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第568話「四尾・仙猿の王」②

 
<バッ>(八尾)

<シュルルルルルル>(八尾)

<グラ><グラ>

「ぐくくっ……!」(ナルト)

「ナルトを離せ
このサル!」(八尾)

<ゴゴゴ>

(九尾…お前向こうのマダラと
やり合ってた分身ナルトに
力を貸してやったみてーだな!

今回もその気なら
力を貸してくれても
かまわねーぞコラ!)(八尾)

「………」(九尾)

「くっ…ぐっ」(ナルト)

(ワシはお前とは違う八尾
そう何度も何もなく人柱力に
尻尾を振ったりはしねェ…)
(九尾)

(お前
ナルトがどうなってもいいのかよ!!)
(八尾)

カカシとガイが奮闘し、キラビの人柱変化で肉を得た八尾が四尾に触手を絡ませますが、ナルトの大ピンチが続きます。前回、四尾の口に転がり落ちた時、ナルトが<フッ>っと九尾チャクラモードに入ったのは、九尾の助力だったと思うんですが、どうも違うみたいです。八尾はナルトの八卦の封印式の中の九尾と独自に会話ができるので(←ココ、ちょっとした意味があると思います)、ナルトに「力」を貸せと九尾に言うのです。多分、人柱力に封印された状態で人柱力が殺された場合、封印された尾獣も一緒に死んでしまう筈で、九尾が何もしないでナルトが死んでしまったら九尾も死んでしまうのに、何で「力」を貸さないんだと八尾は腹立たしいのです。きっと、そんな事は九尾も百も承知だろうから余計腹が立つ。

きっと九尾は自分など死んでしまえば良いと思っているのです。九尾事件でのミナトの提示から、尾獣は死んでも一定の期間を経て復活できると考えて良いと思われます。なので尾獣は「今」の生に固執しないでもいい。尾獣とは十尾のチャクラを九種類に分割して、六道仙人が拵えた肉に収めた「命」であり、不滅の存在なのかもしれません。そもそも十尾の正体が不明だし、十尾は十尾なんだとするしかないのかも知れませんが、例えば『NARUTO -ナルト-』の世界の土台である地球の一部とか、「ガイア(理)論」なんてのがありますが、十尾のチャクラ。それを元に作り出した九つのチャクラが不滅であり、陰たるチャクラが陽たる肉体を創造できるなら、尾獣が不滅の存在だと考える事もできるでしょう。

ちょっと余談ですが、九種類のチャクラに拘るのは、チャクラが基本性質の土・水・火・風・雷の五種類しかない提示に起因していまして、五つしかないものから九つの性質を生み出す為に五種類の中から二種類を取り出して組み合わせる5C2しかなかったんではないかと考えるからです。また滅した肉体をチャクラが復活させる為にチャクラが自立した存在である必要があり二種類のチャクラが反応する事で無限にチャクラを生成するシステムがどうしても必要で、忍がチャクラを練るのとは違ったチャクラ生成を尾獣で採用したと考えねば、「尾獣不滅論」が維持できない訳です。話を戻すと九尾がナルトを見捨てるのは「今」の生に固執する必要がないからで、尾獣にしてみれば合理的な選択でもある訳です。


「九尾…今のお前は
一時に結節(結び目)した仮の姿に過ぎん
分散した力の一部でしかない


知の足らぬただの不安定な力でしかない
お前に導きを与える者…それがうちはだ
お前ら尾獣は瞳力者の僕でしかない

従え」(うちはマダラ)

「九尾…お前の力は強大過ぎる…
悪いが野放しにはしておけん」(千手柱間)

「アナタが力を振るえば憎しみを引き寄せる
私の中でじっとしていて下さい」(うずまきミト)

「アナタも私もついている方じゃないのは確かね
アナタは世界の抑止…そして私はアナタの抑止」(うずまきクシナ)

(どんなことを語ろうが
人間の語ることはいつも
皆同じだ)
(九尾)

しかし、不滅の尾獣であろうと、特殊なチャクラ(結節)を持っていようと、結局、チャクラを土台に「力」を得ている以上、忍術…つまりチャクラの扱いに長けた者であれば付け入る隙が生まれるのです。恐らくそれが尾獣が忍を疎ましく思う理由でしょう。在りし日のマダラが九尾を従えたのは特殊な瞳力…万華鏡写輪眼のお陰だし、マダラが九尾を「知の足りぬただの不安定な力」と蔑むのも一定の理解が得られるのも事実です。先の「ガイア(理)論」に拠れば十尾が世界(地球)そのものだとすれば殺す事はできないでしょうから、それを自分以外でもコントロール可能な状態にするのは親心であり、尾獣と如何に共生して行くかが忍に六道仙人が与えた試練だったのではないかと思えます。そして、それが忍の歴史でもあったでしょう。

尾獣へのアプローチは兄系の瞳力弟系の人柱力のシステムがあり、「うちは虐殺」でうちはの瞳力が途絶えた以前から各里で尾獣を押さえ込んでいた事実があるようなので、尾獣は弟系の管理下に置かれたと考えるのが『NARUTO -ナルト-』の史実にもマッチします。九尾が回想の後、歯軋(ぎし)りするようにチャクラ巧者たる忍が常に九尾や他の尾獣を何とかして来たようです。それは尾獣をチャクラの塊=「力」としてのみ認識する歴史でもあったでしょう。九尾にとって忍に対する敗北が自由を奪われ、尊厳を奪われ、生に対する執着を希薄なものとする「負のスパイラル」だったと思います。九尾がその心に溜め込んだ「憎しみ」とは凡そ、そのような歴史に培われた「澱」(おり)でありましょう。

尾獣とはリアルの世界に置き換えるなら「原子力」のようなモノだと思います。太陽がその温かさで「生命」を生み出したように「原子力」への憧れとは「神」に対するそれと同義なのでしょう。「忍」(敢えて「人」としないのは大きな意味がありますが、それはまた別の機会に…)が忍同士で争い、血で血を洗う戦いに明け暮れた忍界大戦で「痛み」や「憎しみ」に押し流されてしまったこれまでは、自分達が生み出した「痛み」や「憎しみ」を増殖させるだけの愚かな歴史だった事にそろそろ気付き始めている点は大きいです。そして、それは「力」「強さ」に対する認識の変革でもある。ナルトは長門との対峙に拠ってそれを感じてはいると思うんです。それをどう表現するかが問題なのだと、僕は考えているのです。

同じ様に尾獣にも「心」がある。それを認められなくて九尾は「心」を閉ざしているのです。いじけていると言ってもいい(笑)。それは「忍」がお互いの血で血を洗う争いに明け暮れたのと酷似しています。「忍」にも「血」があり、その愚かさを理解する文字色「知」はなかった訳だ。そして、「忍」のうちはマダラが瞳術をひけらかしながら九尾を「知の足りないただの不安定な力」などと酷評するもんだから、九尾の「忍不信」は鉄板になってしまう訳だ。これをして「負のスパイラル」だと僕は思うんだけど、「忍」にしても九尾にしても、尾獣にしても、「痛み」や「憎しみ」を覆い隠す為に「力」だけを求め求められた「愚」に今、双方が触れている…。ナルトがそれをどう表現するのか?そこに注目して欲しいんです。


(今度はこんなガキか………忍共め…
どのみちこいつも…)
(九尾)

「なぁ九尾…オレはな…
いつかおめーの中の憎しみも
どうにかしてやりてーと思ってる」
(ナルト)

「!!?」(九尾)

九尾はとっくにナルトに期待してるんです。その目は見開かれしっかりとナルトを見ています。それはナルトが生来持つ底知れない「理解力」に対する期待でもあります。僕らが『NARUTO -ナルト-』に感じるワクワクする気持ちやゾクゾクしてしまう気持ちも、同じ部分に根差しているのだと、ここで断言させて頂きます(笑)。九尾の心に堪りに堪った「澱」(おり)とは、そもそも「忍」が生み出したものであります。結局、九尾は理解されずに暴れた訳。それに似たのがトビであり兄系…取り分け、うちはマダラでありました。これはもう「水掛け論」で言った言わないの世界。はたまた、「卵が先か鶏が先か?!」で、それを一度リセットする為には計り知れない量と質を兼ね備えた「包容力」が必要になるでしょう。

それを成す為に仕組まれたのが「うずまきナルト」なのであります。「ミナト→自来也」のホットラインが妙木山を巧妙に利用(…したと僕は思ってますんで)して奇跡の子を作り出そうとしているんです。だから、ナルトは「特別な子」なのです。童話の「醜いアヒルの子」というのがありますけど、アイデンティティ的にあれは「醜いアヒルだと思ってたけどホントは美しく立派な白鳥の子でした」というのが正解で、これから真っ当に成長しなきゃなんない少年少女を誑(たぶら)かす「悪書」(失敬!!)と、僕は思っとりますが、ナルトは成るべくして成り、スプーン一匙(ひとさじ)はおろか、耳かきの先でもない、極細の注射針の先の先に辛うじて乗っかる程、希有な存在である事を認識して欲しいです。

そして、その上で「自分」とは何なのか?に悩んで頂きたい。それこそ「自己同一性」…つまり、アイデンティティのイバラ道であります。自来也が雨隠れの水底に何故、沈んだのか?自分の「死」をして、口元を緩め、「うずまきナルト物語」を夢想した。あの光景に、僕は涙を禁じ得ない。そこに漂う物悲しさこそ少年少女に決して教えたくない「秘密」であり、気付いて貰いたい「真実」とだけ申し上げましょう。新年早々、ちょっとアレな内容に成ってしまったけど、物語はココまで成熟しているという事です。そして、ツンデレ・九尾は既に「完オチ」と言っても良い状態。後はナルトの出方次第。そんなナルトを見てて堕天してしまったサスケがいる事を忘れちゃいけない!!悩め!!もがき苦しめ!!少年少女よ!!(ごねん!)

以上、六頁~九頁中段まで(続く)。


 

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