スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「泥」

 
僕は釣りをよくした。

よくしたと言うのは最近行ってないからだ。
近頃は道具ばかり磨いている。

夏にはまだ暗いうちから竿を振ったものだった。
極太極硬のロングロッドで改造フロッグを投げた。
ウィードレス仕様のバーブレスフックのルアー。
狙うのはネバエンのファルコンの顔をした雷魚である。

大きい個体になると1メートルを超える。
鋭い歯と旺盛なファイティングスピリット。
兎に角、元気で勇敢で、面白い魚なのである。

止水域。

蓮などの水草が生い茂る沼にヤツは居る。

だから、僕は夏になると沼地によく立っていた。
水面を時に騒がせ、時に静かにフロッグを操る。
誘い、騙し、掛けるのがルアーフィッシングである。
偉そうな事を言っているが、釣れない太公望だった。

静かな沼の静かな夜明けは素敵だった。
息をするのを忘れるくらい、それは素敵な景色だった。

蓮の花はそんな時に開く。
唐突に、その花は開く。
鈴かな沼に<ポン>と音がする…。
綺麗な綺麗な花が咲く事を知らせるチャイムのように響く。

この世にこんな綺麗な花があるんだと思わせる花は咲く。
こんな濁った水の、鬱蒼とした沼に不釣り合いな花が咲く。

一瞬が一生のように煌めく。

しかし、護岸が進み、雷魚が棲める沼が減った。
コンクリートの護岸が「泥」を押し流してしまうのだ。
人の住み良い環境とは自然に厳しい形なのだろう。
当然、僅かに自生する蓮も減りに減ってしまった。
そして、あの神々しい花も、今では見れなくなってしまった…。
僕が最近、釣りに行かないのはそれと無関係ではない。

蓮も雷魚も「泥」がないと生きて行けないのである。

「泥」の中から蓮は頸を擡(もた)げ、あんなにも綺麗な花を咲かせる。

「泥」が在るからこそ蓮はあんなにも美しく咲けるのである。

「泥」が蓮を生かしているのである。

柵(しがらみ)。

妬み。

嫉み。

痛み。

苦しみ。

不満。

不服。

……。

数えたら切りがない…。

僕らも「泥」にまみれているのである。

僕はその「泥」を感じる時、あの光景を思い出す。
静かな沼地の静かな夜明けである。
蓮の花の咲く、静かな静かな朝マズメである。
息をするのを忘れるほど美しい花である。

「泥」があるからこそ咲ける花がある。
僕らがいろんな「泥」にまみれる意味はそこにあるんだと思う。
それぞれが、それぞれの花を咲かせる為である。

「泥」を受け入れて欲しい。

「泥」の中でもがいて欲しい。

きっと君の花は咲くのだから。

人生という「泥」の中から君の花は咲くのだ。

きっと美しい花だろう。

僕はそれが楽しみでならない。

……と、まあ、こんな話を考えていたのだが……
涙と想いが込み上げて来て一言も伝えられなかった。
最近、極端に涙もろくなってしまった。
最早、制御不能なほどに涙腺が暴走する。
何で泣いてるんだろう…と頭脳だけは冷静だった。
しかし、身体がそれに応えてくれなかった。
言えなかったから、ここで書く事にした。

僕が愛した君達に届け。

ありがとう!

忘れないよ。

リアルの僕より。






業務連絡(100320):ごめんなさい!ジャンプの発売日を失念していました。実は打ち上げがあってベロベロで、オールが老体に堪えています。少し休んだら相方と散歩してノンビリ書かせて貰います。凄く切ない時間を過ごしましたもので、リアルの僕が疲れきっておりまして。少し休んだら感想はキッチリ書きます。出会いと別れに馴れては来たけれど…何度経験してもしんどいです。皆さん、良い週末を。ちょっとホッカリさせて貰います。



泣いてまうやろーッ!! 

     

第487話「戦いの始まり…!!」① | BLOG TOP | 第486話「拳」

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。