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「焚き火」(まっカカ…其の伍)


「…里の奴らが…
何と言おうと…
…お前は立派な上忍だ…
…オレはもう
………死ぬ
けど…お前の目になって
…これから先を
見てやるからよ…

リン
頼むぜ…」(オビト)

「オビト…」(カカシ)

「………
お前の目になって
先を見すえるのは……

どうやら
ここまでのようだ」(カカシ)

「…リン
守れなかった
オレだ
お前との約束
破ってばっかりだが…
許してくれ…

オビト…
リン…
先生…


…オレも…
今からそっちへ行くよ」

第425話「はたけカカシ」の冒頭の凄くヤバいシーン(第46巻/43-44頁)。「しつこい奴らだ…」(第46巻/38頁)と、「それは君の事なんだよ運動」が全国で巻き起こった修羅道のミサイル(ミサイルですよ、ミサイル!!)を神威で<ズチィ>と喰ってチャクラとスタミナを使い切ったカカシが「死ぬ!」(第46巻/40頁)と、ま…これが世の「カカ専」を悲しみのズンドコに沈めてるカカシの「死ぬ死ぬ詐欺」で、本人も木ノ葉の上忍として必死に頑張った結果で、悪気はないと思います。

(ま…どうやらオレも…
ここまでのようだよ
オビト…リン…)(カカシ)

…で、この時、真っ暗闇の中、か細いカカシの懐古が始まってましたっけ(笑)。カカシは神無毘橋の戦いで親友のオビトを失い、その時、負傷していた自分の左目にオビトの写輪眼を移植した…詳しくは「カカシ外伝」(戦場のボーイズライフ・単行本の27巻)をご参照下さい。それで、カカシは自分が死ぬと思ってますから、お約束で過去の思い遺しの回想…所謂、「走馬灯」がオッ始まってる訳です(笑)。…ですが、この「走馬灯」。よくよく、考えてみると、このカカシの回想…何か変なんですよ。

オビトは「お前の目になって…」と言ってますよね。オビトが言う「お前」って勿論、カカシで、オビトはカカシの代わりに「これから先」を見ると言ってて、カカシはカカシで「お前の目になって…」と44頁で切り返していて、それが「どうやらここまでのようだ」としてるんです。この時、カカシは自分が死ぬと思ってますから、もう「これから先」は見れないと思ってるんですよね。この時、カカシは第一部のナルト達を回想しています。そこにはサスケ(ちょっとスカして横向いてるけど…笑)もしっかり居るんですよ。

このカットの前に「オビト…」(43頁)としてるので、それ以降の台詞がカカシからオビトに向けられた言葉だと解釈しています。つまり、カカシはカカシでオビトの代わりに、オビトが見れなかった「これから先」を見てあげている…と言う意識があると言う事です。普通なら、カカシにオビトの写輪眼を移植したところで、それで見える景色はカカシが見るものですから、カカシの回想にはもの凄く違和感を感じます。何故かって言うと…まるで自分(カカシ)が居ない…みたいな言い方だと思えるからです。

「何なら今から
アンタの
一番大事な人間を
殺してやろうか!

今 アンタが言ったことが
どれほどズレてるか
実感できるぜ!」(サスケ)

「………
そうしてもらっても
けっこーだがな…
あいにくオレには一人も
そんな奴はいないんだよ」
(カカシ)

「もう……
みんな殺されてる」
(カカシ)

里抜け直前のサスケをカカシが思い止まらせようと説教をたれるシーンがあって(第20巻/111-112頁)、そこでカカシがサスケに変な事を言ってるのを思い出しました。変な事…って言うのは、多分、サスケもそう感じたと思います。サスケが大きな樹の幹にワイヤーで縛る付けられながら、カカシの「一番大事な人」を殺すと言った時なんですけど、この時のカカシの台詞がサスケが望んでた答ではなかったのは明らかで、僕も何でこんな事言うんだろう?と…。

この周辺のカカシの振る舞いと、並行するように提示されたガイの描写が非常に好対照で、次の「まっカカ」で「ガイ」も書こうと思ってるんですが、ま…それとはちょっと趣が違って、単にカカシ→サスケの単体で考えるならば、カカシが「大事な人」がいない…って言うのに、サスケは明らかに落胆していました(笑)。カカシは本気でサスケを止めようとしたんかしら…と思えるほどこの時のカカシは冷たかった…。サスケはカカシの「一番大事な人」自分だと思ってた…。

なのにカカシは、そんな気持ちにお構い無しに「みんな殺されてる」と、暗にサスケが自分にとっては何でも無い…単なる生徒、或いは第七班の班員に過ぎないと宣言した訳です。20巻/112頁の下段のサスケの豆鉄砲を食らったような落胆した表情は、明らかにサスケの落胆ぶりが窺(うかが)えます。もしかしたら、カカシはサスケをワザと大蛇丸の下に向かわせようとしたのかとも疑える…ま…俗に言う「黒くなれる」…と言うヤツですが、ここでは置いときます(笑)。

…で、このカカシの「もう……みんな殺されてる」(第20巻/112頁)を、カカシの「死ぬ死ぬ詐欺」の走馬灯のオビトの言い分と、カカシの言い分で補完するならば、カカシはオビトの死を受けて、無くした自分の左眼にオビトの写輪眼を移植してから、オビトが遺言で残した「…オレはもう………死ぬけど…お前の目になって…これから先を見てやるからよ…」(第46巻/43頁)を、生真面目で堅物のカカシがマジに履行してたと考えられはしまいかと…。

「もう……みんな殺されてる」

カカシはオビトの『人生の代行者』に徹した……。

つまり、「オビト…リン…先生…」がカカシの「一番大事な人」であって、ホントにみんな死んでる。それ以前に、オビトを亡くした以降のカカシの人生はオビトの人生の代行に過ぎない…カカシの覚悟があったんではないかと、僕は考える訳です。神無毘橋以降、カカシには自分の人生などなかった。だから、第一部で出会い愛した筈のナルトやサスケやサクラ…他にも46巻/44頁の上段のカットに描かれた個性豊かな下忍達(第一部)…それはオビト(が居たならば…愛したであろう)の大事な人達であって、カカシのは想いはそこに在ってはならない…と。

だから、サスケを思い止まらせるキーポイントの局面でも自分の大事な人として「サスケ」の名前をカカシは出せなかったんじゃないかと思うんです。カカシはオビトの代わりにオビトの人生を代行してる訳ですから、カカシとしての想いは在ってはならない訳です。だから、サスケがカカシに対して投げかけた言葉に対して正直に応えるならば、カカシの大切な人は「オビト…リン…先生…」であり、ならばカカシにとっては「みんな殺されてる」としか言いようが無かったんじゃないかと考えてしまう訳です。

逆にカカシのその「バカ正直さ」が、オビトの遺言を真に受けて、ホントにオビトに成り代わり「これから先」を見てたから、カカシは「お前の目になって先を見すえるのは……どうやらここまでのようだ」と言ってしまう気持ちももの凄く良く分かる。カカシがオビトにこんな風に謝るのは、カカシがオビトの人生の代行者として生きる信念がカカシにあったからだから…。それを飲み込めば、当時カカシが「いつ死んでもオレは構わない症候群」の患者に見えた(誤診だったけどね…笑)のも頷けます。

「…………オビト……
…お前が完成させてくれた術だ…」
<バチ…><バチチチチチ>(カカシ)

「!」(リン)

オビトの写輪眼があって初めて完成した雷切(第27巻/178頁)。カカシがそれを唯一のオリジナル忍術とした心意気に、やはりオビトの人生を代行する決意を感じます。そもそも、カカシほどの才能があって、何で雷切だけしかオリジナル忍術が無いんだ…と疑問に思っていましたが、オビトがくれた写輪眼を使った術コピー以外はオビトとの約束に反する…とカカシのバカ正直さが拒否ったと考えるのが妥当でしょう(天道に使用した千鳥の変形「千鳥獣撃」(仮称)(第45巻/167頁)は除外…笑)。

また、神威もオビトの写輪眼が与えてくれた術ですからカカシは使用した訳で、多少のブレはありますが(汗)、皮肉にもカカシのバカ正直で律儀な気質こそが、オビトの人生の代行するカカシにとって唯一のカカシらしさと言うことになります。ある意味、カカシにとって自分が生きる事も苦痛だったのかも知れません。そりゃ人間だもの…カカシにもカカシのやりたい事や、カカシ自身の思い残しだってあったろうに…。しかし、それが奇妙にも思えたカカシの儚さの正体だったんでしょうね。

「ああ…お陰で身体がボロボロだ
正確には千鳥という術だがな…」(サスケ)

ちょっと余談ですが…デイダラVSサスケでもサスケが変な事を言ってるな…(第40巻/38頁)ってのもありました。デイダラのC4カルラを凌いだサスケが、ヘトヘトのボロボロなのに、デイダラがカカシの雷切に影響されているのを捨て置けなかったサスケがワザワザ、「千鳥」エクスキューズしてましたっけ(笑)。カカシにとって「雷切」は特別な忍術だったから、カカシがそれを意図した教え方をしたのか、サスケがそれを察したのかは不明ですが、その深層も今ならば理解できそうです(笑)。

以上を踏まえて、もう一度カカシの「走馬灯」を再読すれば、カカシが回想したシーンは全てオビトとしてのカカシが見たものであって、カカシとしてみたものではない…と言う点に気付くと思います。オビト、リン…そして第一部でカカシを「先生」と呼んだ下忍達ですら、その映像はオビトの想いとする…カカシの毅然とした分別であると…。だから、カカシが自分の言葉で謝罪し悔恨する場面は全てが「暗闇」なんではないか!?その「暗闇」に潜むカカシの決意に気付き、僕はガタガタと震えました(←マジ話)。

この「暗闇」こそカカシの人生だった…。



「!」(カカシ)

「カカシか
…?」
(サクモ)

「…こんな所に
居たんだ…」
(カカシ)

「お前の話を
聞かせて
くれないか?」
(サクモ)

カカシはズーッと「暗闇」の中を歩いていた…。

暗闇の中…それがカカシの人生だった(第46巻/44-45頁)。カカシはオビトの人生代行を引き受けた訳だから、自分の人生なんてのはその時点で消滅してたんです。だから、カカシはズーッとこんな暗闇の中を歩んで来たんだと思います。馴れっこだったから、足下が覚束ない筈なのに、少しも不安でなく、何かに躓くでもなく、行く当てにも困らなかった訳です。カカシが向かう先…オビト、リン、ミナトが待つ冥府なのでしょうが、そのまま進めばカカシはホントに死んでしまいます。それは許容できない(笑)。

しかし、いつもと違う景色がカカシの眼に飛び込んで来るのです。それが、暗闇の中に灯った温かで、何故だか懐かしい…「焚き火」だったのです。そして、その灯りにカカシは吸い寄せられるように近付きます。それが亡き父、サクモとの再会になろうとは!!しかし、カカシは「…こんな所に居たんだ…」と、さして驚かず、サクモの傍らに腰掛けます。そして、同じように静かにカカシを受け入れたサクモがカカシに「お前の話」と切り出しています。カカシはサクモを探し求め、サクモはカカシが気掛かりだった…。

「カカシの父
サクモさんは中傷され御自分で
自分の命を絶たれたんだ
五年前…ある極秘任務で
隊長として適地に潜入した彼は
そこで”二択”を迫られた
任務遂行か仲間の命か…
もちろん里の掟に沿えば
任務放棄はご法度…
だが彼は仲間を救うため
任務を中断したんだ
しかしそのことで
大きな損失を出した
火の国や里の仲間は彼を責めた
挙句の果てには
助けた仲間たちでさえも
彼を中傷したんだ
その任務が元で心も体も
悪くしたサクモさんは自ら…
カカシはそれ以来
親父さんのことを
口にしなくなり
掟やルールを守る事に
固執しはじめた…」
(ミナト)

これがミナトがオビトに告げたサクモ自死の一部始終ですが(第27巻/104頁)、カカシがサクモを語らずに、オビトに対して冷徹に掟やルールの履行を口やかましく指摘する姿には非常にリニアであります。カカシはオビトによってこの一件でネジ曲がった性根を叩き直されるんですが、その直後、運命がオビトを奪ってしまう。そして、オビトの呪縛とも言うべき写輪眼がカカシに遺されてしまうのです。カカシにはサクモへの想いもあったでしょうが、それよりオビトへの贖罪を優先したのです。

悲しいかな、オビトが居なければカカシはサクモの呪縛から抜け出せないで居たのだろうし、サクモの呪縛を払拭してくれた直後に、今度はオビトを失い、それに対する責任を一身に背負い、新たなる呪縛を背負い込むカカシの気質と申しますか、悲しき性(さが)に翻弄されるカカシの生き様がそこには滔々と流れているように感じます。そして、天道との一戦に破れ、自らの死を意識した(思い込んだ…)カカシが冥府に向かう中で、オビトに対する贖罪はカカシの中では果たされた…ように思います。

カカシはオビトから解き放たれたのです。そして、そのカカシが安堵を感じながら歩む暗闇にサクモが焼(く)べた焚き火の灯りが差し込みます。まるで、カカシを足止めさせるように、その灯火はカカシを誘うのです。暗闇の中に居るカカシはオビトの人生代行ではなく、カカシの人生を象徴してるのだと思います。そして、その暗闇に真っ先に登場したサクモ…カカシにはサクモが最大の心残りだったのだと思います。そして、それはサクモとて同じ事。幼くして遺した我が子を気に掛けない親などいる訳は無く…。



「ああ…
すごく長く
なるから

ゆっくり
話がしたいん
だけど…」(カカシ)

「ああ…いいさ」(サクモ)

「あのね
父さん」
(カカシ)

そして、極自然にカカシはサクモの傍らに腰掛け(第46巻/45頁)、長い話を始めると言います。そして、サクモもそれを快く了承するのです。温かい焚き火の炎が照らすカカシの笑顔は少年のようでした。もう何か月も前の話ですが、きっと今もカカシは久し振りに再会できた父・サクモとの募(つの)る話の最中なのでしょう。カカシがカカシだった頃。そしてオビトの人生を代行したこれまで…と。そして、サクモにはサクモの想いがある筈です。きっと八本目で出て来たミナトと同じ様な…。

「カカシは
”木ノ葉の白い牙”
恐れられた天才忍者
はたけサクモさんの息子でね…
その親父さんの前では
”伝説の三忍”の名すら
かすむほどだった…

そんな天才のもとで
幼少期を過ごしたんだから
キミ達を見て時折
物足りなく感じるのも
ムリないのかもね」(ミナト)

「…白い牙
そういえばオレも…
聞いたことがある
里を守り殉職した
英雄だって…
カカシの奴
一言もそんなこと…」
(オビト)

「カカシ外伝」のミナトとオビトの会話で(第27巻/103頁)、如何にサクモが凄い忍であったかが提示されています。それはオビトですら知る伝説だった…。カカシはそのサクモの子供なのです。カカシの早熟な能力の開花は偏(ひとえ)にサクモの影響だと言えるでしょう。サクモは”伝説の三忍”をも霞ませるほどの忍です。そのチャクラが今もカカシに宿っているのだし、現にこうして焚き火を焚(た)かせ、カカシを呼び止めているではないですか。思念の残留に関してはミナトでの提示もあったし…。

つまり、カカシに長い話があるように、サクモにもカカシに対してはあると思うんです。折しもカカシの勘違いで「死ぬ死ぬ詐欺」の真っ最中ですし、サクモがそれを戒めないとは、僕には思えんとです。しかも、グッタイミングにオビトの呪縛からもカカシは解き放たれた訳で、「暗闇」から脱し…今度はカカシがカカシの為に人生を歩む良いチャンスなのだと思います。”木ノ葉の白い牙”の想いが通じるならカカシはきっと蘇る筈です…”木ノ葉の白き雷閃”として…。その為にサクモはここに居るのです。

「暗闇」に佇むカカシを照らす「焚き火」を焼(く)べて…。

サクモの焚き火のように温かなが…
きっと…カカシを目覚めさせてくれる!!

「焚き火」(まっカカ…其の伍)
まったく、カカシってヤツは…




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