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「悋気・秘話」(愛について)

 
書くべきか書かざるべきか悩みに悩んだ。

その人は「如月」というHNでナル×ジャンに来た…。

いつだったか、二年前か三年前か…四年?僕がシコシコと考察を書いてる最中、如月さんは初めてメッセージをよこした。今でこそ徳政令を戴いて(勝手に宣言して…)メッセージのお返事は割愛させて貰ってますが、当時はセッセとお返事を書いてました。豊富な語彙。感情が豊かで、言葉には力があり、僕と同じ様にブログをやっても良いのになー…と思って、それを事あるごとにお勧めしたが、如月さんは断固として拒んだ。とても繊細で臆病な人でした。如月さんは常に恐る恐る言葉を選んで僕にアクセスして来ました。こんな事があったな…。二回目か三回目のお返事で、HNを「卯月」(四月)と間違ってしまった(滝汗)。ま…いろんな方に返信をしとりましたので。それを「生まれ月なので…」と如月さんは返した。

僕は最期まで如月さんの誕生日を聞く事はなかったけれど、ターミナルの中でそれが必ずしも正確ではない事を知り…今にして思えば、二月(如月)に初めてメッセージを戴いた記憶が過り、もしかしたら…ナル×ジャンに初めてアクセスした時を「記念日」としてくれたのかな…と思い当たり、如月さんの奥ゆかしさを静かに感じました。そんな重さはなくとも、ある種の踏ん切りが必要なくらい、僕にアクセスする事が勇気の要る事だったんだと、初めて戴いたメッセージが有り難く思えて仕方なかった。如月さんはナル×ジャンを愛してくれたんだろうな…と、愛おしく懐かしく思えた。去年、如月さんは逝かれた。いきなり宣告を受けた進行癌が如月さんを黄泉の国へと連れ去ってしまった。嵐の様な一年間だった…。

如月さんはとてもキレイな女性だった(…そうです)。僕は如月さんの性別や容姿には些かも拘らなかったんだけど、ミスキャンパスで、モデルの佐々木なんたらという美女にクリソツだったんだそうです。しかも若い(脂汗)。関西の名立たる一等地の、グランドピアノのある家で育った…と知ったのは如月さんがターミナルに入ってからだった。しかし、そんなスペックはそもそも関係なかった。僕は如月さんのアイデアとか文学性を評価してたからだ。それに、ケルベロスに惚れた娘を、生身の僕が何とかするなんてのは滑稽な事に思えて、想像すらしなかった。ケルベロスとは「意識体」だと、生身の僕は考えている。それを「思想」と言い換えても良い。それと生身の僕は全く違うのだから、手の出しようがない(滝汗)。

ケルベロスは凄くモテる…と、生身の僕は思っている。告られるなんてのは日常茶飯事で、如月さんにも何度も告られ、ケルベロスは堅物なので、その都度、丁重にお断りしていた。告る→玉砕→復活→告る…のサイクルが何度も続いた。燃え盛る炎の如き情熱で僕に詰め寄り、僕の取りつく島もない言葉に白き灰になりながらも、そこから何度も立ち上がり雄々しく飛び立つ様は正に不死鳥(フェニックス)のように思えた。僕はケルベロスである時、意識体なのだと思う。感情や思考が何の防御もない状態…魂が剥き出しになって…で漂う考えそのものなんだと思ってる。それが『NARUTO -ナルト-』という物語に潜りに潜り、時には誰かに憑依し、刃に刺され、心にのしかかられ、物語の「忍」という生き様を感じてるのである。

同じ様に「魂」にとって、ケルベロスの「理解力」とは魅力的なんだろう。何でか…如月さんがエマージェンシーコールを発信してるのは、ケルベロスにはすぐに解った。トビが発する「理解されてないオーラ」と凄く似ている。それがターミナルの中で次第に明かされた来て如月さんのスペックが知れ、ある程度、具現化した。如月さんが何故、ケルベロスなどにに恋したのか?は、ケルベロスが如月さんの経歴や容姿に一切、無関心だったからだと、僕(生身の…)は思う。生身の彼女(如月)は愛されるべき存在だった。同性の友達が躍起になる程、彼女は光り輝く存在だった。だから、ご遺族も友達もケルベロスなんて「何処の馬の骨だか」に心酔する彼女の気持ちが解らない。そして、彼らは僕に彼女との男女の間の「愛」を望んだ。

一応大人なので表面上、僕はそれに応えた。しかし、一方でそうしなければならなかった事が、彼女の「理解されてないオーラ」の根源なのだと、僕は言いたかった。この時、僕は彼女と同じ様に口を閉ざしたのだと思う。きっと、その行動に彼女の「魂」と如月は拍手を今も贈り続けている事だろう。ケルベロスと生身の僕の気持ちはこの時シンクロしていたのだ。僕らはこの「魂」を抱き締めて離さない事で一致していた。申し訳ないが、そこには男女の「愛」なんてのはなかった。僕らはこの「魂」が「愛」に迷わない事だけを願った。唯唯、理解する事だけに腐心した。僕らは大蛇丸の様に彼女に欲しがるものなら何でも与えた。彼女の病状が悪化して彼女のいろんなモノが奪われて行く中、そのスピードは限りなく速まった…。

後日、ご遺族から彼女の日記が届いた。僕の手元にある事が妥当との判断で、僕も了承して謹んで受領した。丁寧にキレイな字が並ぶ頁が次第に乱れ、闘病の壮絶さを物語っていた。未だに全てを読む事ができずに居る。僕は人間だから。生身だから痛いのだ。こんなにも生きたいと思う人が生きられない現実が、僕には受け容れられない。未だに。何で彼女が…と、未だに思っている。身を切られる痛さと、これを読むのは同じだろう。ご遺族が手元に置けなかった…から、僕がこの痛みを引き継いだのは、僕が生きている証みたいなものになった。十字架を背負う気持ちが解る。今も痛いから。自分が生きている事すら不義理にすら感じる。そのくらいの痛みが、この日記にはあった。

それは人が生きる重さなのだと思う。

以下、如月さんの日記から抜粋。

『夏に雪を見た…
一緒に同じ雪を見た
嬉しかった
あなたが雪を降らせてくれた
ここに居る
すぐそばに
優しい視線が嬉しくて恥ずかしくて
のぞき込まれると紅潮しちゃう
ガキみたいでつまんないだろな…
忘れないよ
もう忘れられないよ
大切な想いだよ
魂が覚えた大切な想いだよ
忘れないよ』

雪

雪

雪を見たいと彼女は言った。

僕はググってググってググりまくった。
ありとあらゆる「雪」を探しまくった。
おそらく「雪」に関する全てをググりまくり彼女に贈った。

『さくらの花
小さな一輪が散っても誰も気づかないのに
小さな一つが一生懸命に生きたことを見つめてくれた人がいる
散るまでずっと見てくれる
小さな一つは決して自分が特別じゃないことを知っています
でも幸せなんです
あなたを見て笑っています
あなたの元気になりたいと笑っています
もう落っこちそうです
落ちたら今度は空を見上げます
照らしてもらえるでしょうか
また咲けるでしょうか
あなたのそばでまた咲けるでしょうか
また咲くと信じてもらえるでしょうか
いっしょに笑える時を待っててもらえるでしょうか』

桜

「桜」が見たい。
彼女は唐突に言い出した。
僕は全ての能力を使い切るように「桜」の画像を探しまわった。

『美ら海に行こう
あなたが手をつないでくれた
何かかいじゅうみたいのにつかまえられて引っぱり合いっこになって
かいじゅうの爪が背中と胸に食い込んであなたが手を放した
私が痛がったから
叫んだらあなたが辛くなるから
泣いたらあなたも泣くから
私は泣かないよ
ありがとう
無事にお家に帰ってねって…
へんな夢
あなたは優しい
いつもありがとう』

海

海

「海」くらいなんぼでも…。
病床の彼女の携帯に、僕は彼女が見たいだろう世界を贈り続けた。

古今和歌集のお気に入りの句があれば、その対句を返し、紀貫之が所望なれば彼の全作品をネットのから抽出して即座に送り届けた…。ソレ以外にも…生身の人間にこんな事が出来るのか…過労死するんじゃないのか…と心配してくれても良いほど、僕は過酷なタスクをこの時こなしていたと思ってる(笑)。それはちょっと言い杉だけど、そのくらいの鬼手を僕は振るってたと、今にしては思う。僕は僕の出来る限りで彼女の「魂」に応えた。どんなに忙しくても眠くても、何故だかそれだけは出来た。それはきっと「体」ではなくて「魂」が鬼の様に働いていたからだろう。僕らはそういう関係だった。それを男女の「愛」じゃないけど、僕は「愛」だと感じてたのさ。もうどうでも良い事だよ。これが「愛」のなせるワザじゃなきゃ何なのサ!!

僕は病床の彼女に僕の作品としてのメールを送り続けた。「魂」が僕の体から羽をドンドン啄んでいった。僕はそれを善しとした。こんな羽でよければいくらでもくれてやる!!この羽でドンドン織物を織ってやる。僕の「魂」は彼女の「魂」に寄り添っているのだ。女とか男とか関係ない。これを「愛」じゃないとは言わせないよ。僕が彼女に会わない事を責められもしたが…僕と彼女はこんなにも近くにいるのだ。手すら繋げるほどに。僕は唯唯、彼女の「魂」を抱き締めていた。僕は僕の吐き出す言葉で彼女を埋め尽くそうと思っていた。何百通のメールを僕は彼女に贈った。しかして、それにやましい事など一欠片もない。僕はそれを彼女の死後、彼女のご両親、ご遺族に見て欲しいと、彼女の一番近くにいる親友に懇願した。

彼女は僕の贈った全てを消去していた。

僕が彼女に贈ったメールも画像も、彼女の利き手に握りしめられた携帯のメモリーは空っぽになっていたという。僕は彼女と交わした全てを誰かに見せたかった。一冊の本にすらなると思っていた。僕と彼女は作品を練っていたのだと、僕は思っていた。しかし、彼女はその全てを消し去った。二人で紡いだ言葉の全て。画像も根こそぎ消し去った。ご遺族はそれを「僕を守る為」だと思った。男と女の間柄を想像したのか?僕の背景を察して遠慮したのか…例えば、結婚してるとか、地位があるとか…全くあたらないんですが(笑)…凄く下らないと、僕は思った。彼女は携帯の中身を消したのではない。連れ去ったのだ。彼女は誰にも二人のお話を見せる気はなかったのだと、僕は信じて止まない。悪いが反論は許さない。

彼女は「僕の言葉」を独り占めにしたかったのだ。

『私はヤキモチを焼くんだ…
そっか…ヤキモチか…
何だか照れ臭いな
でも、ヤキモチって嫌な感じなんだな
「ヤ」な「キモチ」で「ヤキモチ」なのかな
凄く切なくてカッコ悪いような…
ヤな気持ちだった
自分が嫌になる
これって「好き」って気持ちの裏返しみたいなものかな?

いや違うな…
こんなの初めてだもの
私ってこれまでの恋愛の仕方が変だったのかも知れないなぁ
恋愛って考えて考えてするものじゃなくて
もっとこう…んーこんな感じ!(←どんな感じ!?)
あの人なら
どう表現なさるのかしら?
きっと私の魂を振るわせてくださるような言葉をサラリと仰るんだろうな…

「そうなの!それ、それッ!」って私(笑)
あの人に逢えたら
あの人の側で
あの人の言葉を毎日聴いて
私はきっと目を輝かせて胸を躍らせて酔っちゃうんだろうな…
必死でメモるかも(笑)
いやボイスレコーダーという手があるゾ!
逢いたいな…』

彼女の「悋気」の可愛らしいさを、
僕は今も噛み締めている。

この「魂」に敬意を表す。

「悋気・秘話」(愛について)
ナル×ジャン ケルベロス



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