スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「白」に関する考察(その1)

 
ナルト、サスケ、サクラがカカシ班に配属されて初の大舞台である「波の国任務」。

下忍になりカカシ班(第七班)の厳しい採用試験(?)を乗り越え、ようやく一丁前の忍者を目指して歩み出したところです。単行本で言うと第2巻から第4巻まで…『NARUTO -ナルト-』も第七班の三人のように初々しかった頃です(遠い目…)。そして、ヒヨッコ3人はその余りにも厳しい任務を知る由もなく…(汗)。

しかし、ナルトはここで運命的な出合いを果たす事になるのです。
そう「運命的」な…。人生を大きく決定してしまう程の…。




「こんなところで寝てると風邪ひきますよ」(白)

木登りの修行で疲れ果てて、森の中で大の字に眠りこけるナルト。
「白」はナルトを優しく揺り起こします(第3巻/72頁)。

ナルトは「白」に会って直ぐに「姉ちゃん」と呼んでいます。きっと、甘えるようなトーンで。まるで、身内のような、近しい女性の感触がナルトにはあったんだと思います。また、「白」はナルトを敵として認識はしてはいますが、本心では交戦したくない…殺したくない…と思っていたのでしょう。

「……君には大切な人がいますか?」(白)

ナルトが何故、強くなりたいのか?何の為に強くならねばならないのか?を、すっ飛ばして考えている事に気付いた時に問いを投げかけたのです(第3巻/75頁)。(クス)っと、可愛く笑っていましたね。まるで乳房を探す子供の手を優しく導く様な柔らかさが「白」にはありましたね。「白」の笑顔には懐かしくて…甘い香りがします。「白」は静かに続けて…

「人は…
大切な何かを守りたいと思った時に
本当に強くなれるものなんです」(白)

…と言うナルトのアイデンティティを決定付ける…ナルト史上に残る…名台詞を生み出す事になるのです(第3巻/78頁)。この時、「白」はナルトと同時に自分に向けても、この言葉を発している。「自分の大切な人を守る為にあなたとも闘う!」…ある意味、この言葉は、ナルトに対する静かな宣戦布告でもあったのです。

純真で無垢(笑)なナルトの事ですから、この時、直ちに、この深い「メッセージ」の意味を理解できる筈もなく。しかし、それは大切に、忘れる事なく、確かに、ナルトの中で息づく「性根」(しょうね)となります。そして、その真価は「木の葉崩し」の対我愛羅戦で発揮されることになる。ナルトの想像を絶する活躍がサスケの心に深い「劣等感」を植え付けることになろうとは…果たして、この時点で誰が予想できたでしょうか?

「君は強くなる…
またどこかで会いましょう」(白)

決意にも似た険しい眼差しで、その場を辞する「白」(第3巻/78頁)。この後の激戦を暗示するかのように。そして、運命は両者は交戦へと導きます。

熾烈な闘いでした。建設中の橋梁の上で、写輪眼を覚醒させ、攻勢に出るも、ナルトを庇おうとしたサスケは「白」の千本の餌食になってしまいます。それが、ナルトの九尾の覚醒の引き金になり、九尾の圧倒的な「力」で、ナルトは「白」を撃ち破ります。砕け散る「白」の仮面。本心の露呈。そこには「人」としての「白」が立ち尽くしていました。

(…ボクは……
この子には敵いません……
再不斬さん……)(白)

再不斬の「道具・武器」として生きる「白」にとって「敗北」は生きる事の否定に等しい(第4巻/24-25頁)。

「ナルト君…
ボクを…殺して下さい」(白)

「白」は自らナルトに殺される事を懇願します。再不斬に必要とされない自分が許せなかった(第4巻/40頁)。初めから決めていた事なのでしょう。


一方、サスケは…

「あいつ…初めから…」(サスケ)

仮死状態から気を取り戻したサスケは自分を貫いた千本で「殺意の有無」を悟ります(第4巻/107頁)。そして、この時、サスケは仮面で顔を覆い隠した「敵」(忍、道具)である「白」を思い起こしています。つまり、接近遭遇はあったにせよ、サスケは「人」としての「白」には出会っていないのです。あの時、ナルトとひとしきり話した後、立ち去る「白」の後ろ姿をいぶかしそうに振り返っていましたね。

「人は…
大切な何かを守りたいと思った時に
本当に強くなれるものなんです」(白)

そう語る「白」の微笑みの暖かな光の中に、ナルトは未だ見ぬ「母」の姿を垣間見ていたんではないでしょうか?

「君は強くなる…」

母親が子供の背中を優しく押すような掌の暖かさ…。
子供を弾かない”柔らかさ”を感じませんか?

「大切な何か」

悲しいかな、自分は「道具」として生きる道を選んでしまったけれど、あなたには…「道具」として生きるのではなく、「人」として生きて欲しい!…大切な何かを守れる、強い「人」になって欲しい!…と。現実を生きた大人が普通に持ち得る、自らの人生に対する悔恨と共に、溢れんばかりの「母性」をもって、ナルトの生き方の根幹を、しっかりとした『具体的な指針』と共に提示する「白」。この時、大いなる「母親」の役割を、「白」はしっかりと果たしたのです。

「人」としての「白」に出会えたナルト。出会えなかったサスケ。「白」との出合いは二人の行き先を大きく違えた。間違いなく、この出合いが、ナルトの人生を決定付けた「運命的」な出会いであったと言えるのではないでしょうか?「白」はナルトの中にしっかりと根付く、本当の「強さ」を遺したのです。

同じように「白」と出会っていた筈の再不斬。やはり悪しき風習によってねじ曲げられた性根は「人」としての「白」の存在を無意識に拒んだのでしょう。その心の蓋をナルトによって抉じ開けられた。これも再不斬にとっては運命の出合いだったと言えるでしょう。ナルトの淀みない言葉が再不斬の目を「白」の骸に向けさせます。

「……それ以上は…
何も言うな……」(再不斬)


それは、悲鳴にも似ていました(第4巻/94頁)。再不斬もまた、無意識の内に「白」に「母親」を感じていたのだと思います。同時に「白」は再不斬とナルトを重ねていた。ナルトと対面した時、再不斬との出合いを重ねていましたもの。再不斬によって居場所を与えられた「白」。最期に溢れ出した鬼人・再不斬の涙。二人の壮絶な死に様。「悔恨」に心が震えました。 躯の中心が揺さぶられるような「後悔」を、僕は感じたのです。

「…できるるなら……
お前と…同じ所に…
行きてェなぁ……
オレも…」(再不斬)

「白」は「母性」そのものでした(第4巻/115頁)。しかし、再不斬に対する愛が「道具」としての生き方を強要(?)したのです。惜しむらくは、もしも、もしも…「白」がナルトに注いだ「情」を、「母性」を、同じように再不斬に注げていたなら…再不斬の「母」になれていたなら…。「白」は、再不斬の人生すら変えてしまったんではないか?…と(第4巻/116頁)。

「白」の死が静かに降り積もる…。
悲しい…悲しい「雪」のように…。

「…雪のように真っ白な
少年だったな……」(カカシ)



  

「白」に関する考察(その2) | BLOG TOP | カブトは大蛇丸を…

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。