリングによって歪められている想定がガチであります(笑)。しかし、良い歳こいた自来也が覗きってのも実にアレな話で(第11巻/10頁)、その嗜好の奇跡的な一致が自来也とナルトのジェネレーションギャップを絶妙に埋める結果になっていて…自来也ほどの地位と名声があれば女には困らなかった筈なのに、ある意味…自来也も歪な性欲の発現があり、それが綱手に対する自来也の一点買い的な想い(綱手のフィルタリング=自来也の自主規制)である事を子供のナルトが知る由もなく…結果的にどっちも歪で同質とも言える「エロ」であって、それを触媒にして二人はキレイにシンクロした訳です。


「コレだ!」<バン>(自来也)
【イチャイチャパラダイス】

「あー!それってばぁー!」(ナルト)
【カカシ&イチャイチャのイメージ】

「お!お前知ってんのォーコレ?」
(かなり有名になったのォー!)(自来也)

「知ってんぞ!!
それロクな小説じゃねーだろ!!」(ナルト)

ところで、自来也が取り出した「イチャイチャパラダイス」にナルトが思いっ切り食い付いていましたね(第11巻/9-10頁)。ナルトにはカカシがイチャイチャを<フフフ>と読むイメージが浮かんでて、エロが好きな筈のナルトが禁忌にも思う行いとして回想されています。これがナル×ジャン的に言うところの八卦の封印式のフィルタリングなんですが、もしかしたら、カカシは自来也をサブリミナルにナルトに提示してたのかな…と今にして思えたりもします。「イチャイチャ」とは自来也の綱手に対する妄想百科事典でしたから…ぶっちゃけ自来也の生き様(←これが自来也の生き様だったのか!?笑)ですよね。それをカカシがしげしげと読むシーンを見せたのは、いつの日かこうして出逢う運命にあるナルトと自来也の前フリだったんじゃないかと…やはりブスブスと黒い気持ちが湧き上がって来ました…あぁッ(☆☆)いけない!!(笑)(閑話休題)。



「ねえ!ねえ!エロ仙人!
一体 今度はどんな術教えてくれんのォー!?」(ナルト)

(…エロ仙人…)「お前…
ワシがすっごい人だって知らねーだろ…?
いいか………」(自来也)

「蝦蟇の仙人とは仮の姿!
何を隠そうこのワシこそが!
北に南に東西!
斉天敵わぬ三忍の白髪童子蝦蟇使い!
泣く子も黙る色男!
"自来也様"たぁ~ワシのことよ!!」(自来也)

「………ふぅ~ん………」(ナルト)

もっとも…自来也が「エロ仙人」とナルトに定着してしまった事は些か後悔している様でもありました(笑)(第16巻/171-172頁)。それを挽回すべく自来也が見得を切るんですが、あまり難し過ぎてナルトには理解不能でした。やはり、ナルトとシンクロする為にナルトの「歪な性」に注目した自来也の戦略は秀逸で、ナル×ジャン的に考える八卦の封印式の組成…つまり、クシナのフィルタリングに関して自来也が知っていたからではないかと感じてしまうところです(笑)。ちなみに、この見得切りで自来也が使った「斉天」とは西遊記の孫悟空の作中の「称号」であり正確には「斉天大聖」(せいてんたいせい)のようです。そして、それがもしかしたら三代目(猿飛)に対するオマージュだったかと思うと泣けます。

奇しくも大蛇丸の木ノ葉崩しで戦死したヒルゼンの葬儀の後、間髪入れないイタチと鬼鮫のツーマンセルが木ノ葉強襲があった落ち着かない状況で、自来也はヒルゼンの死を演習場で噛み締めた以外は悲しみを反芻する暇などなく、ナルトを随伴した綱手捜索任務に出る折に、ヒルゼンに対する想いが堪らず漏れ出したのであれば、その男気には敬意を示したいです。自来也が描く隈取りが人前で涙を流せぬ自来也の代償行動である事など、心の片隅にも無い子供のナルトにとって、自来也の慮りの全てを理解する事など到底叶わない…ま、自来也もそれを解った上で見得を切るのはほとんど自慰に近い行動でもあり、その交わらない地平を「エロ」によって繋げた自来也の考えは秀逸と言わざるを得ません。でも「エロ仙人」はちょっと…と自来也が困り顔の場面もあって(笑)。



「この男、自来也!
女の色香にホイホイ
付いてくよーにゃできとらんのォ!!
ワシぐらいになれば
己の色香で女がはしゃぐ!!」(自来也)

「…………」(ナルト・イタチ・鬼鮫)

「女の人のウィンクなんて
ベタな攻撃で興奮したくせに!
カッコつけてるバヤイかぁー!
このエロ仙人!!」(ナルト)

「だから人前で
その呼び方はやめろっての!!」
(自来也)

…で、そのすぐ後のイタチと鬼鮫がナルトに接触を試みた折の自来也の見得切りにナルトだけなら未だしも(第17巻/48頁)、鬼鮫やイタチまでが自来也の見得(見栄っ張りの見栄だったのか!?笑)に無言で反意を示していました(笑)。もっとも、イタチや鬼鮫はオトナですから、それを人前で窘めるような事はしませんが、ナルトは違います。思いっ切り自来也の痛いところを突くんですが、自来也はそこではなく「エロ仙人」に反応してる…(笑)。多分、イタチには聞かせたくなかったんだろうな…と思います。僕はこの後、自来也が出す「忍法・蝦蟇口縛り」(第17巻/64頁)からワザとイタチと鬼鮫を逃がしたと考えてるんですが、この接触においても自来也とイタチは何らかの情報交換があった筈で、ここは黒くなれと言われれば何ぼでもズブズブに…(笑)。

イタチは任務として木ノ葉を抜けた訳で、”暁”に所属するのもヒルゼンの了承があった筈です。それを自来也が示唆されているか、もっと積極的に伝達されていた可能性は高く、当初は自来也が”暁”の黒幕で…なんて考えたりもしてましたし(笑)。その時は描写がまだ揃ってなくて雑然とした妄想に過ぎませんでしたが、イタチの生き様が何だったのかが明かされた以上は、自来也がその行いを阻害する方向に力を使う事は寧ろ不自然であり、この時、イタチに一方的にフルボッコにされるサスケ…鬼鮫が「容赦ないですね…」(第17巻/59頁)と言うほどの…に全く邪魔しなかったのと非常にリニアに解釈できると、僕は考えます。逆にイタチを理解する自来也には、イタチの側からも同種の理解がある筈で、「エロ」によるナルトの懐柔?がイタチに卑屈と受け取られるのが、自来也は嫌だったんではないでしょうか(笑)。



自来也ちゃん…?ちゃんて!
エロ仙人をガキ扱いかよ!
何だってばよ このじじい蛙!!」(ナルト)

「口を慎めと言ってるだろう!」(綱手)

「この方は自来也様に
仙忍術をお教えになられた
自来也様の師です」(シズネ)

「!」(ナルト)

「ハハハ…エロ仙人とはの…!
自来也ちゃんらしい慕われ方じゃ」(フカサク)

「そのジジイ仙人
一体オレに何の用だってばよ?」(ナルト)

「どこから話せばええかの…
そうじゃの…とりあえず言っておくが―」(フカサク)

「自来也ちゃんが戦死した」(フカサク)

自来也の訃報がナルトに伝えられた行で(第44巻/31-32頁)、ナルトは自来也を「ちゃん」付けで呼ぶフカサクに軽ーく嫉妬してるんですよね。ナルトがあまり見せない心の棘(トゲ)で、非常に希有な反応だと言えます。この棘には自来也に対するナルトの特殊な思い入れがあって、その機微にこの場で唯一気付いているのがフカサクでした。ま…綱手たちが心中穏やかでないのは自来也の訃報を受けたナルトの衝撃を先んじてシミュレーションしてるからで、そこでテンパッてるからであって…綱手なんかはこの辺りで既に臨界を超えていていつ熱暴走を起こしても仕方ないくらいだったんだけど、それを必死に我慢してたので、仕方ない…ま…その優しさの弊害であって、フカサクの冷静さにはまた別の象限の想いがあるだけで、それはまた別の考察で…。

フカサクが「ちゃん」付けで呼ぶ事に噛み付いたナルトが「エロ仙人」と言うのもアレな話で、それを窘める事なく、即座にその本意を汲み取り、賞賛ともとれる微笑みを醸したのは、やはり自来也の師に相応しい人格(性格には蝦蟇格じゃ)と言えます。そのフカサクがナルトに対して自来也の訃報を伝える心のざらつきは半端ないものだったでしょう。それでも眉一つ動かさず、ナルトに伝えたのは自来也を心底敬愛するナルトの心の底を感じる事が出来たからでしょう。ナルトが自来也を本当に愛していた事がフカサクには理解できたから、魂が慟哭するほどの悲しみを乗り越えて、ナルトに自来也の訃報を伝える事が出来たのだと思います。ナルトが自来也を「エロ仙人」と言い張る心の深層に気付き、感じ入ったフカサクには嬉しくて堪らなかったのだと、僕は思います。

「何でそんな無茶許したんだってばよ!!
バアちゃんはエロ仙人の性格良く分かってんだろ!
たった一人でそんな危ねー所に……」(ナルト)

「よせナルト
五代目の気持ちが分からない
お前じゃないだろ」
(カカシ)

カカシも綱手に食ってかかるナルトにそう言うのがやっとで、綱手はサンドバックのようにナルトの言葉攻めを受ける事で贖罪してるようにも見えました(笑)(第44巻/45-46頁)。「エロ仙人が五代目火影になってたら!綱手のバアちゃんにこんな無茶はさせなかった…ぜってェー…」(第44巻/47頁)と言うナルトの捨て台詞に「少しそっとしておいてやれ」と言うのが精一杯だった綱手はそれでも尚、ナルトの心情に同調していた…って言うか、この言葉は綱手が自分自身に言った言葉で、ナルトを刺激して長引かせるのは綱手にとってもキツい事だったと、綱手は考えてたんじゃないでしょうか。ぶっちゃけ、ギリギリのところに綱手も漂っていたんだと思います。

ナルトはフカサクを「ジジイ仙人」と呼び、五代目火影である綱手を「バアちゃん」と呼んでいます。人の価値とは肩書きや地位などではなくその人自身にある。それは生き様と言い換えても良いでしょう。ナルトにしてみれば、綱手は「バアちゃん」であり、フカサクは「ジジイ仙人」に過ぎないのです。ナルトは物事の本質肌で感じるタイプで、その知覚はもの凄く鋭いです。この時も、カカシが察した通り、綱手の気持ちも痛いほど解ってた筈です。それでもこんなに酷い事を言ったしまったのは、自来也の訃報がナルトにとって驚天動地だったからです。綱手もナルトも同じ様に理解してるんだけど、悲しみの量が多過ぎたんですね。ナルトが執務室を飛び出したのはそれでも絞り出したナルトの優しさだったと思います。

「さっき説明した
"予言の子"についてじゃけどの…
あの子が自来也ちゃんを
真っ直ぐに慕っとったのが
良く分かった

"予言の子"
あの子であって欲しいと…
そう願わずにおれんの」(フカサク)

ナルトにとって自来也は単なる「先生」ではなかった…。

フカサクはその一部始終を俯瞰する中で、ナルトの持つ直感力を確信するのです。それでこう言った訳です(第44巻/48頁)。ナルトの直感力が自来也を「エロ仙人」と呼ばせたのです。その奥底に真っ直ぐなナルトの想いがある事を解るならば、それは最高の愛称となると事をフカサクは理解し、その深い愛に震えたのだと思います。そして、自来也がフカサクの背中に残した暗号と共にナルトに託された自来也の想いを伝えるのがフカサクの役割であり、それを為す為には鬼にも成れた訳です。それに感じ入る時、あまりにもサッパリと自来也の訃報をナルトに告げたフカサクの行いはフカサクのあまりにも深い痛手に様に見え、この場を埋め尽くす悲しみの更に大外を包む深い想いを感じさせます。想いが深ければ深いほど心とはこんな風に静かになるものなのです。


<コン><コン>

「!
な…なんだ…
カカシ先生か……」
(ナルト)

五代目がお呼びだ
すぐに支度しろ」(カカシ)

自来也の訃報をナルトに伝える為にカカシがナルトを呼びに来ます(第44巻/27頁)。この時、俯せに寝るナルトが窓を叩くカカシに気付きます。カカシは窓好きで有名ですが(笑)、こんな風にナルトをいつだってカカシは見守って来た筈です。穿った目で見れば、それは三代目(ヒルゼン)の勅命なんだろうけど、カカシのナルトに対する心配と言うか、母親的な思い遣りだったのだと思います。しかし、忍者であるナルトはその気配にすら今まで一度たりとも気付いた事はなかったようです。ま…それ程、カカシが注意深くナルトを見守っていた裏返しとも言えるでしょう。そして、そんなカカシをナルトは「先生」と呼ぶのです。ナルトが「先生」と呼ぶのはカカシとイルカとアスマくらいでしょう。ヤマトは何故だか「隊長」なんですよね。

非常に余談ですが…ナル×ジャン的にカカシとイルカは愛情属性としては母親で、ナルトが自来也の訃報を受けてズブズブに沈んだ時にイルカがアイスキャンディー割り(ここに同属性のカカシとイルカの攻防があって、それが「カカシの舌打ち」と言う考察を生んでいます…笑)で包容しただけでは立ち直れず、シカマルの父親属性の多量に含有した鼓舞があってようやく立ち直れた描写によって説明されています。見つけられなかったけど、ナルトは「父ちゃんが居るならこんなかな」と言う感じの言葉をイルカに対して抱いた描写があるんですが、あれは男性としての「親」を示しただけで、愛情の属性に言及するものではありません。何故だが、ナルトの周りには父親属性の愛情を持つキャラが少なく、アスマはヒルゼン的な腰が引けた感じがあったし…(笑)。

「…これから…
忙しくなりそうだな」
(ヤマト)

父親の愛情属性で言うと、第二部で登場したヤマトが筆頭ですが、ヤマトは初代の遺伝子情報とそれに付帯する尾獣をコントロールする能力と密命があり(第32巻/125頁)、ナルトに対しては微妙な関係性にあります。やはり、ナルトの直感力はそれを敏感に察していて「隊長」と呼ぶのだと思います。ヤマトとしては父親属性の愛情がムンムンと噎せ返るようなのですが、それを強烈な我慢で抑え込んでいるのだとも思います。しかし、ヤマトを「先生」と呼ばないナルトの反応は、自来也を「エロ仙人」と呼ばせる行いに非常に近似していると、僕は考えています。ナルトはヤマトに対しては畏怖に近い尊敬を感じていて、それは家庭にあっては父親に向けられる厳格さに対する反応に近く、「柱間→ミナト」の系譜の可能性を示唆する提示である…と、僕は考えています。


<ギロ>「少し黙れ」(自来也)

<ビクッ>「!」(ナルト)

蝦蟇口縛りから遁走の直後、天照の黒炎を「封火法印!!」消火した自来也に、ナルトが調子こいた事を言った時に、自来也は一喝するんですが、マジにナルトがビビってるんです(第17巻/82頁)。この自来也の一言には自来也の殺気が込められていたからだと、僕は考えています。ナルトはその前に「あいつらオレに用があんだろ!だったらこっちから出向いてやらァ!!」(第17巻/81頁)と、一頁ブチ抜きで見得切ってるもんだから、ホントは引っ込みが突かない慣性があるんだけど、自来也はその前に動かざる壁として立ちはだかった訳です。自来也が正真正銘の殺気を滲ませるのは意外に少なく、雨隠れの対ペイン戦を除外すればこの行と、このエピソードの後の綱手捜索編で綱手と久々に一献傾け(綱手のおっぱいばかりに注目するおっぱい星人ぶりを発揮しましたっけ…笑)、ヤケっぱちな雰囲気で大蛇丸の接触で揺れている綱手を前に凄んでみせた…

「その時はワシがお前を殺すぞ」

「…………
私にはもう関係無いでしょ!」(綱手)

本物の殺意に綱手も思いっ切りビビったことでしょう(笑)(第18巻/122頁)。それに直後の綱手の台詞がヤケに女っぽい口調になってるのは流石だと思いました(笑)。愛があるから殺せる…それは”火サス脳のマドララ体質”の専売特許ではなく、もしこの時、綱手が大蛇丸に靡(なび)く様な事になれば自来也は間違いなく綱手を殺めたと思います。自来也は正真正銘、綱手を愛していたから言えた台詞であったし、綱手に対してだったから示せた殺意だったものと思います。確かな愛があったればこそ、自来也は綱手を殺すと言えた訳です。同じように、一言でナルトを沈黙せしめた「少し黙れ」にも、自来也の心の奥底に秘められたナルトに対する愛があったのだと思います。趣は違うにしても自来也の明確な殺意の発露を考えると、綱手とナルトは自来也にとって特別な存在だったのでしょう。


「木ノ葉はまだやり直せる…
頼んだぞナルト」
(ミナト)

(ありがとう…
父ちゃん…)
(ナルト)

「九尾が…消えた?」(天道)

「!」(迷いが消えたか…
何があった?)
(天道)

第440話「四代目との会話!!」で、目出たく実父であるミナトと再会を果たしたナルトは、その信じ難い親子関係をサクッと受け入れてしまいます。ま…これもナルトの驚異的な直感力の成せる業なんですが、ナルトはミナトとの接見の刹那を我がものとし、平常心を取り戻し、九尾のチャクラをも我がものとして使いこなす境地に一気に辿り着きます。そして結果的に天道を退け、ペインの本体である長門に辿り着くのです。思えばこれまでナルトは多くの大切な人との出会いを経験し、悲しい別れを経験して来ました。普通なら見逃してしまったり、気付かない事も多いのに、それらを漏れなく自分の力に換えて来ました。ナルトには物事の大切さ、その本質を見抜く尋常ではない直感力が宿っているのです。それがナルトの異常な強さの根源とも言えます。

「………
この子を守るためだな
…………
四代目よ…」
(自来也)

ナルトは自来也に「父親の愛」を感じていた…

自来也のナルトに対する想い「ミナトは何故、八本目で現れたのか?」に認めた通りで、ヒルゼンでもなく、カカシでもなく、ミナトの想いを極めて正確にトレースしていたのは自来也であった…と、僕は考えています。その深い想いにナルトが気付かない筈はない訳で、ナルトには言葉に成らない気持ちではあっても、自来也に未だ見ぬ「父親」の持つ愛情を感じ、その姿を重ねた事でしょう。しかし、それでも自来也を「エロ仙人」と呼んだのは、それこそ自来也であり、ナルトが唯一確信を持てた自来也との接点だったからだと思います。それをNASAの「大人語の翻訳機」にかけるならば、「エロ」が自来也が用意した「きっかけ」だった筈です。それがなければ、ナルトには自来也が難し過ぎて、近寄り難くて…。

ナルトがその自来也の想いを正確に受け取っている様にフカサクは喜々とした…綱手を「バアちゃん」と呼び、自分を「ジジイ仙人」と呼ぶナルトが嬉しかったのです。誰もがナルトに思ったように、フカサクもナルトに賭けてみたい気持ちになった筈です。ナルトに託したい気持ちになった…。ナルトが自来也の本質に気付き、その想いにちゃんと応えるべく成長してる訳ですから!!それは妙木山の意向ともリニアではない(←これをフカサクは意識してないと思います)にしても、自来也と言う人間を一番しっかりと見つめ、認めて来たのがナルトだった事が、フカサクは嬉しくて仕方なかったのです。それがナルトを妙木山に召還し、仙術や蛙組手を伝授した動機でしょう。フカサクにとってナルトは自来也の「代替者」ではなく「継承者」だったのは明らかです。

「じじ様…二人の懐かしい背中
見えんかったか?」(ガマブン太)

「そうじゃのう…」
(…ナルトちゃんは先代を超えたようじゃ)(フカサク)

第430話「ナルト帰還!!」で、ペインに一人立ちはだからナルトの背中に自来也とミナトの面影を投影したガマブン太とフカサクには、どれ程その勇姿が頼もしく思えたか計り知れません。また、フカサクがナルトを「ナルトちゃん」と呼ぶのも、自来也に対する気持ちの継承と言え、自来也と言うカードがなくなってしまったから、代わりにナルトを…と言う狡い親の考えではなく、自来也の想いを継承するに相応しい人材としてナルトを信頼した上の行動であり、そこにはナルトが自来也を「エロ仙人」と呼ぶ気持ちと同じ温かみや優しさが潜んでいるんだと思います。

また、ナルトは自来也の抱く綱手への真っ直ぐな想いを感じていて、綱手と懇(ねんご)ろでない事から、自来也と自分が直接関係ない認識が潜在的にあった筈です。男と女の惚れた腫れたの何たるかを知らないナルトがその機微を理解できるのがナルトの異常者たる所以でもあり、しかして自来也の確たる信念を持った自分への対応に、矍鑠(かくしゃく)とした父親像を感じつつ、自来也を「エロ仙人」と呼んだところにナルトの最高の敬意が潜んでいるのです。ナルトは「エロ仙人」と言う愛称に、単なる「先生」には収まり切らない自来也の大きさを絶えず噛み締めていたのです。その感謝を「ド根性忍伝」の読後にナルトは漏らしたのかな(第45巻/70頁)…なんて…考えたりしています。

(…もっと大切なもんもらってるからよ)(ナルト)



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